学術界には価値あるすばらしいものがたくさんあります。それほど昔ではないのですが、その一例に出くわしました。病院理事会の理事長を務めていたときのことです。協議をしていた人物に、メディカル・スクールで学んだM.D.のジョセフ・M・ミラ氏がいました。規律にしたがう職務を何年も経験したことで、この男性は骨腫瘍の病理診断における第一人者となりました。そこで彼は「悪性骨腫瘍の処置に役立てるために、自分が身につけた知識を伝えたい」と考えました。さて、彼はどのように取り組んだでしょうか。そうです、教科書を書くことにしたのですね。その手の教科書が数千冊以上売れることはないと私は思いましたが、結局は世界中のがん医療センターに行き渡ることとなります。彼は1年間のサバティカル休暇をとりました。そして、慎重に保管し体系化しておいたあらゆる撮影スライドを保存したコンピューターに向かって作業しました。彼は1年間を通じて毎週7日間、毎日17時間取り組み続けました。ときに休息をはさみながら、1年経ったところで書き上げました。骨腫瘍の病理診断に関する教科書のなかで、世界で最重要とみなされた双璧を成す片方の本です。「ミラ氏と同じような価値が自分の周囲にあるならば、できるだけたくさん身に付けたい」、みなさんもそう考えると思いますよ。
Academia has many wonderful values in it. I came across an example not too long ago. In my capacity as a hospital board chairman, I was dealing with a medical school academic named Joseph M. Mirra, M.D. This man, over years of disciplined work, made himself know more about bone tumor pathology than almost anybody else in the world. He wanted to pass this knowledge on to help treat bone cancer. How was he going to do it? Well, he decided to write a textbook, and even though I don't think a textbook like this sells more than a few thousand copies, they do end up in cancer treatment centers all over the world. He took a sabbatical year and sat down in his computer with all his slides, carefully saved and organized. He worked seventeen hours a day, seven days a week, for a year. Some sabbatical. At the end of the year he had created one of the two great bone tumor pathology textbooks in the world. When you're around values like Mirra's, you want to pick up as much as you can.
2015年9月26日土曜日
学術界が持つ、価値あるものの例(チャーリー・マンガー)
チャーリー・マンガーが2007年に南カリフォルニア大学グールド・ロースクールの卒業式で述べた祝辞の5回目です。珍しくチャーリーが誉めているだけあって、堅実で実直な話です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿