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2012年10月10日水曜日

(問題)ビジネス・スクールの学生への質問(チャーリー・マンガー)

コモディティー事業の話題を何度か取り上げましたが(前回記事)、今回は「価格」の話題で、チャーリー・マンガーによる問いかけをご紹介します。回答は次回にご紹介しますので、ご興味をもたれた方はどうぞお考えになってみてください。なおチャーリーは4つの回答を要求していますが、これは便宜的なものと捉えています。商売の話ですから、より幅広く考えることができるほど望ましいはずです。引用元はおなじみの『Poor Charlie's Almanack』です。(日本語は拙訳)

2つのビジネス・スクールで次のような質問を投げかけたことがあります。「みなさんは供給曲線と需要曲線のことを学習されたと思います。価格を値上げするにつれて売れる量が減少し、反対に価格を下げると売れる量が増加する。これはみなさんが習ったとおりですよね」。学生はそろってうなずきました。「それではお聞きしますが、たくさんの量を売りたい場合に値上げするのが正解なものとしては、どんな例が挙げられますか。いくつかの例を教えてください」。そう質問すると、なんとも不気味な静寂がしばらく続きました。しかし最後には2校のどちらでも、50人に1人ぐらいの割合で例を1つ挙げることができました。ただし近年になってからは、それができるのはスタンフォードのビジネス・スクールだけです。入るのが難しい学校ですね。しかも私が聞きたかったほうの答えを挙げられた人はいまだ皆無です。

この問題に対する回答は4種類のものがあります。第一の種類を答える人はいましたが、他のものを挙げる人はほとんどいませんでした。

Question: “I have posed at two different business schools the following problem. I say, “You have studied supply and demand curves. You have learned that when you raise the price, ordinarily the volume you can sell goes down, and when you reduce the price, the volume you can sell goes up. Is that right? That's what you've learned?” They all nod yes. And I say, “Now tell me several instances when, if you want the physical volume to go up, the correct answer is to increase the price?” And there's this long and ghastly pause. And finally, in each of the two business schools in which I've tried this, maybe one person in fifty could name one instance. But only one in fifty can come up with this sole instance in a modern business school ? one of the business schools being Stanford, which is hard to get into. And nobody has yet come up with the main answer that I like.”

Answer: “There are four categories of answers to this problem. A few people get the first category but rarely any of the others.


チャーリー・マンガーはさまざまな講演で歯ごたえのある問いかけをしていますが、個人的には今回のものも難しかったです。4問正解で100点満点とすると、自己採点で30点ぐらいでした。

4 件のコメント:

NIGHT さんのコメント...

== No title ==
こんにちは。
すぐに思いつくのが、株式などの有価証券ですかねえ、価格が上がれば上がるほど、出来高ができるので、買う人が増えるとも言えるような。。。
買って売ることを目的にした投機的なものというのが答えのひとつのような。いや、違うかな。。。
引用元で紹介していただいている書籍を買おうかとも思うのですが、英語の壁が。。。
いいところをうまく訳していただいていて、非常に参考になります。

betseldom さんのコメント...

== NIGHTさん、こんにちは ==
NIGHTさん、お久しぶりです。コメント頂き、どうもありがとうございました。
「株式などの有価証券」とされていましたが、実はわたしも同じことを考えていました。チャーリーが取り上げる話題としてもふさわしいですしね。4つの回答は明日10/12(金)の夜に投稿する予定です。今しばらくお待ちください。
『Poor Charlie's』は豪華装丁なので、家の外に持ち歩いて読もうという気にはなれません。あたかも辞書を開くかのように、在宅で読書するためのものに仕上がっています。個人的にはこれがある種の「物理的な壁」となっており、手軽には読みにくい雰囲気がただよっています。なんとも複雑な本です。
なんちゃって翻訳ばかりでお恥ずかしいのですが、それでも読んで頂けるのはうれしいことです。これからも少しずつ訳していくつもりです。またよろしくお願いします。
それでは失礼致します。

is さんのコメント...

== No title ==
こんにちは。とても面白い題材ですね!
少し被るかもしれませんが、消耗品、生活必需品、人気商品などで、時間とともに値段が上がって行くものだと人々が認識した物でしょうか。
例えば、石油を独占販売できる立場だとしたら、石油価格が上昇して下がらないという認識を人々に抱かせ、石油の価格を実際に上げていけば在庫の石油を大量に売ることができるかと思います。(日常的に消費するものなので人々は無理をしてもストックに走る)
これらで例が沢山ありそうな気がしました。今人気のiPhoneとか、TOEICのテスト代とか、
あとは、んー思いつきませんでした。
消費者は合理的行動をとるのでやはりこのシチュエーションに当てはまるのはかなり売り手がかなり優位なポジションにいる場合が多いのではないでしょうかね。
答え楽しみにしています!

betseldom さんのコメント...

== isさん、こんにちは ==
isさん、いつもながらコメントを頂き、ありがとうございます。
石油のくだりはわたしも漠然と「オイルショックのときにトイレット・ペーパーを少しずつ値上げしたらどうなるかなあ」と考えていましたが、isさんのようにきちんと、そして他に展開して説明できるまでには至りませんでした。
売り手のポジションのご指摘は、とても重要な観点だと感じました。参考にさせて頂きます。ありがとうございました。
またのコメントをお待ちしております。
それでは失礼致します。