買収に関するちょっとした論考をしめくくるにあたり、ある企業の重役が昨年わたしにうちあけてくれた小話をご紹介せずにはいられません。彼が歩んできたビジネスは優れており、業界において長らく主導的な地位を占めていました。しかし主力製品は悲惨なまでに魅力を失うようになり、数十年前のことですが、経営コンサルタントにみてもらうことにしました。当然ながら、多角化するように助言をうけました。それが当時の流行だったからです。(「集中」はまだ流行っていませんでした)。ほどなく同社は、コンサルティング会社の取りまとめた長大で費用のかかった分析結果をうけて、いくつかのビジネスを買収しました。さて、その結果どうなったかですが、その重役氏は力なく語ってくれました。「最初のころは、もとからのビジネスが儲けの100%をあげていました。それが10年後には、150%分になりました」。
Concluding this little dissertation on acquisitions, I can't resist repeating a tale told me last year by a corporate executive. The business he grew up in was a fine one, with a long-time record of leadership in its industry. Its main product, however, was distressingly glamourless. So several decades ago, the company hired a management consultant who - naturally - advised diversification, the then-current fad. ("Focus" was not yet in style.) Before long, the company acquired a number of businesses, each after the consulting firm had gone through a long - and expensive - acquisition study. And the outcome? Said the executive sadly, "When we started, we were getting 100% of our earnings from the original business. After ten years, we were getting 150%."
さて、予定どおりにいけば今週末にはウォーレンの新しいレターが公開されるはずです。ご参考までに、去年の分を過去記事でご紹介しています。
2 件のコメント:
== No title ==
このお話は、バフェットからの手紙(パンローリング)に書いてましたね!!
私にはどういう意味なのか、未だによくわかっていません。。。
今回の手紙にはハインツのお話があるのでしょうか?楽しみです。
betseldomさんのブログも興味深い話題ばかりで、いつも楽しみに見ております。
それでは、失礼いたしました。
== 投資男さん、こんにちは ==
投資男さん、おひさしぶりです。
パンローリングの翻訳のご指摘をありがとうございました。
きちんと目を通していただきまして、毎度のことですが恐縮です。
ところで引用文の言わんとするところですが、わたしはたとえば次のように解釈しました。
「もとからの事業が150億円稼いでいるのに、買収した事業のほうは50億円の赤字を出している」
10年たっても儲けが増えなくて重役さんがしょんぼり、といったところでしょうか。
またよろしくお願いします。それでは失礼します。
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