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2011年10月15日土曜日

投資先企業を見極める基準「競争優位性」とは

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前回取り上げたバフェットの評価基準「長期的に見た場合に、ビジネスの特性がどうなっていくのか」とは、一面では「競争優位性がいつまで続くのか」と捉えることもできます。バフェットは競争優位性のことをMoat(経済的な堀)とも呼んでいますが、彼とマンガーは、企業へ投資する際にMoatを最重要視しているようにみえます。

このあいまいな言葉Moatとは具体的に何を指すのか、を記した本があります。『千年投資の公理』です。わざと売れないようにしたのかと思える日本語の題名ですが、原題は簡明で「The Little Book That Builds Wealth」です。米モーニングスターのリサーチ部門責任者だった著者パット・ドーシーは、Moatの例として次の4つを挙げています。

1.無形資産
例えば、ブランド、特許、行政の認可など。

2.顧客の乗り換えコスト
顧客にとって手放しがたいこと。

3.ネットワーク効果
利用する人の数が増えることで物やサービスの価値が上がること。

4.コストの優位性
生産過程や場所、規模、独自のアクセスなどによって製品やサービスをライバルよりも安い価格で提供できること。

一方、以下は「誤解されている堀」として、要注意としています。

1.すばらしい製品
他社によって容易にコピーされないか。

2.大きなマーケットシェア
容易にマーケットシェアを奪われないか。

3.ムダのない業務執行
簡単にまねのできない独自の過程に基づくものでなければ、継続的な優位性にはならない。

4.優れた経営陣
天まで昇る人気を誇ったあと、地に落ちた経営者がどれほどいたか。

余談ですが、本書の裏表紙の推薦文にGEICOのルー・シンプソンが含まれています。これだけでも、本書の価値を裏付けてくれます。GEICOはバークシャー・ハサウェイの中核的な保険会社です。最近になって引退しましたが、ルーは長い間GEICOの株式運用に携わり、見事な成績を挙げてきました。ウォーレンも株主への手紙(2006年度PDFファイル16ページ目)で激賞しています。

2011年10月14日金曜日

洗濯物ハンガーの洗濯ばさみが割れたら(節約度★)

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樹脂製の洗濯物ハンガーを使い続けていると、洗濯ばさみが劣化して割れてきます。
タオル等は2つの洗濯ばさみに吊るすので、片方が割れていると不便なものです。









余った洗濯ばさみを見つけてきて、割れたものと交換すれば元通りになります。吊り棒の穴に鉄製の輪を通しなおすのが一苦労なので、我が家では紐を結んで済ませています。









上の写真の白い洗濯ばさみは、先代の洗濯物ハンガーを処分する際に捨てずに取っておいたものです。もちろん、知らぬ間に妻がやっておいたものですが。

2011年10月13日木曜日

投資家が見極めるべき5項目(ウォーレン・バフェット1993年)

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ウォーレン・バフェットの1993年度「株主の皆様へ」からの引用です。(日本語は拙訳です)
5項目ありますが、おそらく重要な順に並んでいるものと思われます。

私たちが考えるに、投資家が本当にやるべきこととは、投資から得られる税引後の全収入(売却損益を含む)が、投資期間後には当初元本分の購買力に加え、妥当な利回りをもたらしてくれるのかを見極めることです。工学的な精度とはいきませんが、ほどほど正しく判断できることもあります。評価する際の主な観点としては、以下のものが挙げられます。

1) 長期的に見た場合に、ビジネスの特性がどうなっていくのか。

2) 経営者が、ビジネスの潜在力を最大限に生かし、キャッシュをうまく活用できるか
どうか。

3) 経営者が、ビジネスで得た利益を株主へ還元することを一義とし、
無駄づかいしていないかどうか。

4) 株価

5) 税率や想定されるインフレは、投資からのリターンをどの程度減じるのか。

In our opinion, the real risk that an investor must assess is
whether his aggregate after-tax receipts from an investment
(including those he receives on sale) will, over his prospective
holding period, give him at least as much purchasing power as he
had to begin with, plus a modest rate of interest on that initial
stake. Though this risk cannot be calculated with engineering
precision, it can in some cases be judged with a degree of accuracy
that is useful. The primary factors bearing upon this evaluation
are:

1) The certainty with which the long-term economic
characteristics of the business can be evaluated;

2) The certainty with which management can be evaluated,
both as to its ability to realize the full potential of
the business and to wisely employ its cash flows;

3) The certainty with which management can be counted on
to channel the rewards from the business to the
shareholders rather than to itself;

4) The purchase price of the business;

5) The levels of taxation and inflation that will be
experienced and that will determine the degree by which
an investor's purchasing-power return is reduced from his
gross return.

2011年10月12日水曜日

持ち家より賃貸(節約度?)

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我が家では住居費を節約できていないので、ほとんどご参考にはならないかと思いますが、心掛けている点を挙げると「持ち家ではなく、ほどほど郊外の賃貸団地に住む」になります。金銭面で満足しているのは、礼金・更新料が不要、火災保険が強制でない、それから借金を負っていない点も挙げられます。

今回は「継続的な蓄財」という観点で持ち家と賃貸を比較試算してみます。
諸経費・税金を考慮していない等、粗い精度ですので、概要を把握する程度のものです。

■持ち家
モデルケースとして「頭金なしで、3500万円のマンションを購入」する例を挙げます。
住宅ローンの条件は次の通りです。
・(返済期間)30年
・(返済方法)元利均等返済
・(ボーナス返済)なし
・(金利)2.4%固定(フラット35)

この条件だと、毎月のローン返済額は13.5万円になります。修繕費積立を含めて15万円(a)ぐらいの支出でしょうか。ローン返済額は分解すると、(利息分)+(資産増加分)になります。自分の純資産に追加されるのは、あくまでも13.5万円の一部です。

では、10年後には不動産としての純資産はいくらになっているのか。ローンシミュレーションによれば、10年後のローン残高は2,500万円となります。不動産の買値からローン残高を引くと、1,000万円(=3,500-2,500)となります。
ただし、劣化等で価値が10%下がっているとし、その分を差し引きます。
3,500*0.1 = 350万円が価値低下分となり、純資産は650万円(1,000-350)程度となります。

10年間で650万円ということは、単純計算で1年間で65万円です。月あたり5.5万円(=65 / 12)(b)ずつ資産形成されていくことになります。

持ち家の最大の利点は、低金利で借金ができることです。米国債30年物でも3%強の利率です。低利の固定金利で借りた後に金利が上昇してくれれば、最高のシナリオです。

■賃貸
(a)15万円-(b)5.5万円=9.5万円の家賃で暮らせば、持ち家並みの資産形成ができます。
しかし、持ち家と同等の居住環境を望むのであれば、もっと家賃が高くなり、資産に回せる現金は小さくなると思われます。

賃貸生活の最大の利点は、資産が流動的な点です。機会を捉えて株式等に投資できれば、リターンを大きくできます。つまり、毎月の資産形成の速度が遅いかわりに、機会を待つ権利を持ち続けられることになります。

■おわりに
現在の金利状況では持ち家に歩があるように見えます。が、個人的には、当面は賃貸団地生活を続けていくつもりです。

なお、上記の比較では当初10年間をとりあげました。金利動向や世の中が将来どうなるのか、予測できる自信がありません。この程度でご了承ください。

持ち家と賃貸のコスト比較を初めて意識させてくれた本は『ゴミ投資家のための人生設計入門』でした。これも10年ぐらい前に出会った本です。誰にでもお勧めできるわけではありませんが、個人的には目を開かせてくれた一冊です。

(2012/2/26追記)コメント欄にis様より追記情報を頂いております。そちらもご参照ください。

2011年10月9日日曜日

チャーリー・マンガーとは何者か(2)略歴(Wikipedia私家版)

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Wikipedia日本語版の記述は現在の英語版とは異なるところもあるので、一部ですが英語版を訳し直してみました。
若干ですが、情報を補っています。なお、現行の訳も参考にさせて頂きました。
どうぞ、彼の投資スタイルと成績にご注目ください。

人物

バフェットと同様、マンガーもネブラスカ州オマハの生まれである。ミシガン大学で数学を専攻中に陸軍航空隊に徴兵された。カリフォルニア工科大学で気象学の訓練を受けた後、アラスカの基地に配属された。除隊後には、学士号を取得していなかったもののハーバード・ロースクールに入学を許可された。

1948年にJ.D.を取得して優等で卒業し、法律事務所Wright & Garrettへ勤めた。1962年に独立して4名の同僚と共にMunger, Tolles & Olson(通称:MTO)を設立。1965年には法曹界の実務から身を引き、投資ビジネスに注力するようになった。不動産開発ではオーティス・ブーチとパートナーを組み、ジャック・ウィラーとは投資会社ウィーラー・マンガー・カンパニーを設立した。同社は、パシフィック・コースト証券取引所の一会員だった。大きな下げ相場だった1973年と74年の2年間に、毎年31%ずつ損失を出した。1975年には73%のリターンを挙げたものの、1976年に同社は解散した。

マンガーはウォーレン・バフェットの関係者として世間では知られているが、彼自身も投資パートナーシップを運営していた。1962年から1975年のことである。バフェットの書いたエッセイ「グレアム・ドッド村の大投資家たち」によれば、同期間におけるマンガーのパートナーシップの挙げたリターンは、年率19.8%だった。対するダウ平均は年率5.0%だった。

マンガーはウェスコ・ファイナンシャルの会長を兼務している。現在はバークシャー・ハサウェイの完全子会社となった同社は、設立当初は貯蓄貸付組合だった。現在は持ち株会社となっており、Precision Steel、CORT Furniture Leasing、Kansas Bankers Surety等を傘下に入れている。また同社の株式ポートフォリオは時価総額で約1,200億円になるが、投資先は集中している。コカ・コーラ、ウェルズ・ファーゴ、P&G、クラフトフーズ、USバンコープ、ゴールドマン・サックスである。時には、一銘柄で株式ポートフォリオ全体の過半を占めることもあった。マンガーの信条は「徹底的に熟知した一握りの株式を保有すれば、長期的には際立ったリターンを挙げられる」。同社はカリフォルニア州のパサデナにあるが、マンガー自身が第二の故郷として選んだ地である。かの有名なバークシャー・ハサウェイの年次総会が開催された後の水曜日か木曜日に、同社の総会がパサデナで開かれる。マンガー率いる同社の総会は、バフェットと連座するバークシャーの総会と同様、投資業界では伝説的なものとみなされている。一般に総会は形式的に済まされがちだが、マンガーはたっぷりと時間をかけて一般株主と質疑を交わす。時には、マンガーの信奉するベンジャミン・フランクリンであればどうするかと想いをめぐらすこともある。参加者がメモした質疑の様子は、インターネット上に公開されている。

バフェットはマンガーのことを自分のパートナーだと公言している。確かにマンガーもバークシャー・ハサウェイの株式を保有し、正真正銘のビリオネアとなった。しかし、マンガーはバフェットのそっくりさんというわけではない。政治的には、マンガーは共和党員として知られているが、バフェットは民主党寄りである。またバフェットはビジネスに身を捧げているが、マンガーはバークシャーの日常業務には携わっていない。あくまでも投資は幅広い興味のひとつとみなしている。