2012年1月17日火曜日
TOPIX Core30ひとかじり(3)信越化学工業
さて、当社の有価証券報告書や事業報告書を一読して印象に残った点を挙げます。
1. 各事業部門がおしなべて高収益体質
当社の中核事業は5つで、塩化ビニル樹脂・化成品、半導体シリコン、シリコーン、機能性化学品(セルロースなど)、電子・機能材料ですが、おしなべて営業利益率が10%を超えています。2011年度の上半期では、鹿島工場が被災した塩ビ事業は8.3%と低調ですが、そのほかは順に17.0%, 24.7%, 16.6%, 24.5%となっています。各事業の年間売上規模は1,000-3,000億円であり、成長余地が残されています。
2. 赤字を出さない
下の図は1997年度からの一株当たり純利益と配当の推移を示したものです。それ以前の年度は、当社のWebサイトには掲載されていませんでした。一目瞭然ですが、景気後退の時期でも黒字を継続しています。しかもそれなりの水準を保っています。配当も増配基調です。ここ10年間では減配していません。
3. 10年以上前から事業が継続している
原材料に近い川上の産業では製品ライフサイクルが長いものですが、当社の中核事業も10年以上前からのもので、高収益を維持し続けています。1997年度の決算短信をみても、塩ビ、シリコーン、セルロース誘導体、半導体シリコン、合成石英製品、希土類磁石等のように、現在も主力の製品がならんでいます。それらの既存事業は、生産規模の拡大、企業買収、不採算事業からの撤退等によって収益を拡大してきました。なかでも塩ビ及びシリコン関連製品では原料部門を強化しており、垂直統合によって規模拡大と利益率維持をめざしているように見受けられます。
財務や事業内容を簡単にみた上で現時点の株価3,700円を判断すると、半額まではいかないにしても割安な水準だと感じます。10年チャートをみると昔の株価に戻っていますが、純資産はこの10年強で倍増しています。生産能力も増強されており、次の好況期に備えています。前回のテンプルトン卿の教え「優良企業の中から割安なものを選びなさい」がよくあてはまる企業の一つではないでしょうか。
2012年1月16日月曜日
投資で成功するための16のルール(ジョン・テンプルトン)
1. 総実質リターンを最大化することを投資の目標とせよ。
2. トレードや投機をするのではなく、投資をせよ。
3. 投資する対象については、柔軟かつ広く受け入れるよう心がけよ。
4. 安く買うこと。
5. 株式を買う際には、優良企業の中から割安なものを選びなさい。
6. 着目するのは[投資対象の]価値であって、市場動向や景気の見通しにふり回されないこと。
7. 分散せよ。株式や債券に投資する場合でも他の例と同じで、数があれば安全になる。
8. 自分で調べよ。そうでなければ賢明なる専門家の手助けを得よ。
9. 投資対象を注視せよ。[ほうっておかないこと]
10. 狼狽するな。
11. 自分の過ちから学びなさい。
12. 祈りと共に始めよ。
13. 市場[の成績]をしのぐのは困難だ。
14. なんでも答えられる投資家ほど、そもそもの問いかけをわかっていない。
15. ただで儲かると思うな。
16. あんまりびくびくしたり、弱気になるな。
1. Invest for maximum total real return
2. Invest - Don't trade or speculate
3. Remain flexible and open-minded about types of investment
4. Buy low
5. When buying stocks, search for bargains among quality stocks
6. Buy value, not market trends or the economic outlook
7. Diversify. In stocks and bonds, as in much else, there is safety in numbers
8. Do your homework or hire wise experts to help you
9. Aggressively monitor your investments
10. Don't panic
11. Learn from your mistakes
12. Begin with a prayer
13. Outperforming the market is a difficult task
14. An investor who has all the answers doesn't even understand all the questions
15. There’s no free lunch
16. Do not be fearful or negative too often
なんといっても、ルール16の説明文には励まされます。株価が低迷しているのをみて落ち込んだときには、ぜひ読んでみてください。
なお、今回の話題を取り上げたきっかけはGuru Focusの寄稿です。ご興味のある方はこちらのリンクをご参照ください。
2012年1月15日日曜日
誤判断の心理学(3)嫌悪・憎悪がもたらすもの(チャーリー・マンガー)
人間の心理学的傾向その3
嫌悪/憎悪の傾向
Disliking/Hating Tendency
愛好/愛情傾向にみられるように、生物として登場してまもない人類は、嫌悪したり憎む性質を持ってうまれついており、それは日常・非日常を問わず、ふとしたきっかけでひき起こされます。これは類人猿やサルと同じものです。
In a pattern observe to Liking/Loving Tendency, the newly arrived human is also "born to dislike and hate" as triggered by normal and abnormal triggering forces in its life. It is the same with apes and monkeys.
嫌悪/憎悪の傾向も[愛好/愛情傾向と同様に]、自身の行動を調節してしまうものです。
第一に、嫌悪する対象が持つ美点には目をくれません。第二に、嫌悪する対象と単に関係があるだけの人・モノ・行動に対しても、嫌悪感情を持つようになります。第三に、他の事実を曲げてでも、憎しみ続けようとします。
よくあるのですが、この手の曲解が極端になりすぎると、あきれるほどの見当違いをするものです。ワールド・トレード・センターが破壊されたときには、パキスタン人の多くは即座にインド人の仕業だと決めつけましたし、イスラム教徒はユダヤ人のせいにしました。そのような事実の曲解をやっているから、憎しみに凝り固まった敵同士が和解するのはきわめて難しいのです。イスラエル人とパレスチナ人がなかなか和解できないのは、双方が捉えている史実が相手側のものと全然合致していないからです。
Disliking/Hating Tendency also acts as a conditioning device that makes the disliker/hater tend to (1) ignore virtues in the object of dislike, (2) dislike people, products, and actions merely associated with the object of his dislike, and (3) distort other facts to facilitate hatred.
Distortion of that kind is often so extreme that miscognition is shockingly large. When the World Trade Center was destroyed, many Pakistanis immediately concluded that the Hindus did it, while many Muslims concluded that the Jews did it. Such factual distortions often make mediation between opponents locked in hatred either difficult or impossible. Mediations between Israelis and Palestinians are difficult because facts in one side's history overlap very little with facts from the other side's.
2012年1月14日土曜日
もはやサル社長ではない
今回は同誌の記事から、マイクロソフトとバルマーの業績概要を引用します。(日本語は拙訳)
過去十数年にわたって、マイクロソフトの売上は3兆円から5.5兆円へと増加し[USドルベースでは2.8倍]、純利益は215%増の1兆8,000億円となった。その大半は、バルマー以前から続いているWindowsとOffice資産のおかげだ。彼自身の業績といえば、データセンタービジネスにおいて無名に等しかった同社を主要業者にまで押し上げたこと、またXboxもバルマーによるもので、エンターテインメント事業で7,000億円の売上をあげている。年次ベースの利益成長でいえば、バルマーの成績(16.4%)は、伝説的なCEOとされるGEのジャック・ウェルチ(11.2%)やIBMのルイス・ガースナー(2%)を超えている。
Over the past 10 years, Microsoft’s annual revenue has surged from $25 billion to $70 billion, while its net income has increased 215 percent to $23 billion. Much of these gains have come from the Windows and Office franchises Ballmer inherited. That said, he’s moved Microsoft from a virtual nonentity in data centers to a dominant player, building a business that brought in $6.6 billion in profit last year. The Xbox also came to life under Ballmer and anchors the company’s $8.9 billion entertainment and devices division. Measured by total annual profit growth, Ballmer’s performance (16.4 percent) surpasses those of such legendary CEOs as GE’s Jack Welch (11.2 percent) and IBM’s (IBM) Louis V. Gerstner Jr. (2 percent).
もしバルマーが会社の利益に大きく貢献しているのであれば、素晴らしい経営者に恵まれたマイクロソフトは買いでしょうし、そうでなければマイクロソフトは比類なきビジネス特性を持っているので、これまた買いだと思います。冗談ぽくみえるかもしれませんが、いちおうまじめです。同社は、私が投資するアメリカ企業3社のうちの1つなのです。
2012年1月13日金曜日
我が家の家計簿(2011年の支出合計)
科目 | 小計 | 1ヶ月平均 |
食費 | ¥491,805 | ¥40,984 |
日用品 | ¥44,671 | ¥3,723 |
住居 | ¥1,229,508 | ¥102,459 |
光熱水道 | ¥90,865 | ¥7,572 |
被服 | ¥70,874 | ¥5,906 |
保健衛生 | ¥42,056 | ¥3,505 |
教育 | ¥460,688 | ¥38,391 |
教養娯楽 | ¥45,007 | ¥3,751 |
交際 | ¥68,285 | ¥5,690 |
交通、通信 | ¥98,772 | ¥8,231 |
その他 | ¥120,133 | ¥10,011 |
合計 | ¥2,762,664 | ¥230,222 |
12で割って月次平均にしてみると、おおよそ想定内の金額です。「その他」の12万円ですが、共済代7万円が含まれています。残り5万円は何に使ったのか振り返りたくなりますが、気がひけるのでそのままに。また交通通信費が高くなったのは、11月の引越し代45,000円が加わっているためです。今年はおさえられる見込みです。
今年2012年の予算は特に決めていませんが、260万円以内に収まるかどうかといったところです。また引越しをしなければ、のことですが。