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2013年8月30日金曜日

65年ぶりに再び優勝した人(チャーリー・マンガー)

チャーリー・マンガーによる講演『経済学の強みとあやまち』の13回目です。今回もまたチャーリーからの問題が出ています。回答部分の文章は次回にご紹介します。なお、前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

それでは、そういった問題を私がどのように解いているかお話ししましょう。言うまでも私は単純なサーチ・エンジンを心に抱き、チェックリストを順に確認していきます。さらに、大雑把なアルゴリズムをいくつか使っています。これは非常に多くの複雑なシステムにおいて、かなりうまくいきます。そういったアルゴリズムはたとえば次のように使います。著しい成功とは、それらの要因を組み合わせることでなされるものです。

A) ひとつかふたつの変数を極大化あるいは極小化すること。たとえば、コストコや当社の家具・電化製品店の例があげられます。

B) 成功要因を追加して、より大きな連携をつくることで成功を後押しすること。これは非線形的に進むことがよくあるため、物理学における破断点や臨界といった概念を思い浮かべるかもしれません。そうです、非線形的な結果がしばしばもたらされるのです。もうひと押しすることで、「とびっきりな」結果が得られます。私は生涯を通じて「とびっきりな」結果をさがし求めてきたので、それらがどのように発生するのか説明してくれるモデルには大きな関心を持っています。

C) 多くの要因において、徹底的にすぐれた成績を追求すること。トヨタやレス・シュワブがその例です。

D) ある種の大波をとらえて乗ること。オラクルが例です。なお今日の議事次第の中でオラクルのCFO(ジェフ・ヘンリー)が多くを占めていますが、オラクルのことはそれを知る前から話題にあげようと考えていました。

概して私が問題を解く際に使っており、みなさんにもお勧めなのは、急所を突くアルゴリズムを選んで、前向きだけでなく後ろ向きにもやることです。一例をあげてみましょう。私は家族にちょっとしたパズルを出して悩ませることがあります。次の問題は、それほど昔でない頃に家族へ出したものです。「この国でおこなわれる活動のひとつで、一対一のコンテスト形式によって国内チャンピオンを決めるものがあります。65年前に優勝した人が再び優勝しました。さて、その活動とは何でしょうか」(一時中断)。この問題についても、答えがひらめく人はあまりみたことはありません。私の家族でも、それほど多くはひらめきませんでした。しかし息子の一人に物理学者がいて、私好みのこの種の考え方に精通していました。ほどなく正解にたどりついた彼の説明はこうです。

Well, how did I solve those problems? Obviously I was using a simple search engine in my mind to go through checklist-style, and I was using some rough algorithms that work pretty well in a great many complex systems, and those algorithms run something like this: Extreme success is likely to be caused by some combination of the following factors:

A) Extreme maximization or minimization of one or two variables. Example, Costco or our furniture and appliance store.

B) Adding success factors so that a bigger combination drives success, often in nonlinear fashion, as one is reminded by the concept of breakpoint and the concept of critical mass in physics. Often results are not linear. You get a little bit more mass, and you get a lollapalooza result. And, of course, I've been searching for lollapalooza results all my life, so I'm very interested in models that explain their occurrence.

C) An extreme of good performance over many factors. Example, Toyota or Les Schwab.

D) Catching and riding some sort of big wave. Example, Oracle. By the way, I cited Oracle before I knew that the Oracle CFO (Jeff Henley) was a big part of the proceedings here today.

Generally I recommend and use in problem solving cut-to-the quick algorithms, and I find you have to use them both forward and backward. Let me give you an example. I irritate my family by giving them little puzzles, and one of the puzzles that I gave my family not very long ago was when I said, "There's an activity in America, with one-on-one contests and a national championship. The same person won the championship on two occasions about sixty-five years apart." "Now," I said, "name the activity." (Pause). Again, I don't see a lot of light bulbs going on. And in my family, not a lot of light bulbs were flashing. But I have a physicist son who has been trained more in the type of thinking I like. And he immediately got the right answer, and here's the way he reasoned:

何年か前にこの文章を読んだときは、答えが全く思いつきませんでした。日本人になじみのない話題を取り上げているので、どんぴしゃりの答えを出すのは困難だと思います。

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