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2012年5月2日水曜日

TOPIX Core30ひとかじり(2)任天堂(2011年度決算説明会)

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当社のことを1月下旬に取り上げたときは、株価が10,000円に近づいていました(過去記事)。その後、市場の回復と共に株価は上昇しましたが、ここにきて10,000円近辺に戻ってきました。来期の業績予想がもうひとつだったからとのことですが、個人的には第一四半期もWii買い控えによる低迷が続くものと予想しています。

今回は、2011年度決算説明会での岩田社長の質疑応答から、マーケット・セグメンテーションの話題を引用します。チャーリー・マンガーも指摘する心理学的傾向のひとつが登場しています(過去記事)。

<A7 岩田社長>
新しいお客様を獲得しようとして重視した点と、ゲームを趣味としてお楽しみいただいているお客様に満足していただくために重視した点において、少し偏りがあり過ぎたために、「Wiiというゲーム機は自分たちのものではない」と感じられ、「少々魅力的なソフトが出ても遊んでみる気になれない」というムードをつくってしまったことも事実だと思います。今回、過去のニンテンドーDSやWiiの時と比べて、ニンテンドー3DSでは、いわゆるユーザー拡大型のソフトウェア展開が遅いように見えているということについては、ある程度考えてやっていることでもあります。最初にお客様が、「この機械は自分たちのものではない」と受けとめられた場合、後からその認知を変えることはとても難しいということを私たちは学んでいます。そのため、まず私たちは「幅の広さと深さを両立させたい」と申し上げてニンテンドー3DSやWii Uを展開し、ニンテンドーDSやWiiの時には幅の広さについては多くの方にご評価いただきましたが、奥の深さという点でみなさんに満足いただけたとは言い切れませんので、今度は奥の深さでも、幅でも満足していただきたいと考えています。そのためには、まず深さから始めようということがあり、今のニンテンドー3DSのソフト展開となっていますので、今後についてはこれから変わっていきます。この幅の広さと深さの両方を充実させることで、一つのプラットフォームでより幅広いお客様に満足していただけるようにしたいと思います。Wii Uで考えていることも基本的に同じです。そういうことを継続していった時に、世帯当たりのプレイ人数も多くなり、ユーザー人口の増加とともに、持続力のあるマーケットをつくることができるのではないかと思っています。今申し上げたような形でニンテンドー3DSやWii Uが今後どうなっていくのか、これからお目にかけたいと思います。

個人的には、Wii Uは戦略的にもっとも重要な製品として位置づけられている、と受けとめています。6月に開催されるE3での続報が楽しみですが、現在の株価にも少し魅力を感じます。10,000円は、やや割安と捉えています。

2012年5月1日火曜日

わたしがお手本としている人(ウォーレン・バフェット)

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今回ご紹介するのは、ウォーレン・バフェットによる2002年度「株主のみなさんへ」での、わたしが好きな一節です。バークシャー・ハサウェイが買収した子会社の経営は以前からの経営陣に任せるのが常ですが、ここではその理由を説明しています。この手のちょっとおもしろい話で楽しませてくれるだけでなく、要所をきちんとおさえているところが、ウォーレンの魅力のひとつですね。(日本語は拙訳)

経営の上でわたしがお手本としている人物をご紹介しましょう。バットボーイをしていたエディー・バネット氏です。1919年に19歳だった[16歳の誤りか?]エディーは、シカゴ・ホワイトソックスで仕事を始めました。その年のシカゴは[リーグ優勝し]、ワールド・シリーズへの出場を果たしました。翌年、エディーがブルックリン・ドジャースに移ったところ、これまたリーグ優勝の成績をおさめています。ところがわれらがヒーロー氏は何かをかぎとったのでしょうか、1921年には別の区のチーム、ヤンキースに加わりました。なんと、またもや早々にチーム史上初のリーグ優勝です。そこでエディーは腰をおちつけ、チームの行く末を見守ることにしました。これが賢明な判断で、ヤンキースはそれからの7年間で5回のアメリカン・リーグ優勝を果たしたのでした。

この話から経営者はどんな教訓をえられるでしょうか。そう、簡単ですね、「自分が勝ちたければ、勝者とともに働きなさい」ということです。例えば1927年にエディーは、ワールドシリーズ後のボーナスとして700ドルが支給されました。当時のヤンキースはルースとゲーリックがいた伝説的な時代で、優勝チームのメンバーに対するボーナス満額の1/8が彼に認められていたのです。ヤンキースは負けなしの4連勝だったので、このボーナスをもらうのにエディーが働いたのは、わずか4日間。これは、普通のチームで働く当時のバットボーイが1シーズン働いて得る収入とだいたい同じぐらいの金額でした。

いかにバットをせっせと運ぼうが、それは全然重要でない。エディーにはわかっていたのです。肝心なのは、最上の選手たちがいるところで働くことだ、と。エディーからの教訓どおり、アメリカビジネス界でも猛打者ぞろいのバークシャーで、わたしは毎日バットを手渡しています。

My managerial model is Eddie Bennett, who was a batboy. In 1919, at age 19, Eddie began his work with the Chicago White Sox, who that year went to the World Series. The next year, Eddie switched to the Brooklyn Dodgers, and they, too, won their league title. Our hero, however, smelled trouble. Changing boroughs, he joined the Yankees in 1921, and they promptly won their first pennant in history. Now Eddie settled in, shrewdly seeing what was coming. In the next seven years, the Yankees won five American League titles.

What does this have to do with management? It’s simple - to be a winner, work with winners. In 1927, for example, Eddie received $700 for the 1/8th World Series share voted him by the legendary Yankee team of Ruth and Gehrig. This sum, which Eddie earned by working only four days (because New York swept the Series) was roughly equal to the full-year pay then earned by batboys who worked with ordinary associates.

Eddie understood that how he lugged bats was unimportant; what counted instead was hooking up with the cream of those on the playing field. I’ve learned from Eddie. At Berkshire, I regularly hand bats to many of the heaviest hitters in American business.


エディー・バネットのことは、Wikipedia(英語版)のこちらにも投稿されていました。

2012年4月29日日曜日

最も信頼できるモデルとは(チャーリー・マンガー)

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チャーリー・マンガーによる世知の続きです。一言で取り上げているものもありますが、今回は広い範囲にわたっています。本シリーズの先頭にあたる過去記事はこちらです。(日本語は拙訳)

さて、最も信頼できるモデルにはどのようなものがあるか、挙げていきましょう。当然ですが、純粋科学や工学の分野で培われたものがいちばん信頼できます。それから品質管理もそうです。これもフェルマーやパスカルの初歩的な数学に基づくものですが、私のようなプロの技術屋でない人は、少なくとも基本的な概念はおさえておきたいものです。

品質管理を学ぶにはそれなりに時間がかかります。でもそうしておけば、このモデルが示す考えからはみださなくなります。中学校でやる数学がわかっていれば大丈夫です。これの結実した一例が、デミングが日本にもたらした一連の品質管理手法ですね。

ふつうは、統計学を器用に使いこなせるレベルまで達する必要はないと思います。わたしなどは「Gaussian分布」[ガウス分布]をどう発音するのか、よくわからないぐらいです。ですが、それがどういう形に分布するもので、物事や世の中の多くの側面がその分布に従うことは理解しています。つまり、大雑把には計算できるというレベルですね。

一方、ガウス分布に従うものを小数点以下10桁まで計算しろといわれたら、これはお手上げです。習熟はしていないけれどうまくやれる程度にパスカルを学んだポーカー・プレイヤー、といったところです。

わたしぐらいには釣鐘曲線を理解しておく必要はありますが、それだけあれば十分うまくやれます。

先に進みます。工学上の概念としてバックアップ・システムや破断点がありますが、これらはとても強力なモデルです。物理学上の概念である臨界量も強力です。

こういったモデルは、日常的な物事をみつめる際にも、とても役に立ってくれます。それから費用便益分析もありました。これは中学レベルの代数がわかっていれば十分ですが、おおげさな専門用語で飾り立てられている感がありますね。

次に信頼できるモデルとしては生物学と生理学をあげたいと思います。というのは我々自身が遺伝を通じて、だいたい同じになるように仕組まれているからです。

Which models are the most reliable? Well, obviously, the models that come from hard science and engineering are the most reliable models on this Earth. And engineering quality control - at least the guts of it that matters to you and me and people who are not professional engineers - is very much based on the elementary mathematics of Fermat and Pascal.

It costs so much, and you get so much less likelihood of it breaking if you spend this much. It's all elementary high school mathematics. And an elaboration of that is what Deming brought to Japan for all of that quality-control stuff.

I don't think it's necessary for most people to be terribly facile in statistics. For example, I'm not sure that I can even pronounce the Gaussian distribution, although I know what it looks like and I know that events and huge aspects of reality end up distributed that way. So I can do a rough calculation.

But if you ask me to work out something involving a Gaussian distribution to ten decimal points, I can't sit down and do the math. I'm like a poker player who's learned to play pretty well without mastering Pascal.

And, by the way, that works well enough. But you have to understand that bell-shaped curve at least roughly as well as I do.

And, of course, the engineering idea of a backup system is a very powerful idea. The engineering idea of breakpoints - that's a very powerful model, too. The notion of a critical mass - that comes out of physics - is a very powerful model.

All of these things have great utility in looking at ordinary reality. And all of this cost-benefit analysis - hell, that's all elementary high school algebra. It's just been dolled up a little bit with fancy lingo.

I suppose the next most reliable models are from biology/physiology because, after all, all of us are programmed by our genetic makeup to be much the same.


2012年4月28日土曜日

ポートフォリオの流動性について(セス・クラーマン)

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今回は、ヘッジ・ファンドのマネージャーであるセス・クラーマンの著書『Margin Of Safety』から、流動性の大切さを説いた一節をご紹介します。(日本語は拙訳)

ポートフォリオが長期投資の視点で組まれていれば、流動性が大きな問題になることは、ほとんどないでしょう。いざというときには即座に現金化する必要があるので、完璧なまでに流動性を高くしておかなければならない、といった投資家は稀だと思います。ですが、唐突に現金化しなければならないこともあります。その場合、現金化できないことで払う機会費用は大きいので、流動性がまったくないポートフォリオというのも問題です。じっとこらえた末に十分に報われるのであれば流動性の悪い大きなポジションをとりつづけることもありますが、ほとんどの場合はバランスのとれたポートフォリオにするべきです。

Most of the time liquidity is not of great importance in managing a long-term-oriented investment portfolio. Few investors require a completely liquid portfolio that could be turned rapidly into cash. However, unexpected liquidity needs do occur. Because the opportunity cost of illiquidity is high, no investment portfolio should be completely illiquid either. Most portfolios should maintain a balance, opting for greater illiquidity when the market compensates investors well for bearing it.


個人的には、流動性が高くない銘柄ばかりのポートフォリオを組んでいるので、市場全体が大きく下落しているときにうまく売れることは期待していません。そのため、下落時に買い続けられる程度の資金は残すようにしています。状況によりますが、半年から9ヶ月ぐらい下がり続けることを想定して、買うペースや待機させておく資金を調整しています。下がっているときでないと買えないという性格なので、途中で株価が反騰しはじめて、思ったほど買えなかったことはよくあります。

2012年4月27日金曜日

自動車、航空機、テレビ。何が共通しますか(ウォーレン・バフェット)

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今回はウォーレン・バフェットによる2009年度「株主のみなさんへ」からの引用で、「自分たちが避けること」についてです。(日本語は拙訳)

チャーリーとわたしは、製品がどんなに魅力的でも将来がどうなるのか評価できないビジネスは、避けるようにしています。過去をふりかえってみると、自動車(1910年)、航空機(1930年)、テレビ(1950年)といった業界には、誰の目からみてもすばらしい成長が待っていました。しかし、その種の業界には激しい競争がつきもので、ほとんどの会社は競争に敗れ、消え去っていきました。生き残った会社のほうも傷を負ったものです。

業界が今後大きく成長するのが明らかだからといって、競合との覇権争いが繰り広げられるビジネスでは、利益率や資本収益率がどうなるのか判断できるわけではありません。あくまでもバークシャーが目を向けるのは、数十年先の利益がまずまず予測できるようなビジネスです。そうであっても、過ちは絶えないものですが。

Charlie and I avoid businesses whose futures we can’t evaluate, no matter how exciting their products may be. In the past, it required no brilliance for people to foresee the fabulous growth that awaited such industries as autos (in 1910), aircraft (in 1930) and television sets (in 1950). But the future then also included competitive dynamics that would decimate almost all of the companies entering those industries. Even the survivors tended to come away bleeding.

Just because Charlie and I can clearly see dramatic growth ahead for an industry does not mean we can judge what its profit margins and returns on capital will be as a host of competitors battle for supremacy. At Berkshire we will stick with businesses whose profit picture for decades to come seems reasonably predictable. Even then, we will make plenty of mistakes.