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2013年7月10日水曜日

かつてないほどむずかしい投資環境(セス・クラーマン)

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経済誌Forbesで、わたしが気にいっているファンド・マネージャー4名をまとめて取り上げている記事がありましたので、ご紹介します。

Beyond Buffett: Four Other Investor Letters The Pros Are Reading (Forbes)
(プロも読む、バフェット以外の著名投資家4名がしたためた書簡から)

マスコミにあまり登場しないセス・クラーマンのコメントのみ全訳し、ジェレミー・グランサム、ボブ・ロドリゲス、ハワード・マークスの3名分は一言に要約しました。(日本語は拙訳)

ジェレミー・グランサム(GMO)
「ことがうまく進めば、風力や太陽光発電のほうが石炭火力よりも安くつく」

ボブ・ロドリゲス(FPA)
「弱気に見ている対象: 米国連邦政府」

ハワード・マークス(Oaktree)
「株式に対して強気だが、今後数年間は年率6%程度の成績があげられれば御の字」

セス・クラーマン(Baupost)
「今日の投資環境は、この30年間仕事をしてきた中でもっとも難しいものかもしれません。これは相場が下落しているからではなく、上昇しているからです。政府が誤っているからではなく、過剰な振舞いを慢性的に続けているからです。我々の洞察力や分析用の道具が欠けているからでなく、起こりうる可能性の幅が非常に広いと考えているからです。投資先の候補が見つからないわけではなく、経済や金融システムの足元がおぼつかないせいで、それらの破綻が終息せずに続くリスクが、ほかのあらゆる要因よりもずっと大きいからです」。

"Investing today may well be harder than it has been at any time in our three decades of existence, not because markets are falling but because they are rising; not because governments have failed to act but because they chronically overreact; not because we lack acumen or analytical tools, but because the range of possible outcomes remains enormously wide; and not because there are no opportunities, but because the underpinnings of our economy and financial system are so precarious that the unabating risks of collapse dwarf all other factors."

2013年3月22日金曜日

強気相場の第2段階(ハワード・マークス)

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Oaktreeの会長ハワード・マークスが新しいメモを公開しています。話題は「株式相場の見通し」、前半では株式のリスクプレミアムをとりあげて楽観視をたしなめていますが、債券と比較したときの相対的な割安さを歴史的にみたり、バリュエーションを定性的に評価して、それほど行き過ぎた状況でないことを示唆しています。今回ご紹介するのはメモの最後の部分で、現在の投資家心理を概括したものです。(日本語は拙訳)

The Outlook for Equities (Oaktree Capital Management)

幸運にも1970年代半ばに、昔ながらの貴重な知恵の筆頭にあげられるものに出くわしました。「強気相場には3つの段階がある」というもので、私にとっては投資家として大きな教訓となったものです。

・1番目の段階では、先見の明があるわずかな人が、これからは好転するだろうと確信しはじめ、
・2番目の段階では、ほとんどの投資家が、良い方向に進んでいることを実感し、
・3番目の段階では、あらゆる人が、良い状態がこのまま永続的に続くと確信する。

2008年3月は金融危機によって生じたどん底が始まる数ヶ月前のことでしたが、そのときに書いた「潮がひいたとき」では同じ考えを逆にやってみました。弱気相場の3段階です。

・1番目の段階では、ひとにぎりの賢明な投資家が、強気の風潮にもかかわらず、未来はずっと明るいわけではないと考えはじめ、
・2番目の段階では、ほとんどの投資家が、悪化していると認識し、
・3番目の段階では、あらゆる人が、ますます悪くなる一方だと諦観する。

過去の特定の時期に何が起きたのか、後知恵で話すのはたやすいことです。2007年の第2四半期には損失を出すなど誰の頭にもありませんでしたが、それは強気相場の第3段階だったからです。一方で2008年第4四半期は債券市場で、そして2009年第1四半期は株式市場において、ずばり弱気相場の第3段階でした。金融システムは今にも崩壊し、半値になった株式はさらに半分になるに違いないと、ほとんどの人が考えていたものです。

しかし市場の歴史を学んで上手な投資家になるには、あとづけから学ぶやりかたではなくて、その時々で状況をどう評価するのかを学びとることが必要です。1年前に「デジャヴュ再び」を書いた頃には、株式は強気相場の第1段階にあると私は感じていました。悪い思い出がずっと残り、無関心の程度も高かったため、再び株の人気がでてくると考えていたのはごく少数の投資家だけでした。期待が低いところに、基礎的要因や心理面がそこそこ改善されたことで、メモを書いた時点からS&P500はおよそ13%上昇しました。

そして現在の状況ですが、基礎的な環境はいくぶん改善され、概して楽観的な投資家が増え、株価はかなり上昇しました。好転した様子はまったく認められないとは言えない状況なので、第1段階はもう過ぎています。私がみたところでは、状況が改善したことは広く認められていますが、その認識は広がりすぎてはいないですし、ひどく行き過ぎているわけでもありません。ですから、今は第2段階の前半の途中と思われます。市場で価格を決定しているのは、もはや悲観派ではありません。だからといって、手放しの楽観派が大勢を占めているほどでもありません。

In the mid-1970s I was fortunate to happen upon one of the first of the time-worn pearls of wisdom that contributed so much to my education as an investor. It described the three stages of a bull market:

・the first, when a few forward-looking people begin to believe things will get better,
・the second, when most investors realize improvement is actually underway, and
・the third, when everyone's sure things will get better forever.

In “The Tide Goes Out,” written in March 2008, several months before the lows of the financial crisis, I applied the same thinking to the converse - the three stages of a bear market:

・the first, when just a few prudent investors recognize that, despite the prevailing bullishness, things won't always be rosy,
・the second, when most investors recognize things are deteriorating, and
・the third, when everyone's convinced things can only get worse.

Hindsight always makes it clear what was going on at a particular point in time. It's a snap now to say the second quarter of 2007 marked the third stage of a bull market: no one could think of a way to lose money. And in the fourth quarter of 2008 (for credit) and the first quarter of 2009 (for equities), we were certainly in the third stage of a bear market: most people thought the financial system was about to collapse, and securities that had halved in price could do nothing but halve again.

But the study of market history only makes us better investors if it teaches us how to assess conditions as they are, rather than in retrospect. When I wrote “Deja Vu All Over Again” a year ago, it was my feeling that equities were in the first stage of a bull market. Experience had been so bad for so long - and the level of disinterest was so high - that only a few investors thought equities could ever catch on again. Those low expectations, when combined with modest fundamental and psychological improvement, gave the S&P 500 a return of about 13% over the year since that memo was written.

So now we have a somewhat improved fundamental environment, a generally more optimistic group of investors, and stock prices that are a fair bit higher. No one should say the likelihood of improvement is entirely unrecognized today, as would have to be the case for this to still be stage one. I think the existence of improvement is generally accepted, but that acceptance is neither extremely widespread nor terribly overdone. Thus I'd say we're somewhere in the first half of stage two. Pessimist no longer control market prices, but certainly neither have carefree optimists taken over.

2013年1月16日水曜日

進んでお縄にかかる者(ハワード・マークス)

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Oaktreeの会長ハワード・マークスが新しいメモDittoを公開していました。今回の話題は強気と弱気のサイクルについてです。これは他でもよくみかける話題ですが、彼の文章は地に足がついているだけでなく、読ませる構成になっています。今回はその中から、投資家が現状のリスクをどのようにとらえているか描写した箇所を引用します。(日本語は拙訳)

「投資家が自信に満ちているときはリスクが大きく、おびえているときはリスクが小さい」。ここまでの8ページはまぎれもなく、このことをわかってもらいたいがために書いたものです。今日の状況は言うまでもないでしょう。遅々として進まない景気回復や不均衡なままの財政、機能不全となったアメリカの政治情勢、それ以下のヨーロッパ、成長できない日本、中国の減速、新興国市場における派生的な問題、そして地政学的な緊張状態と、不確実な要素があることを投資家はよく認識しています。リスクに対して無知だったことがグローバル危機を招いた主犯だったと私は確信していますが、リスクのことをわかっているかという点では、今日の状況は心配無用でありましょう。

投資家が慎重な姿勢をとるのであれば、良ききざしとみるべきです。というのは、普通の状況であれば彼ら自身が資産価格を魅力的な水準まで引き下げると予想されるからです。しかし今日の状況には問題があります。強気に考えている人はほとんどいないにもかかわらず、多くの人が強気な行動をとっています。そのようにリスクをとっていれば、たとえリスクを望むと考えていなくても、市場に対しておきまりの悪い影響を及ぼすことでしょう。ここ数ヶ月の間、私はこの矛盾についてますます考えるようになりました、これこそ、投資家が現時点で対処すべきもっとも重要なことだと思います。

では、考えていることと行動していることが矛盾しているのは、一体なにゆえでしょうか。単純なことです、買いたいから買っているのではなく、買わねばならないと感じているから買っているのです。過去に同じことがあった際に、私はこう表現しました。「進んでお縄にかかる者」と。

Arguably the eight pages of this memo leading up to this point are there for the sole purpose of establishing that when investors are sanguine risk is high, and when investors are afraid risk is low. Today there's no question about it: investors are highly aware of the uncertainties attaching to the sluggish recovery, fiscal imbalance and political dysfunction in the U.S.; the same or worse in Europe; lack of growth in Japan; slowdown in China; resulting problems in the emerging markets; and geopolitical tensions. If the global crisis was largely the product of obliviousness to risk - as I'm sure it was - it's reassuring that there is little risk obliviousness today.

Sober attitudes on the part of investors should be a source of comfort, since in normal times we would expect them to bring down asset prices to the point where they're attractive. The problem, however, is that while few people are thinking bullish today, many are acting bullish. Their pro-risk behavior is having its normal dangerous impact on the markets, even in the absence of pro-risk thinking. I've become increasingly conscious of this inconsistency in recent months, and I think it is the most important issue that today's investors have to confront.

What's the reason for this seeming inconsistency between thoughts and actions? The answer is simple. These people aren't buying because they want to, but because the feel they have to. In the past I've referred to them as "handcuff volunteers."

2012年12月10日月曜日

なかなか2回も当てられない(ハワード・マークス)

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前回に続いて、ハワード・マークスの著書『投資で一番大切な20の教え』の話題です。同氏は将来を確率的にとらえた上で意思決定するよう説いていますが、そのプロセスと結果のあいだに横たわる溝に対する見方を引用します。

多くの人は未来が不確実性で覆われていることを認めているが、少なくとも過去は既知で不動だと感じている。しょせん過去は歴史であり、絶対であり、不変だ。だが[ナシム・ニコラス・]タレブは、実際に起こったことは、起きる可能性があったことの小さな集まりに過ぎないと指摘している。したがって、ある計略あるいは行動が(実現した環境下で)良い結果をもたらしたとしても、その背景にあった決断が賢明であったとは限らないのだ。

もしかすると、最終的にその決断を成功に導いたのは、起きるとはまったく考えられていなかった出来事であり、運が良かっただけかもしれない。だとすれば、(結果的にうまくいった)その決断は軽率だった可能性もある。そして、数多くの「違った歴史」のどれかが実現していれば、その決断は誤ったものになっていたかもしれない。(p.237)


すぐれた決断というのは、論理的で知力に秀でた情報通の人が下した決断で、その時点、つまり結果がわかる前の段階において、すぐれているとみなされたものだ。(中略)

損失リスクの場合と同様に、ある決断が正しいものとなるかどうかを左右する多くの要因は、あらかじめ知ったり、数値化したりすることができない。堅実な分析に基づいて、すぐれた決断を下したにもかかわらず、異常事態によって不利益を被った者がいたのか、またヤマを張ったことで利益をあげた者がいたのかを確実に知るのは、事が起きたあとでも難しいかもしれない。つまり、誰が最良の決断を下したのかを知ることは困難なのだ。一方で、過去のリターンは容易に評価できるため、誰が最も儲かる決断を下したのかはわかりやすい。「すぐれた決断」と「儲かる決断」は混同されがちだが、洞察力のある投資家はその違いを十分に認識しているはずだ。

長期的には、すぐれた決断が投資利益をもたらすと信じるほかない。だが短期的には、すぐれた決断が投資利益につながらなかったとしても、冷静に振る舞わなければならない。(p.239)


「世界は、習熟することや予測することが可能な、秩序だったプロセスの中で動いている」と思い込んでいる投資家はプロ、アマを問わず多い。これらの投資家は、物事につきまとうランダム性と、将来の成り行きに関する確率分布を無視している。このため、自分が予測するたった一つのシナリオに基づいて行動する道を選ぶ。それでうまくいくこともあるが(その投資家は称賛されるだろう)、長期的な成功をもたらすほどの一貫した成果はあげられない。注目すべきは、経済予測でも投資戦略でも、その時々でみごとに的中させる者が必ずいるが、同じ人物が2回ということはまれだ。最も成功している投資家とは、大半の場合に「だいたい当たっている」者であり、それが他の投資家よりもはるかにすぐれた点なのだ。(p.310)


確率の話題は、本ブログで何度か取り上げています。たとえば、チャーリー・マンガーが勧めているやりかたは、将来のシナリオを描く際に順列・組み合わせを使うといったものです(過去記事)。

2012年12月8日土曜日

絶対に負けないはずだった(ハワード・マークス)

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ファンド・マネージャーのハワード・マークスを過去記事「投資の世界で生き残る公式」でとりあげましたが、コメント欄でisさんが彼の著作が翻訳されていることを教えてくださいました。その『投資で一番大切な20の教え』を読了しました。書かれている内容はオーソドックスですんなりと受けとめられるものばかりですが、重要なのは、投資業界の生存競争に生き残り、現時点で預かり資産800億ドル(日本円で6兆円超)の実績をあげている彼によって書かれたことでしょう。

今回ご紹介するのは、「リスク」を話題にした章であげられた逸話のひとつです。

「最悪の場合の」予測という言葉を何かと耳にするが、実際に起きた状況はそれよりもっと悪かったということがしばしばある。父からよく聞いた話を紹介しよう。いつも負けてばかりのギャンブラーがいた。ある日、馬が一頭しか出場しない競馬のことを知り、借金をつぎ込んでその馬に賭けた。しかし、馬はコースを半周したところでフェンスを越えて逃げてしまった。(p.88)

2012年9月29日土曜日

自分の戦術に酔ってしまう(ハワード・マークス)

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少し前に取り上げたOaktreeの会長ハワード・マークスが、新しいメモOn Uncertain Ground(PDFファイル)を公開していました。先行きが見通せない最近の状況を概括していますが、唯一安心できる材料として投資家の心理が悲観的なことを挙げています。しかし、だからといって行き過ぎた行動を取らないように、今回ご紹介する文章では基本を忘れないよう戒めています。(日本語は拙訳)

どんな行動をとる場合でも、それによって得られる期待値を求めるには、「正しく実行したときに得られる結果に対して、その行動が正しいであろう確率を乗じたもの」から「失敗したときに発生する潜在的なコストに対して、その行動が失敗するであろう確率を乗じたもの」を減じることが必要です。ここで投資家にありがちなのは、自分の戦術によって得られるであろう利益に目が行ってしまい、それが正しいことなのかどうかの確率がお留守になりやすいことです。私自身は正しく予測する能力、とくにタイミングを適切につかむ能力が欠けているので、短期的なマクロの状況を判断して利益を得ようとは考えないことにしています。

海が荒れているようなときには、次に来る波が船のへさきを持ち上げるのかそれとも沈めるのかといったことは考えずに、長く続く航海を成し遂げることに集中するのが一番です。私たちの投資にとって目指す目的地へ向かう最善の方法とは、投資対象となる資産の価値を的確にみさだめ、その価値と価格のあいだにあるものを評価し、間違った価格をみつけたときには感情を排し、断固として行動にでることです。それこそが投資で成功するためのもっとも信頼できる、そして私が思うにただひとつの航路です。現在の状況がどうであれ、これはいささかも変わることはありません。(p.12)

The expected value from any activity is the product of the gains available from doing it right multiplied by the probability of doing it right, minus the potential cost of failing in the attempt multiplied by the probability of failing. Investors are often blinded by the potential gains from a tactic and thus don't think much about the likelihood they can get it right. Because I think so little of the ability to make correct forecasts - and especially of the ability to get the timing right - I dismiss attempts to benefit from short-term macro judgments.

The best response when seas are choppy is to focus on completing the long-term voyage and not think about whether the next wave is going to push the nose of the boat up or down. Our investment destination is best reached by accurately valuing assets, assessing the relationship between price and that value, and acting resolutely and unemotionally when mispricings are detected. That's still the best - I think the only - reliable path to investment success. Nothing about the current environment alters that one bit.


チャーリ・マンガーのファンのみなさんにおまけです。メモの最後のほうで、ハワード・マークス氏がチャーリーから教わった助言が紹介されています。

2012年8月7日火曜日

投資の世界で生き残る公式(ハワード・マークス)

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ハワード・マークス氏(Howard Marks)というマネー・マネージャーのことを最近知りました。彼が立ち上げて会長を務めているOaktree Capital Managementは、預かり資産5兆円超のオルタナティブ・ファンドです。顧客向けに書いたメモが一般にも公開されており、これが話題となっていたのに目がとまった次第です。

ウォーレン・バフェットも彼の文章を読んでいるようですが、実はそれだけの関係ではありませんでした。本ブログでよくとりあげる『Poor Charlie's Almanack』のWebサイトに同氏の著作『The Most Important Thing』が並んでいたのです。

今回ご紹介するのは、少し前のメモWhat Can We Do For You?からの引用です。なお、Oaktreeの主な投資先はDistressed Debt(「債務不履行債券」あたりが近い訳)などの債券ですが、彼の見識は株式投資にもそのまま通じるものと感じています。(日本語は拙訳)

不確実なことを試みるときには、その先になにがあるのかわからなくても、わからないのにわかっていると考えるのと比べれば、全然悪いことではありません。知らない道を使ってドライブに行くときのことを考えてみてください。地図を調べて、GPSの指示に従い、コースどおりか目印を確かめたり、方角を確かめたりしながら慎重に進むでしょう。一方、よく知っている道であれば、そういう作業は省略するものです。しかし、そう思っていたのに実はよくわかっていない道だったとしたら、どうでしょうか。目的地に着くのはもっと難しくなるでしょう。

In any endeavor involving uncertainty, not knowing what lies ahead isn't nearly as bad as thinking you know if you don't. If you're setting out for a drive and recognize that you don't know the way, you're likely to check a map, follow your GPS, ask directions and drive slowly, watching for indications you've gone off course. But if you're sure you know the way, you're more likely to skip these things, and if it turns out you didn't know, that'll make it much harder to reach your destination.


次は、マーク・トウェインの一文を借りてきています。

未来のことがわかると考える人と、わからないと考える人では、かなり違った行動をとる可能性があります。ここで大切なのは、正しいほうの道を選んで進むことです。マーク・トウェインもこう言っています。「わからないのはたいしたことじゃない。絶対わかっていると思っているのに実はわかっていないほうがやっかいだ」。投資の世界には生き残る公式というものがありますが、これはそこに含まれる要素の一つなのです。

The difference in behavior between those who think they can know the future and those who don't is potentially enormous. It's essential to be on the right side of this choice because, as Mark Twain said, "It ain't what you don't know that gets you into trouble. It's what you know for sure that just ain't so." That's an essential component of the formula for investment survival.


最後に、ハワード・マークスが顧客にむけて「できませんよ」と宣言している箇所です。

世界経済がどうなるのか、わかりません。
市場はいつどれだけ上がるのか下がるのか、わかりません。
どの市場あるいは市場の一部がいちばん成績をあげるのか、わかりません。
市場でどの証券が成績上位になるのか、わかりません。

we can't know what the economics of the world will do,
we can't know whether markets will go up or down, and by how much and when,
we can't know which market or sub-market will do best, and
we can't know which securities in a given market will be the top performers.


はっきりとものが言える、気持ちのいい5兆円のボスですね。