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2012年1月12日木曜日

TOPIX Core30ひとかじり(2)任天堂(コミュニケーションについて)

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糸井さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」には任天堂の岩田社長との対談がいくつか載っています。今回は企画「社長に学べ!」からの引用です。本ブログのメインテーマのひとつは「自分の誤りに向き合うこと」ですが(例えばこの記事)、彼の姿勢も自我を超えていますね。

(岩田社長)
わたしは昔からここだけはわりと自信があるのですが 「コミュニケーションがうまくいかないときに、絶対に人のせいにしない」ということに決めたんですよ、あるところから。

「この人が自分のメッセージを理解したり共感したりしないのは、自分がベストな伝えかたをしていないからなんだ」と、いつからか思うようにしたんです。

うまくいかないのならば、自分が変わらないといけない。

この人に合ったやりかたを、こちらが探せば、理解や共感を得る方法はかならずあるはずだ。

ですから、いまでもうまくいかなかったら自分の側に原因を求めています。相手をわからずやというのは簡単ですし、相手をバカというのは簡単なんですけどね。

(糸井さん)
うん、岩田さんって、ほんとに相手を責める言葉をいわないもんね。

(岩田社長)
いわないということを、自分に課すことに決めたんです。

いつそうしたかは覚えてないのですが、きっと自分なりに決めた時期があったのでしょう。

似た話題をもう一つ。こちらは、任天堂のゲーム・クリエイターで専務でもある宮本氏の言動について、です。引用元はこちらです。

(岩田社長)
社内から、そのゲーム触ったことのない人をひとり、さらってくるんですよ。さらってきて、なにも説明せずに、いきなりポンとコントローラーを握らせて「さあ、やれ」って言うんですよ。

(中略)

なにも知らない人がそれを遊ぶのを見て、「あ、ここわからないのか」とか、「あそこに仕込んだ仕掛けはとうとう気づかずに先に行ってしまった」とか、「先に、これやってくれないと、あとで困るのに」というようなことが、後ろから見ていると、山ほどあることがわかるんです。お客さんが、前提知識がない状態で、どんな反応をするかがわかるんですね。だから、宮本さんは、自分がどんなに実績のあるゲームデザイナーであろうと、「お客さんがわからなかったものは自分が間違ってる」というところから入るんですよ。

2012年1月11日水曜日

TOPIX Core30ひとかじり(2)任天堂(価値のあるコンテンツについて)

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任天堂の岩田社長の発言を目にしたのは、昨年の春だったかと覚えています。震災騒ぎで仕事の進みに若干の余裕ができ、自分の時間が少しとれた頃です。当社のWebサイトで決算発表会か何かの文章を読んだり動画をみました。第一印象は「若いのに、たいした社長だ」。当意即妙でいて、丁重で腰が低い。さすがは任天堂、と感嘆しました。

その後は、任天堂を取り上げた本を一冊読み(『任天堂 “驚き”を生む方程式』)、四半期ごとの決算を追ってきました。年末商戦がおわり、以前の彼の発言が裏付けられてきた感があります。いい機会なので、集中して岩田社長の発言を読んでいます。糸井重里さんのサイト(この記事など)も含めて興味深く読めます。

さて、今回は2011年度第一四半期決算発表会での、アナリストに対する岩田社長の回答から引用です。引用元はこちらです。

<Q6>
ハードとコンテンツの関係が1対1だけではなくて、いろいろなプラットフォームでさまざまなコンテンツができるようになってきている。また、コンテンツは所有するだけでなく消費するものになっている。こういったトレンドを踏まえて、むしろこれを事業機会として捉えて、新しい成長軸として何か外部に当社のコンテンツを提供するであるとか、事業提携の可能性が将来的にあるのかどうか、というところを改めて教えてほしい。

<A6>岩田社長
「ハードとコンテンツの関係が変わってきている」とか、「コンテンツは所有するものから消費するものになっている」とかいうのは、今、一つの流れとして間違いなく世の中で言われていることだと思います。一方で、一つのコンテンツ、それも価値のあるコンテンツは、そんなに簡単に次々と生み出せるのかというと、決してそうではないと思っています。例えば、短期的な業績だけを考えて申し上げれば、当社の看板のソフト資産をいろいろな形でライセンスをすれば、短期的には収益が上がるのかもしれません。ですが、それでそのコンテンツが消費されて価値がなくなってしまった時に、未来の任天堂はどうなるのでしょうか。私が今期の収益だけに責任を持つのでしたら、そういう決断ができるかもしれませんが、任天堂の中長期の展望に責任を持たねばならない立場としては、逆に「いかに消費されない特別なコンテンツをつくり、その価値を維持するか」ということができないと、それこそ任天堂の優位性というのはなくなると思います。また、その時の任天堂の武器は、私たちがつくるコンテンツとハードが一体でご提案できることで、私たちのコンテンツに必要であればハードにそういう機能を仕組んでおくことで、そのコンテンツの価値をより高めることができると思っていますので、原則的に、(たとえ短期的な収益があるのだとしても)私たちが自分たちの持っている知的財産を外にライセンスして出して消費されるものにしていくという考えはありません。
(後略)

なお、後続の質問では次のような回答をされていました。今回の業績不振をどのようにとらえているのか、一端がうかがえます。

<A8>岩田社長
それから、会社、社員の仕事という意味では、やはり今回のことで、「(ゲームビジネスでは)たった一つ歯車が狂うだけで、会社のビジネスがこんなに変わるのだ」ということを、任天堂という組織全体が今思い知っているわけですから、そのことをむしろ今後に活かさないといけないと私は思っています。そういうことが教訓となり、任天堂が、タイミング、あえてこの言葉を使いますが、「天の時を逃さない会社になるのだ」というのが私の決意でございます。多分に精神論的ですが、ご理解ください。

2012年1月10日火曜日

TOPIX Core30ひとかじり(2)任天堂(ブランド価値)

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ブランド・マーケティングのコンサルティングを行っているInterblandという会社があります。同社はまたグローバル企業のブランドを独自評価し、順位付けを行っています。個人的には順位やブランド評価金額に重要な意味はないと捉えていますが、アメリカ人が国外ブランドをどのあたりに位置づけているかは参考になると思います。

2011年の順位ですが、任天堂は48位でした。気になる競合は第3位のマイクロソフト、第8位のアップル、第14位のノキア、第17位のサムソン、第26位のアマゾン、第35位のソニーといったところでしょうか。プラットフォームがらみが多いですね。

報告書で任天堂に触れている部分がありますが、以下の一文は共感できます。(日本語は拙訳)

[任天堂の]最も重要な資産のひとつは、「ニンテンドー」ブランドそのものです。ニンテンドーといえば即ち、楽しくて、にっこりさせてくれるものなのです。

One of its most valuable assets is the Nintendo brand itself, which consumers see as fun and a reliable provider of smiles.
(p.30)

ちなみに過去の記録も見ると、任天堂の最高順位は2001年の29位のようです。ゲームキューブとゲームボーイアドバンスあたりの時代です。個人的には、どちらのゲーム機も経験なしです。

2012年1月9日月曜日

TOPIX Core30ひとかじり(2)任天堂

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この企業については実は1年ぐらい前から少しずつ調べ続けています。当時の株価は2万円強でしたが、今では1万円ちょっとです。当社はひとかじりで終わりそうにないので、今回はまず純利益の推移をグラフにしてみました。当社Webサイトには数値データ(excelファイル)が掲載されています









ハードウェアの端境期と円高要因が重なり、今年度は赤字決算の業績予想が出ています。30年来の黒字基調をとめそうな岩田社長以下の経営陣ですが、今年は正念場です。動向に注目したいと思います。

テレビのない我が家にはゲーム機もないので、Wiiを触ったことはありません。また少し前は電車に乗るとDSで遊ぶ人が目につきましたが、最近はスマートフォンばかりですね。

2012年1月6日金曜日

TOPIX Core30ひとかじり(1)ファナック

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市場で適切に評価されていない銘柄を探して投資対象としているので、有名だったり大きな日本企業はあえて避けていました。ですから、それらの企業については表面的な知識しか持っておらず、分析はほとんどしていません。しかし、思うところがあり、日本を代表する企業も少しずつ勉強したいと考えるようになりました。まずは浅く事実を知る程度ですが、TOPIX Core30から順に触れていくつもりです。

TOPIX Core30とは東証TOPIXのサブインデックスで、東証市場第一部に上場する内国普通株式のうち、時価総額、流動性の特に高い30銘柄が含まれています。現時点の構成銘柄はここに一覧されています。アメリカのDow Jones Industrial Average(DJIA)と雰囲気が少し似ていますね。

世間でも注目されている会社ばかりですので、屋上屋を架して各社を説明する必要はないかと思います。印象に残った点を記述していきます。

今回取り上げるのは、その中でもROAが最高水準の企業、ファナックです。当社のことは以前に一度だけ簡単に調べたことがありますが、今回は有価証券報告書に一通り目を通しました。優良企業は何かしらの特徴が目につくものですが、当社も独特な強い匂いがします。以下、感じた点を3点ほど。

1.自己株式取得の判断がよい
もともと自己株式を13%保有していましたが、2009年8月の取締役会で追加取得を決議しています。890億円で1,200万株(約5%分)取得ですので、1株平均7,500円程度で買っています。底値では買っていませんが、業績が悪かった年度(当期純利益375億円)に決断したのは見事です。

2.一味違うリスク認識
「事業等のリスク」で自然災害を挙げることが多いものですが、当社は富士山噴火を明記しています。富士山周辺に本社を抱える大企業は少ないと思いますが、小さな確率でも壊滅的な影響を及ぼすリスクです。最悪時の対応は検討済かもしれません。

3.現時点での割安度は?
(現預金+売掛金+有価証券)から負債合計をひいた残額は、1株あたり3,000円弱。それを考慮すると、現在のPERはそこそこ妥当に見えます。2009年のような自社株買いができる企業であれば、内部留保の使い方に安心感を覚えます。もっと分析を行って、Moatが長続きするか検討する価値のある企業だと感じました。

蛇足ですが、当社の有価証券報告書の「役員の状況」も一味違います。NTTや三菱UFJでもしていない略歴の書き方です。

2011年11月5日土曜日

経営者のボスは誰か

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信越化学工業の金川会長の著書『危機にこそ、経営者は戦わなければならない!』から、三度目の引用です。従業員の立場からしても、個人的には全面的に賛成です。

株式会社の経営者にとって、ボスは株主です。株式会社は、あくまでも私企業なのであり、公共のものではあり得ません。
会社経営の目的は株主に報いることにあります。したがって、経営者である私のボスは株主です。コーポレート・カバナンス(企業統治)の大前提からしても、従業員は企業の一部であって、決してボスではありません。「従業員は使用人だ」と、経営者は堂々と言わなければいけないと思います。さもなければ、従業員のために企業があるかのごとく、本末転倒した錯覚に陥ることになります。
従業員はボスではありませんが、株主に本当に報いるには、従業員にやる気になってもらう必要があります。そういう意味で、従業員は大事だということです。企業の目的は、経営者自身が大金を儲けることでも、従業員の福祉のためでもなく、あくまで会社を強くして株主に報いることにあります。そして、それは従業員を幸せにしなければ達成できないわけです。つまり、これは企業の目的ではなく手段の一つなのです。

2011年11月3日木曜日

最近の注目銘柄(2011年10月)の株価の動き

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10/27に注目銘柄を挙げました。投資先候補なので株価の動向を見守っていたところ、11/1(火)に大きく動きました。

6140 旭ダイヤモンド工業 -4.49%
6157 日進工具 +0.73%
3891 ニッポン高度紙工業 -22.42%
6988 日東電工 -8.48%
5201 旭硝子 -3.57%
5333 日本ガイシ +3.48%
2178 トライステージ +0.00%





日東電工の8%下落も大きいですが、注目はニッポン高度紙工業です。22%下落し、PBR1倍を割り込みました。景気の見通しにつられて、業績予想が大幅に下方修正されました。同社の製品はニッチトップなので、興味深い株価です。株式を買う時期が近づいてきたようです。自信を持って投資できるように、遅ればせながら勉強開始です。

ところで、同社のWebサイトが一新されましたね。コンテンツが増えているので、読むのが楽しみです。

2011年10月27日木曜日

最近の注目銘柄(2011年10月)

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最近は次のような公開企業に注目しています。何らかの競争優位性を持ち、成長余地があり、株価がある程度割安になっている企業です。少しですが、株式を買い始めているものもあります。

6140 旭ダイヤモンド工業
6157 日進工具
3891 ニッポン高度紙工業
6988 日東電工
5201 旭硝子
5333 日本ガイシ
2178 トライステージ

Yahoo Financeでの一覧はこちらです。
こうして並べてみると、工具や素材系の製造業に偏っています。マーケットシェアが高くて、それなりの価格決定力を持つ企業が好みなので、そうなるのかもしれません。株式の流動性の高低は、あまり気にしていません。

もちろん、これら以外にもマニーのような超優良企業は注視しています。ですが、株価は安くならないものですね。

2011年10月3日月曜日

バークシャーの第3四半期は300億円の買い越し

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バークシャー・ハサウェイの第3四半期における普通株取引は、約300億円の買い越しになったとのことです。第2四半期が約260億円の買い越しだったので、買いが増加しています。第2四半期の純利益が2600億円前後ですので、1割強を株式へ投資したことになります。

(Buffett Says Berkshire Made $4 Billion of Stock Investments During Quarter (Bloomberg))

ウォーレン・バフェットの発言は、いつも通りです。インタビュー記事の最後にあります。

"If the stock is cheap, we will buy it," Buffett said. "If it isn't cheap, we won't buy it."


2011年10月1日土曜日

(注目銘柄)トライステージ

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割安な水準まで株価が下がっているため、ここ最近になって注視していました。

当社の財務状況(決算短信p.6)ですが、2011年8月末時点で現金預金+売掛金が11,091百万円、負債総額が3,540百万円。つまり、差額は7,541百万円です。一方、株式数が7.632百万株(調整後)なので、一株あたり差額は988円となります。つまり9/30時点の株価1,000円を払って当社の株式を購入すると、余剰現金あるいは売掛金が988円残っている当社を一株分手に入れられることになります。言い換えれば、当社は株式市場においてタダで取引されているに等しい状態です。

経営者が内部留保をどれだけ有効活用してくれるのか株主にとって気になるところですが、昨日9/30に当社は自己株式取得を決定したと発表しました。上限額は2億円。配当金の総額1.5億円を超えているのが、何とも微妙なさじ加減です。現経営陣は当社株式の多くを保有しているので、今回の判断は少数株主の願いと一致しているようです。

今期末の予想PERは4.5以下なので、収益面で見てもそれなりの安全余裕がある株価だと考えています。広告業界には疎いので、納得のいくまでは当社を分析できていません。が、財務面での魅力に惹かれ、小額ですが投資しました。

なお、当社を分析する際に、以下のサイトを参考にさせて頂きました。どうもありがとうございました。
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