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2011年12月25日日曜日

私の失敗した投資(1)QQQプット買い

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「自分で痛い目にあうよりも、他人の過ちから学べるほうがいい」とチャーリー・マンガーは言っていますが、当たり前の処世訓ではあります。でも他人がそのとおりに従っているのかは正直よくわかりません。みなさんにお聞きしたいところです。個人的にはさんざん懲りてきたので、本気で取り組むべき教えだと痛感しています。

そういった例は世の中にいくつもあるはずですが、知っているものを挙げると例えば工学の世界では畑村教授のような人が中心となって失敗学が提唱されています。製造業の現場では「ポカヨケ」や「安全第一」といった言葉はおなじみです。レビュープロセスや、最近注目のチェックリストも失敗に基づいています。

一方、投資の世界では華やかな成功が目立つものですが、本ブログではチャーリーの教えに従って、「失敗を避けること」に重点をおいて目を向けたいと考えています。このシリーズでは、私がおかしてきた投資の失敗例をいくつかご紹介します。第1回目は、損失金額が最大だった投資(というか投機)です。


■背景
時期は2005年のはじめになります。2003年3月に株式市場が底打ちし、株価が大きく上昇中だった頃です。当時はアメリカに上場されている株式を中心に買っていたのですが、2年近くにわたって相場が上昇しているのをみて、そろそろ下降するのではないかと懸念していました。
ITバブルが終わって時間が経っていないのにアメリカやイギリスの不動産相場が盛況になっており、遠からず景気が冷え込むと予想していたのです。


■実行した投資
当時の手持ちの株式はまだ割安で、手放すつもりはありませんでした。どうしようかと思案していた頃に、あるバリュー・ファンド・マネージャーのプレゼンが目につきました。ナスダックの代表銘柄100社をトラッキングするインデックスQQQのputオプションを買う戦略です。

オプション取引になじみのない方に、要点だけ説明します。株式等のオプションにはcallとputの2種類があり、putを買うのは株を空売りするのと似ています。価格が下がるとオプションの価値が上がるのです。「下落相場に備えた期間限定の掛け捨て損失保険」と考えるとイメージが少し近いです。

オプションの行使時期は2006年初や2007年初としました。2003年3月からすると3,4年後になるので、上昇相場はその頃には終わっているものと当て推量したのです。ベンジャミン・グレアムのThe Intelligent Investorを読んでおり、過去(1970年以前)の相場の周期を参考にしていました。


■投資結果
投資結果は完敗です。下図のように、QQQの価格は2007年末に向かって上昇し続けました。私の買ったputオプションの行使価格から大きく離れてしまい、結局は大幅に目減りした価格でオプションを売ることになりました。QQQの他にS&P500インデックス(SPY)もputを買っており、損失の合計は約$50,000。当時の為替レートにすると500万円強になりました。









■教訓
さて、高い授業料を払って何を学んだのでしょうか。

1. 自分の考えが間違っているとしたらどうなるか、前もって考える
当時はアメリカの景気が大きく冷え込むことを確信を持って予測していました。その通りの結果になりましたが、時期は大はずれでした。そもそも景気は変動するものなので、景気後退は誰にでも予測できます。ふりかえってみれば、自分の思考回路に致命的な誤りがありました。今でも同じように、私が間違う確率はゼロではありませんし、かなり高いはずです。

2. マーケットの動きは読めない
自分の投資スタイルである現物株のバイ・アンド・ホールドであれば、価格が上がればそのまま保有し、価格が下がれば適宜追加投資して平均買い単価を下げられます。つまり、企業分析をきちんと行っていれば、価格の動きは投資元本の安全には影響しにくいものです。しかし、時期に賭けるとなると話は別です。景気はともかくとしても、自分の判断がマーケットの動きを捉えていなければ、元本を無駄にしてしまうリスクがあります。この例では、そのとおりになってしまいました。私には、マーケットの動きも読めないのです。

3. 他人の意見をうのみにしない
実は、意見を参考にしたファンド・マネージャーとはティルソンです。実績からみると彼はまだひよっこに過ぎなかったのですが、勝手に感じ入ってしまい、自分できちんと考えることを放棄してしまいました。無意識に、彼のスタイルに憧れていたのかもしれません。他人の意見をうのみにした例は他にもあります。よくない傾向が私にはあるのだと思います。他人の投資アイディアを参考にするのは悪くはないのですが、自分自身で調べきれていない甘さがあります

■追記(2011/12/25 11:00)
保険目的でputオプションを買うのであれば、手持ちの現物株の価格が上昇し、損失を相殺するものです。残念ながら、このときは目論んだとおりにはいきませんでした。が、思わぬ銘柄が上昇し、結果的には損失を減らせました。CEFという銘柄に投資していたのです。これは金銀の現物に投資するファンドで、銀ETFのSLVが登場する以前は、銀投資といえばこのファンドが有名でした。ナスダック100と金銀の相関関係は弱いようで、現時点のCEFのベータは0.28です。たまたま損失を減らせましたが、この件は大きな失敗として記憶に残っています。


2011年12月22日木曜日

浴槽の洗剤は半分に(節約度★)

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浴槽用の洗剤は、安売り店で詰め替え用を買っています。我が家の節約はそこから先で、スプレー容器に移し替えるときに原液のままではなく、水で割るようにしています。原液で洗うのは濃すぎるので、初めから薄めておけば一石二鳥です。洗剤と水の割合は、目分量で1:1にしています。



2011年12月21日水曜日

投資先の業績が1,2年後にどうであろうと、気にしないのです(FPA)

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アメリカのバリュー・ファンド・マネージャーの中でも極めつけの慎重派がボブ・ロドリゲス氏です。単に慎重なだけでなく、好成績を長期間挙げているのがすばらしいです。今回は、彼のファンド会社FPAのサブ・ファンド・マネージャーのインタビューFPA's Rikard Ekstrand Found Opportunities In Downturn(Investors.com)から引用します。(日本語は拙訳)

初めに、ファンドの紹介です。

大見出しに登場するような人気株にはほとんど投資しないのですが、FPA Capitalファンドは素晴らしい成績を挙げ続けています。

当ファンドは、この決算期の11月末には運用資産が12億ドル[1000億円弱]になりますが、15年間にわたって年率10.2%のペースで上昇しています。これはS&P500の上昇率の2倍で、モーニングスターによる中型株バリューファンドではトップの成績です。

Despite rarely holding the flashy highflying stocks that capture the headlines, FPA Capital Fund has been remarkably consistent.

Over the 15 years ended Nov. 30 the $1.2 billion fund's 10.2% average annual gain nearly doubled the S&P 500's. It was the top performing midcap value fund tracked by Morningstar Inc.


この秋の投資について。

(質問)現金比率は、これまでと変わりなく高いですね。9月末時点では34%でしたが、その後はどうなりましたか。

(答え)今はもっと少なくなっています。この3ヶ月で投資する機会がいくつかありました。新規投資先7件へ6%ほどを投資しました。業種は様々で、ヘルスケア、産業、ハイテクも含みます。今の現金比率は29%前後です。

IBD: Your cash weighting as usual is high. It was 34% as of Sept. 30. Is it rising or falling?

Ekstrand: It's actually less now. We found some opportunities in the last three months. We deployed about 600 basis points into seven new names.

They're in several sectors, including health care, industrials and tech.

So our cash is around 29%.


投資期間について。

(質問)投資した株式は長期間保有することが多いようですが。

(答え)ええ、平均すると5年以上は保有します。投資先の業績が数四半期や1,2年後にどうであろうと、気にしないのです。

IBD: And you often hold stocks for a long time.

Ekstrand: Yes, we hold on average for more than five years. We aren't concerned with how a name will do over the next few quarters or even year or two.


今回の記事で目についた銘柄は、Arrow Electronics (ARW)という電子部品・コンポーネントの商社です。売上高が1兆円を超えているのに初耳でした。自分の投資先に半導体輸入商社の富士エレクトロニクス(9883)があるので、投資判断が参考になるかと思い、興味をひいた一節です。

(質問)Arrow Electronics(ARW)やAvnet(AVT)は、どのようにお考えですか。

(答え)世界的な電子製品の商社ですね。半導体などの機器を扱っていますが、[この手の企業に投資するのは]テクノロジー業界の成長に乗っかるやりかたです。

他の業界と比べるとテクノロジー業界は陳腐化するのが速いのですが、ArrowやAvnetは経済成長が鈍化しているときでも成長できる特質を持っています。

IBD: What's your view on Arrow Electronics (ARW) and Avnet (AVT)?

Ekstrand: They're the leading electronics distributors in the world. They distribute components such as semiconductors. This is a backdoor way to participate in the growth of technology.

Because technology obsoletes faster than most other sectors, Arrow and Avnet have an inherent ability to grow even when economies are growing slowly.

2011年12月20日火曜日

液晶パネル企業とガラス企業の例(赤門マネジメント・レビュー)

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ガラスメーカーに関する情報を集めていたところ、参考になる文章がありましたのでご紹介します。2008年に発表されたものなので現状とは違うかもしれませんが、組立系メーカーの部材購買政策の一例として参考になるかと思います。赤門マネジメント・レビューに掲載されている「ものづくりアジア紀行第二十一回 韓国液晶産業における製造技術戦略」(新宅純二郎)から引用します。

部材の供給をサードパーティのサプライヤーに依存する企業にとって、特定の部材産業が寡占的であると、価格交渉力で不利になり、利益確保が困難になる。液晶パネルの製造コストでは、購入する部材コストが高く、大型パネルでは製造コストの6割程度が部材費であると言われている。今回調査した企業のひとつは、液晶用の薄型ガラス基板がパネル製造コストの3割程度に及ぶと指摘していた。ガラス基板、液晶材料、偏光板などの主要部材では上位数社への集中度が高い。

とりわけ、ガラス基板は、集中度が高くて価格も高い上に、供給量が限られていた。ガラスの製造は設備集約的な工程であり、設備投資によって供給能力が制約される。韓国の企業が第5世代に投資するにあたっては、ガラス・メーカーが第5世代向けの設備投資と大型化を実現する開発投資をしなければ、パネルは製造できない。

また、初期のTFT 液晶パネル製造工程では、同一メーカーの同じガラス基板を使用しないと、パネル製造の歩留まりをあげることができなかったという。その理由のひとつは、パネル製造工程での熱収縮の問題があったからである。パネル製造では、上側のガラスにカラーフィルターを、下側のガラスにTFT を形成し、その2枚のガラスで液晶材料を挟み込む。その際、熱を加える工程があり、ガラスが若干収縮する。上下のガラスの収縮率に微妙な違いがあると、カラーフィルターの画素セルとTFT のセルとがずれてしまい、適切に表示できなくなる。そこで、熱収縮率が同じガラスを使っていた。しかし、そのような状況だと、特定のパネル工場は、特定のガラス・メーカーの供給に依存することになる。

そこで、韓国の液晶パネル企業は、第4世代の頃から、特定のガラスに依存しない工程開発を進め、第5世代以降では複数のガラス・メーカーのガラスを混在して使えるようになったという。ガラスとパネル工程の依存性の問題は、現在でも完全には解決していないそうだが、ほぼ9割方は解決したとの評価であった。三星コーニング精密というグループ企業を抱えている三星電子でさえ、三星コーニング精密以外からも購入している。三星電子では、基本的には二社購買の政策をとっており、同じスペックのものを2社から調達することで部材メーカーのコスト競争による調達コスト削減を狙っている。偏光板も、同じスペックで2社から購入している。ただし、化学品は配合が微妙に異なると特性に影響を与えるので、2社購買が難しい。液晶材料がその典型で、液晶材料の微妙な差が偏光板やカラーフィルター、バックライトの仕様に影響を与える。(p.65)


と、赤色をつけた箇所がガラスメーカーに関する話題なのですが、それよりも気になる記述がありました。

ただし、化学品は配合が微妙に異なると特性に影響を与えるので、2社購買が難しい。液晶材料がその典型で、液晶材料の微妙な差が偏光板やカラーフィルター、バックライトの仕様に影響を与える。


やはりアナログ感覚に訴える混ぜ物系は、差別化につながりやすいようですね。コカ・コーラのレシピと似ていますね。

余談ですが、この赤門マネジメント・レビューの編集委員として、生産管理分野で著名な藤本隆弘教授が参画していました。同氏の研究は、ものづくり経営研究センターのWebサイトで読めます。こちらも参考になります。

2011年12月19日月曜日

冒険はすばらしいものだと思いますが(ウォーレン・バフェット)

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株価が下がってきたこともあり、旭硝子(5201)やCorning(GLW)といったガラス製造業を分析しています。参入障壁が高く、FPD用基板やカバーガラスでは高い利益率を上げていて、魅力的ではあります。しかし、これまでの投資先が競争優位性の強いディフェンシブな企業ばかりだったせいか、この手の企業の強みを消化しきれないでいます。

今回は、ウォーレン・バフェットによる1996年の「株主のみなさんへ」から引用です。(日本語は拙訳)

私どもが行ってきた企業買収や株式投資を調べて頂くと、大きな変化に出くわさないビジネスや業界を好んでいるのがおかわりになるかと思います。理由は簡単なもので、どちらの投資でも、今後10年や20年は大きな競争力を維持できるのが明白な商売を探しているからです。変化の激しい業界では大もうけできる可能性もありますが、我々の望みは不確実になってしまうのです。

ただし、ここで申し上げておきたいのは、一市民としてはチャーリーも私も、変化を望ましいものと捉えています。斬新な考え、新製品、革新的なプロセスといったものは、我が国の生活水準を向上させてくれる良きものです。しかしながら、一投資家としては、その手のにぎやかな業界は宇宙探査と同じように思えるのです。「冒険はすばらしいものだと思いますが、自分が行くのは遠慮させて頂きます」。

In studying the investments we have made in both subsidiary companies and common stocks, you will see that we favor businesses and industries unlikely to experience major change. The reason for that is simple: Making either type of purchase, we are searching for operations that we believe are virtually certain to possess enormous competitive strength ten or twenty years from now. A fast-changing industry environment may offer the chance for huge wins, but it precludes the certainty we seek.

I should emphasize that, as citizens, Charlie and I welcome change: Fresh ideas, new products, innovative processes and the like cause our country's standard of living to rise, and that's clearly good. As investors, however, our reaction to a fermenting industry is much like our attitude toward space exploration: We applaud the endeavor but prefer to skip the ride.