久しぶりにGDPの話題です。ウォーレン・バフェットが株式市場全体の値ごろ感をみるときに、株式時価総額がGNP(≒GDP)の何%に相当するか比較する話はよく知られています。個人的にもそのやりかたをまねして、ときおり日本にも当てはめています。以下の2か所のデータを使って算出しています。
・国民経済計算(GDP統計) (内閣府)
・東証株式時価総額 (東京証券取引所)
なお他取引所については、小規模だったり東証との重複上場があるため、個人的には考慮に入れていません。
さて、今回ご紹介する以下のWebサイトですが、自分が望んでいたそのものが掲載されており、とてもありがたいものでした。上述の計算結果が昔からのデータを使ってグラフ化されています。
Japan Market Capitalization to GDP (VectorGrader)
同サイトからグラフを2つほどお借りします。まず日本市場における株式時価総額対GDP(1970年以降)のグラフです(上部が時価総額対GDP、下部がおそらく日経平均)。
これをみて意外だったのは、日本市場では株価の高かった2000年当時よりも、直近のピークである2007年のほうが時価総額が大きかったことです。経済の裾野が広がったということでしょうか。
一方、アメリカ株式市場の状況(1950年以降)は次のグラフです(下部はおそらくS&P500)。
個人的な見解になりますが、この指標は厳密な指針を与えてくれるものとはとらえていません。「方向性がだいたい当たっている」程度のものと受けとめています。ちなみに2001年当時のウォーレンの発言では、GNP比で70-80%あたりを下回った時に買えばうまくいくとしています。
ご参考までに、以下の過去記事でもGDPについてふれています。コメント欄では、独自の分析結果をご紹介して頂いています。
GDP成長率と株式リターン率の関係(GMO)
(追記)コメント欄でご指摘を頂いています(NIGHT0878さんより)。2000年当時の日経平均は、銘柄入替え時に不連続性が生じているとのことです。
2 件のコメント:
== No title ==
こんにちは。
経済の裾野が広がったのもあるでしょうし、
日経平均のいびつさも多少関係しているのかなあと思いました。
TOPIXで見ると、
00年1754→07年1816となってまして、07年は一応高値更新してまして、一方で、日経平均は00年に
2000年4月24日に、構成銘柄を30銘柄入れ替えた際には、発表から実施までタイムラグが1週間あって除外30銘柄が売り浴びせられる一方、採用30銘柄が買い込まれて高騰した後に指数採用となったため大きな不連続性が発生し、実質的に入れ換えのみによってそれまでに比して日経平均が15%ほど低い水準になってしまった
と、ウィキを引用しましたが、そういう事情もあるのかなあと。
== NIGHT0878さん、ありがとうございます ==
NIGHT0878さん、お久しぶりです。コメントを頂き、どうもありがとうございます。
お読みくださったみなさんから適切な考察を頂けるのは、とてもありがたいことです。文章を書いていると独りよがりになりがちなので、毎度ながら自分の考え方を見直すきっかけになりました。ありがとうございます。
みなさんもそうですが、NIGHT0878さんのブログを拝見すると、その勉強熱心なご様子から刺激を受けます。これからもご指摘・ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
それでは失礼致します。
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