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2012年3月2日金曜日

こわくて眠れなかったんだよ(ジョリー・オルソン51歳)

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アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルの記事Investors' Sell Signal: Surging U.S. Stocksで、株式投資信託の資金状況の記事がありました。最近の相場の上昇とは反対に、個人投資家は解約傾向が続いているとしています。以下の右図でピンク色の棒がマイナス側にでており、ファンドからの資金流出を示しています。

(出典:The Wall Street Journal)









記事中のインタビューに応じている人は、株式を売って債券を買っているとのことです。51歳になるエンジニアの彼は、こうも話しています。(日本語は拙訳)

「2009年の春に、どんなにひどい思いをしてたか、思い出すようにしてるんだ」、彼は危機当時の安値に言及した。
「こわくて眠れなかったんだよ。今は状況が逆になっているけど、上がったのと同じように下がるのも速いんじゃないの」

"I remind myself of how bad it felt in March 2009," he said, referring to the crisis-era low. "I just didn't sleep because it was horrible. Now, we're on the other side of that swing and this could just as easily go down as it could go up."

上記の記事にならって、日本の状況がどうなっているか、グラフにしてみました。原資料は投資信託協会がとりまとめている公募投資信託の資産増減状況(実額)になります。








赤線が株式投資信託への資金の純流入出額を示しています。アメリカと違って、日本で大きく流出超になった時期は、2008年10月と、この2011年10月以降です。2011年4月にもそうでしたが、大震災直後のためと思われます。短期的な変動はともかく、こうして長期間の傾向をみると2006年から2007年にかけた活況ぶりがよくわかりますね。

2012年3月1日木曜日

IBMの株価は、簿価の何倍?(チャーリー・マンガー)

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以前に一部をご紹介した、チャーリー・マンガーの講演その2 「投資やビジネスで活かす世知入門」(A lesson on Elementary, Worldly Wisdom as It Relates to Investment Management and Business)で、IBMの名が引き合いに出されていました。今回はその部分を引用します。出典は、おなじみの「Poor Charlie's Almanack」です。(日本語は拙訳)

株式市場では、すぐれた競合や強い組合に頭を悩まされている鉄道会社には、簿価の三分の一の値になることもあります。対照的に、全盛期の頃のIBMは簿価の6倍で取引されていたものです。まさしくこれが、パリミュチュエル方式なのです [賭けの配分方式。代表的な例が競馬]。大ばか者なら、単に鉄道会社よりもIBMのほうが商売の見通しがよいからとみるでしょう。しかし株価を式に当てはめてくらべてみると、どちらの株を選んだほうがよいのか、あまりはっきりしなくなります。パリミュチュエル方式とよく似ています。だからこそ、勝つのは難しいのです。

In the stock market, some railroad that's beset by better competitors and tough unions may be available at one-third of its book value. In contrast, IBM in its heyday might be selling at six times book value. So it's just like the pari-mutuel system. Any damn fool could plainly see that IBM had better business prospects than the railroad. But once you put the price into the formula, it wasn't so clear anymore what was going to work best for a buyer choosing between the stocks. So it's a lot like a pari-mutuel system. And, therefore, it gets very hard to beat.

ところで現在のIBMの株価はUS$200の少し下ですが、PBRのほうは11となっています(Mkt. cap.が230Bで、Total IBM stockholders' equityが20B)。自社株買いを続けているため、株主資本が低く抑えられています。上述の講演は1994年のものですから、時代は変わるものですね、チャーリーさん。

2012年2月29日水曜日

借り手にも貸し手にもなるな(ジェレミー・グランサム)

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ファンド・マネージャーのジェレミー・グランサムによる最新のレターが少し前に公開されました。こちらのファイルです。「ポローニアスじいさんからの投資の助言」という題名で、10の助言を記しています。今回は、そのうちの1つをご紹介します。

4. 辛抱して、長期でみること
よいカードがくるまで待ってください。とにかく待ち続けて、相場がとことん安いところまで下がったら、それが安全余裕となってくれます。「とてもよい」投資が「格別な」にかわるまで、今はただ苦悩に耐えるときです。個別株はたいてい持ち直しますし、相場全体は必ずそうなります。上述の規則[本引用では省略]に従っていれば、やがては悪いニュースを乗り越えられるでしょう。

4.Be patient and focus on the long term. Wait for the good cards. If you’ve waited and waited some more until finally a very cheap market appears, this will be your margin of safety. Now all you have to do is withstand the pain as the very good investment becomes exceptional. Individual stocks usually recover, entire markets always do. If you’ve followed the previous rules, you will outlast the bad news.


最近の市場での上昇ぶりをみると、この文章は少し前に書かれたものかと思わせる節があります。そうだとしても、以前ご紹介したボブ・ロドリゲスの発言「注意!この先危険」と似ていますね。ちなみに、このお二人は早めに警告を出すタイプです。

なお、ポローニアスとはハムレットの登場人物の一人です。レターの最終ページには、ハムレット第一幕第三場のせりふが引用されています。

2012年2月28日火曜日

バークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオ(2011年度末)

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ウォーレン・バフェットによる「株主のみなさんへ」には保有株式(普通株)の一覧が掲載されています(PDFのp.15)。以下に、2011年度分の保有株式の比率を図にしました。








株式ポートフォリオのおよそ半分を3銘柄で占めています。また上位10銘柄になると、80%占めることになります。ほどほどに集中投資ですね。この他にもワラントを保有しており、例えばBank of Americaの分を全て行使して株式を取得したら、AmexとP&Gの間に追加されます。残りのワラントはGoldman SachsとGEです。

余談ですが、我が家の株式ポートフォリオ配分も似たような比率になっています。3銘柄で半分です。個人的には上位2,3銘柄で半分ぐらいになるのが、調べものや考えるのが集中できてやりやすいです。

2012年2月27日月曜日

今年も反省します(ウォーレン・バフェット)

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ウォーレン・バフェットは「株主のみなさんへ」の中で、自社の経営状況の概要を説明します。他社のトップも同じようなことをしていますが、ウォーレンが大きく違うのは、自分のあやまりを認め、おおやけにする点です。普通の勤め人の感覚だと何ということはないのですが、ある種の人たちにとっては反省できない事情があるのでしょう。大株主という立場を割り引いたとしても、多くの人がウォーレンに親しみを持つのは、そういう当たり前感覚をきちんと持っているからだと思います。前回に続いて今回も、2011年度「株主のみなさんへ」からの引用です。(日本語は拙訳)

なお、ウォーレンは各種の証券投資で名実ともに大投資家となりましたが、今では事業会社を数多く買収し、利益の大半はそれらの子会社があげています。前年度(2011年度)は大震災の支払いで保険事業は低採算でしたが、一般事業(電力エネルギー、鉄道、その他)を合計すると、純利益は5,000億円強でした。

このグループに属する子会社[バークシャーでの報告上の分類。製造、サービス、小売事業が属する] の販売する商品は、ロリポップ[お菓子]からジェット飛行機にまでわたります。すばらしい経済特性を謳歌するものは、純有形資産比で25%から100%超の税引後利益をあげています。それ以外は12%から20%の、そこそこの利益をあげています。しかし、ひどく残念な利益にとどまるものもいくつかあります。資産を配分するのが私の仕事ですが、そこで重大な失敗をおかしたからです。買収対象ビジネスが持つ競争力か、あるいはその所属業界の経済情勢の先行きを見誤ったのです。買収に先立っては10年、20年先を見通そうとするのですが、ときには不十分でした。チャーリーのほうが当たっていました。しくじった買収先の何件かは、検討時に「棄権」とだけ言っていたからです。

This group of companies sells products ranging from lollipops to jet airplanes. Some of the businesses enjoy terrific economics, measured by earnings on unleveraged net tangible assets that run from 25% after-tax to more than 100%. Others produce good returns in the area of 12-20%. A few, however, have very poor returns, a result of some serious mistakes I made in my job of capital allocation. These errors came about because I misjudged either the competitive strength of the business being purchased or the future economics of the industry in which it operated. I try to look out ten or twenty years when making an acquisition, but sometimes my eyesight has been poor. Charlie’s has been better; he voted no more than “present” on several of my errant purchases. (PDFの11ページ目)


ここで重要なのはウォーレンの謝罪ではなく、投資の失敗の原因です。「買収対象ビジネスが持つ競争力か、あるいはその所属業界の経済情勢の先行きを見誤った」としています。これは経営管理や戦略以前の、根本的な次元のものです。以前取り上げた記事「10秒ください」をふりかえってみてください。ウォーレンの判断基準に優先順位がついていますが、フィルター1とフィルター2に見事に当てはまっています。

チャーリー・マンガーは言っています。「自分で痛い目にあうよりも、他人の過ちから学べ」。ウォーレンの反省を他山の石としたいものです。