ひとつめは最先端テクノロジーについてです。SF小説『ニューロマンサー』や映画『マトリックス』の世界に近づいた未来像です。
国防総省高等研究事業局(DARPA)は、人間改造の研究に多額の資金を提供している機関の一つだ。1970年代にはインターネット(当時はアーパネットと呼ばれていた)を開発した。同局のブレイン・インターフェース・プロジェクトは現在、シリコンではなく酵素とDNA分子で作られた超小型コンピューターに注目している。兵士の脳に埋め込めるものだ。最初の分子コンピューターは2002年に発表され、2004年には改良版ががん治療に使われるようになった。しかしDAPRAは、もっと高度なモデルによってシナプスの結びつきが加速され、記憶容量が増え、ワイヤレスのインターネット・アクセスが可能になると考えている。同じようにDAPRAのサイレント・トーク・プロジェクトは、脳内の言語化前の電子信号を解読してインターネット経由で送ることで、兵士が無線機やEメールなしで通信できる装置の開発に取り組んでいる。全米科学財団のレポートによれば、このような「ネットワーク化が可能なテレパシー」は、2020年代には実現するという。(下巻 p.325)
インターネット技術が民生に転用されて発展するまでのタイムラグは、たとえば30年間ほどと言えそうです(1970年 -> 2000年)。その数字をそのまま敷衍すると、一般市民の脳がインターネットに直結する時代がやってくるのは、2050年か60年ぐらいになりそうですね。
もうひとつは、原爆開発に関わったアインシュタインの残した警鐘で、非常に暗い未来の可能性を示しています。
1949年、アインシュタインはジャーナリストに言った。「第3次世界大戦がどのように戦われるのかはわからない。しかし、第4次世界大戦で人々が何を使うかはわかるよ……石、だ」。(下巻 p.340)
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