<質問> インフレ環境下で保有するのは何が一番よいですか。
<バフェット> いちばんなのは、一度買ったらそれっきり追加の資本投資がいらないビジネスです。不動産一般がその好例です。55年前に家を自分で建てたり買ったりした出費は一度きりで、それからはインフレーションによって価値が増大したのです。公益関連や鉄道といった事業では、インフレの間は減価償却額に釣り合わないほど資金を食いつづけます。概して言えば、大量の資本投資が必要などんな事業も、得てして儲からないものです。一方、インフレの間に保有するものとしてブランドはすばらしいです。シーズ・キャンディー社はずっと昔にブランドを築きました。インフレ期間中にブランドの価値は増加します。強いブランド力のある製品がことごとくそうなるのと同じです。ジレット社は1939年に全ワールド・シリーズのラジオ放送権を10万ドルで買いました。ヤンキース対レッズを放送した年です。その後何十年もつづいたシリーズによって、ジレット製品に対する印象が形作られました。1939年当時のドルで投資したものが、1960年代から80年代のドルで利益をあげてくれたのです。しかし、何百万という人たちに同じような印象を持ってもらうには、今となってはとても高くつきます。
<マンガー> たしかにそうですけれど、インフレーションが完全に制御不能になってしまうと、最後にどうなるかは誰にもわからないですよ。大恐慌の前にあった2回の大インフレがヒトラーを生みだしたのです。シーズ・キャンディーに望ましいからといって、インフレは望みませんね。
A related question asked which businesses are the best to own in an inflationary environment. Buffett responded the best business is one that you buy once and subsequently do not have to keep making capital investments. Real estate in general is a good example. If you built your own house or bought one 55 years ago, it was a one-time outlay. You then get an inflationary expansion in value. At businesses such as utilities or railroads, they keep eating up more money with depreciation charges inadequate during inflationary times. Any business with a heavy capital investment tends to be a poor business generally. A brand is a wonderful thing to own during inflation. See's Candies built their brand years ago. The value of a brand increases during inflation, as do any strongly branded goods. Gillette bought the entire radio rights to the World Series in 1939 for $100,000 when they broadcast the Yankees vs. Reds. Impressions of Gillette products were made during the Series that lasted for decades. A great investment that was made in 1939 dollars paid off in 1960-1980 dollars. Similar impressions on millions of minds now would cost a fortune.
Charlie agreed but said if inflation ever gets completely out of control, we have no idea how it would end up. The twosome of great inflation followed by the Depression brought us Hitler. He stated, "We don't want inflation because it's good for See's Candies."
2015年6月10日水曜日
2015年バークシャー株主総会;インフレにまつわるジレットの話
5月2日に開催されたバークシャー・ハサウェイの年次株主総会から、インフレについてです。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)
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3 件のコメント:
永遠の旅行者master より:
管理人様、ブログをお読みの皆様、こんばんは。
唐突ですが、お知恵を拝借させてくださいませんか?
今、ギリシャのデフォルトが問題になってますが、
日本でも福祉の肥大化を止められず、政府が債務不履行(デフォルト)を起こしたとします。
この時、日本国内に賃貸用不動産をローン(円建)で購入し賃貸している大家さんがいるとして、
この大家さんが政府のデフォルトから受ける影響をイメージして、
その後のシナリオで大家さんの身に何が起こるかを想像して、
その後のストーリーを考えて欲しいのです。
辛辣なストーリー、悲観的なストーリーも大歓迎です、リスクヘッジの参考にしたいので。
因みに、大家さんの財務諸表は、以下の通りとします。
資産:アパート(地方都市、駅から徒歩5分以内、2DK6部屋、オシャレにリノベ済み、築30年):3000万円
現金:1000万円(銀行口座の中)
負債:2000万円の銀行ローン、上記アパートに抵当権設定あり
収入:36万円/月(現在満室経営)
支出:20万円/月(ローン残り10年、年利2%)
大家さんは独身で40歳、収支16万円で、月3万円の部屋を借り、別途月7万円の生活費で
生活しているとします。
皆様の忙しいお時間いただきますが、何卒シュミレーションへのご協力を
お願い申し上げます。
永遠の旅行者masterさん、こんにちは。
お問い合わせの件ですが、不動産は専門外なので、すみませんが具体的なことは特に申し上げられません。
それとは別に個人的な見解にすぎませんが、仮定されていた日本国債のデフォルトによるリスク・エクスポージャーが大きいとは考えていません。今回の例題の状況で生き残るという意味では、優先してとりあげるリスク要因が他にあるように思います。たとえばマクロ経済学的な視点では、租税負担の増加や社会福祉向け支出の削減といった財政政策の変更による影響度のほうが大きいと想像します。また個別のミクロ的要因にも大物があり(たとえば天災リスク)、個人的にはそちらが気になります。
以上になります。
永遠の旅行者masterより
管理人さま、
誠実にお答えいただき、有難うございました。
デフォルト以前の影響の方から、リスクを洗い直してみますね。
今後とも、宜しくお願い致します。
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