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2020年5月31日日曜日

長期投資を心がける際の売却方針について(1)

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今年の1月5日にいただいたコメントで、「トシユキ」さんから次のような問い合わせがありました。

トシユキ 2020年1月5日 15:56 のコメント

最近、私は長期投資の売りのルールについて考えています。バフェットさんに関した本には、よく買いのルールについては詳細に書いてあるのですが、売りには殆ど言及されていない気がします。

バフェットさん自身、素晴らしい銘柄を永久に保有するという話はよく聞くのですが、個人的には永久と言われても少しピンときていません。

そこで、質問なのですが、betseldomさん自身は、銘柄を売買する際には、どういった売りのルールを設けているのでしょうか?損切りなどは取り入れているのでしょう?

まずは、トシユキさんからのお問い合わせに対して返信が遅くなったことをお詫びいたします。もたもたしているうちに世間の事態が急変し、投稿する機会を逃してしまいました。ここにきて、この話題にふさわしくない状況が少なくとも一時的には後退したと思われるため、今のうちにお答えします。

さて、ご質問に対して端的にお答えした後に、長期的な投資を意識しながらも売却に踏み切ったときを省みることで、なんらかの教訓が得られればと思います。

<用語の定義>
話題に進む前に、本ブログで使っている「長期」などの株式投資期間を指す言葉の定義を記しておきます。

・短期: 0-1年
・中期: 1-3年
・長期: 3-10年
・超長期: 10-30年だが、便宜的に「長期」に含める。

ここでは、企業が立案する事業計画上の表現や債券における区分を参考にし、さらには「3」の累乗でほぼ表現できる数を当てはめています。3年間を指して長期投資と呼ぶには短いように感じられるのはその通りで、むしろ7-10年超を長期投資と呼ぶほうがしっくりきます。しかし機械的な定義のほうが客観的で説得力があるため、個人的には上記の基準をとっています。

<売りのルールについて>
売りのルールとして漠然としたものはありますが、厳密な基準はできていません。自分が想定している企業価値の平均値を100としたときに、その周辺で売却する銘柄もありますし、150以上になった時点で売却するものもあります。そもそも企業価値を想定する上で成長性はある程度盛り込んでいますが、購入価格の水準によって譲渡益課税額の割合が異なったり、個人的な理由が他にあるため、銘柄による売却基準が異なっています。

さらに、できるだけ売却したくない銘柄の株価が短期的に高すぎると感じた場合には、信用売りをしてヘッジすることがあります(ただし、気休めにしかなりませんでした)。

<損切りについて>
損切りは実行します。そもそも新規に買う銘柄数が少ない上に上昇相場が続いたので、近年は損切りする局面がそれほどありませんでした。しかし過去記事で取り上げた銘柄に、いくつか例があります。たとえば、クックパッド(2193)やツムラ(4540)です。

クックパッドの場合、事業の方向性が個人的には見通せなくなったことで、株価暴落後ながらも全売却し、投資額に対して大きな比率の損失におわりました。またツムラの場合は、敬愛する企業ではあるものの、事業環境を踏まえると買値に不満が残ったため、購入後それほど間を置かずに、いったん売却することにしました。

2018年の投資をふりかえって(2)全売却銘柄:クックパッド(2193)
2014年の投資をふりかえって(8)その他:日精ASB,任天堂,しまむら,ツムラ

今になって振り返ってみると、ウォーレン・バフェットが触れてきたような投資の基本方針からはずれていると個人的に強く感じた際に、損切りに踏み切っていたように思えます。

投資家が見極めるべき5項目(ウォーレン・バフェット1993年)

超一級の企業ではなくても十分に割安だと思える銘柄は、多くの場合、含み損があっても損切りせずに継続保有します。一方、投資利益はあがりながらも見誤ったと感じられる銘柄は、適宜売却しています。

(つづく)

2020年5月30日土曜日

2020年バークシャー株主総会(15)わが上司ベン・グレアムの答弁

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、前回の投稿から始まった上院銀行委員会の話題がつづきます。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 上司だったベン・グレアムは、知りたい情報がいくつかあったので、ニューヨークの図書館へわたしを調べにやらせました。今となれば、彼自身がコンピューターを使って5分で入手できる程度の情報です。わたしがその情報をひっぱり出してくると、参考人だった彼は答弁に向かいました。この報告書の全部に目を通す必要はなかったのですが、今日お話しするくだりが545ページ目のどこに載っているか、覚えています。ベン・グレアムは、かつてわたしが出会った人の中で、もっとも頭の良かった三本指に入る人物です。彼は証券業界の中で大御所とみなされていました。1934年には、古典として知られている『証券分析』を書き著しました。そして1949年には、わたしの人生を変えた一冊『賢明なる投資家』を執筆しました。彼は驚異的な才人でした。

ダウ平均が404ドルの日に、彼は委員会で答弁しました。そのとき準備しておいた書面の冒頭すぐそばには、次のような一続きの文が書かれています。「株式市場は高値を付けている。たしかに割高に見え、実際に高い。しかし、見かけほどは高くない」。そして彼は「実際に高い」と発言したのです。次のスライドに進みますと、その後の米国は強力な追い風を受けて、ダウ平均の値段は昨日の金曜日には下がったものの、スライドを作成した日には24,000ドルに達していました。[ウォーレンがコロンビアを卒業した]当時の1ドルが、今日の100ドルをもたらしたことになります。つまり、その当時にとるべき行動とは、いちずにアメリカを信じ、アメリカを代表する諸企業を信じることでした。ウォール・ストリート・ジャーナル紙を読まなくてもよし、株価を確かめなくてもよし、多額の手数料をだれかに払う必要もありませんでした。「アメリカは確実に奇跡を果たす」と、信じるだけでよかったのです。


(Warren Buffett 50:17)

But Ben Graham, my boss, sent me over to the public library in New York to gather some information for him, something he could do in five minutes with a computer now, and I dug out something, and he went to testify, and on page 545 of this book, I knew where to look, I didn't have to go through it all, but the quote which I remember, and I remember because Ben Graham was one of the three smartest people I've met in my life, and he was the dean of people in securities business, he wrote the classic Security Analysis book in 1934, he wrote the book that changed my life, Intelligent Investor in 1949, he was unbelievably smart.

(Warren Buffett 51:09)

And when he testified, with the Dow at 404, he had one line in there right toward the start in his written testimony, and he said, "The stock market is high, looks high, it is high, but it's not as high as it looks." But he said, "It is high." And since that time, if we'll turn to the next slide, of course, we felt the American tailwind at full force, and the Dow, well let's see, when the Dow was ... it went down on Friday, but when we made the slide it was about 24,000 so you're looking at a market today that has produced $100 for every dollar, all you did was you had to believe in American just by a cross-section of America, you didn't have to read the Wall Street Journal, you didn't have to look up the price of your stock, you didn't have to pay a lot of money in fees to anybody, you just had to believe that the American miracle was intact.

2020年5月29日金曜日

ヴォルテールは、かく語れり(ハワード・マークス)

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ハワード・マークスが書いた今回のメモから、最後の引用になります。まとめ編です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

この件について考えるほどに、結論はいっそう明確になります。

・この世は不確かな場所である。

・現代を生きる人々にとって、今ほど不確かな時期はない。

・どのような未来のほうが良いのか、ほとんどの人にはわからない。

・しかしながら、投資が扱うのは未来のことだけであり、つまるところ投資家は未来について決断せざるを得ない。

・投資において自信を持つことは不可欠だが、過剰になれば身を亡ぼしかねない。

・大きな話題をとりあげるほど(世界・経済・市場・通貨・金利)、卓越した知識を備えられる可能性は小さくなる。

・小さな話題(企業・産業・証券)においても、大きな話題に関する仮定を踏まえた上で状況を判断せざるを得ない。そのため、こちらも不確かである。

・不確かな状況で理知的に行動できる能力は、もっとも重要なスキルのひとつである。

・そのように行動したければ、みずからの予測力の限界や、提示された予測が他のものと比較してどれだけ信頼できるかを、理解すべきである。

・それができない人は、おそらく無鉄砲な行動をとっているのだ。

[経済評論家の]ニール・アーウィンは、先に引用した文章の4ページ目で次のように書いています。

「これほど不確かな状況で、今後5年間あるいは5か月間だとしても、世界経済がどのような趨勢をたどるのか自信満々に予測するのは、なんともおろかなことである」

あるいはすでにヴォルテール[フランスの啓蒙家]が、250年前に正鵠を射ています。「疑念の心は平安ならず。されど、自信は愚劣の極みなり」と。

The more I think about it, the bottom line is clear:

- The world is an uncertain place.

- It’s more uncertain today than at any other time in our lifetimes.

- Few people know what the future holds much better than others.

- And yet investing deals entirely with the future, meaning investors can’t avoid making decisions about it.

- Confidence is indispensable in investing, but too much of it can be lethal.

- The bigger the topic (world, economy, markets, currencies and rates) the less possible it is to achieve superior knowledge.

- Even our decisions about smaller things (companies, industries and securities) have to be conditioned on assumptions regarding the bigger things, so they, too, are uncertain.

- The ability to deal intelligently with uncertainty is one of the most important skills.

- In doing so, we should understand the limitations on our foresight and whether a given forecast is more or less dependable than most.

- Anyone who fails to do so is probably riding for a fall.

As Neil Irwin wrote in the article cited on page 4:

It would be foolish, amid such uncertainty, to make overly confident predictions about how the world economic order will look in five years, or even five months.

Or maybe Voltaire said it best 250 years ago: Doubt is not a pleasant condition, but certainty is absurd.

2020年5月28日木曜日

2020年バークシャー株主総会(14)アメリカ合衆国上院銀行委員会

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、世界恐慌前に付けた株価のピークをまさに超えようとしていた、1950年代なかばの話です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> そのような反応は、いささか信じがたく思えるかもしれません。1954年には、以前とは異なる国に変わっていたからです。しかし、だれもがその疑念を抱いていました。実際のところ、「崖の上から、またしても飛び降りるのか」と不安がられるほどでした。なぜなら、1929年に付けた381ドルを超えていたからです。そこで、アーカンソー州選出のビル・フルブライト上院議員は、のちに外交委員会の件でとても有名になる人物ですが、上院銀行委員会の委員長だった彼は特別調査を開始しました。彼は「株式市場調査」と称していたと思いますが、その報告書を読んでみれば、彼が「次なる砂上の楼閣を築いてきたのか否か」という疑念を本当に抱いていたことが読みとれます。ところで、この委員会には興味をひく点があります。委員の一人はプレスコット・ブッシュ、かのジョージ・H・W・ブッシュの父であり、ジョージ・W・ブッシュの祖父に当たる人でした。そのほかにも著名な名前が散見されます。

彼の委員会は1955年3月のダウ平均が405を付けた日に、米国きっての英邁(えいまい)なる20名の参考人を招致しました。そして、わが国が狂った領域へと再び突入しようとしているか否かについて、意見を聴きました。市場を代表する指標のダウ平均が400ドルに達したものの、かつてそれが大変な問題となったからです。それがこの国における受け止めかたでした。それほどまでの重大事でした。

実際のところ当時の人たちは、現実の歴史が示したようにはならないと考えていました。今日持参したこの1,000ページの本を読めばわかります。この本は昨夜自宅の書架から見つけだしたもので、わたしにはおなじみの一冊です。さて、フルブライト議員の面前で発言をすることになった20名のなかには、わたしがニューヨークで働いていた時の上司が含まれていました。上司の前に発言した参考人は、シアーズ・ローバックを率いていたジェネラル・ウッドでした。そして上司の後の参考人は、連銀を率いていたビル・マーチンでした。彼らの示した見解はきわめて重要なものでした。ビル・マーチンは言うまでもなく、連銀創設以来、議長の座にもっとも長く就いていた人物です。連銀が果たすべき仕事について彼が語った言葉に、有名なものがあります。「パーティーがいよいよ活気づいてきた頃に、パンチ・ボウル[いわば酒瓶]を下げることである」。

(Warren Buffett 47:33)

And that seems a little farfetched because it was a different country in 1954, but that was the common question, and it actually achieved such a level of worry about whether we were about to jump off another cliff just because the 381 of 1929 had been exceeded, that they held, Senator Fulbright, Bill Fulbright of Arkansas, who became very famous later in terms of the foreign relations committee, but he headed the Senate Banking Committee, and he called a special per special investigation, and he calls it the, what did he call it? The stock market study, but it really, if you read through it, he really was questioning whether we had built another house of cards again, and on this committee, it's interesting to see the Senate Finance Committee, one of the members was Prescott Bush, the father of George H. W. Bush, and grandfather of George W. Bush, and it had some illustrious names.

(Warren Buffett 48:54)

His committee, in March of 1955, with a Dow of 405, assembled 20 of the best minds in the United States to testify as to whether we were going crazy again, because the market was at 400, the Dow was at 400, and we had gotten in this incredible trouble before, but that was the mindset of the country, it's incredible.

(Warren Buffett 49:24)

We didn't really believe America was what it was, and my was, the reason I'm familiar with this 1000-page book that I have here, I found it last night in the library, was that I was working in New York for one of the 20 people that was called down to testify before Senator Fulbright, and he testified right before Bill Martin, who was running the Federal Reserve, testified, and right after General Wood who was running shares testified, theirs was very, very important then, and Bill Martin of course was the fellow that longest running chairman in the history of the Fed, and he's the one that gave the famous quote about the function of the Fed was to take away the punch balls just when the party started to get really warmed up.

なお、ウォーレンが紹介していた報告書『証券市場調査』のコピーは、Google PlayのBooksで閲覧できます(ただし、ページの端がうまく複写できていない箇所もあります)。

Stock Market Study, Hearings Before the Committee on Banking and Currency, United States Senate, Eighty-fourth Congress, First Session, on Factors Affecting the Buying and Selling of Equity Securities

2020年5月27日水曜日

2020年バークシャー株主総会(13)1929年の亡霊

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、第二次世界大戦後の1950年代、景気が回復する時期の話です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 1920年や1930年や1929年から1951年までの期間、あるいはわたしが産まれた年からの20年間というのは、この国が始まってから140年ほどしか経っていなかった時期でした。どうぞ、その点をお忘れなきよう。そして、建国以来つづいた目覚ましい231年間[原文ママ]のうちの「20年間」でした。人々はその間、「国富つまりアメリカ企業を全体としてみると、いつまで経っても経済が停滞したままの期間だ」と感じていました。しかし全体としてみれば、実際ははるかにずっと発展していたのです。そうだとしても、20年前にわたしが産まれた時の水準まで株価が戻るには、それだけの時間がかかりました。

ですから、現在わたしたちが数か月にわたって耐え忍んでいる事実を考えると、あるいはさらに幾月かを忍ぶことになるでしょうが、これからどのような事態になるのかわかりませんが、それは1930年代の人たちも同じでした。大恐慌がどうなるのかわからなかったものの、彼らは耐え忍び、辛抱を重ね、そして乗り越えた先に、米国の奇跡が再開されました。実は次のスライドは用意していませんが、それというのも昨夜すべてのスライドを準備し終えてから考えたもので、興味深いことを思い出したのでお話しします。1954年の初めには、市場つまりダウ平均はわずかに280ドルでした。1954年はわたしが株式市場で最高の成績をあげた年なので(笑)、覚えていたのです。

年の初めには、ダウ平均は280かそのあたりでした。それが年末には400を少し上回るところまで来ました。実は、400に近づこうとして381すなわち1929年の例の数字を超えるや否や、信じがたい方がおられるかもしれませんが、400に近づこうとしたときには誰もが思案したものです。「今回も1929年の繰り返しになるのだろうか」と。

(Warren Buffett 44:42)

So take the years from 1920, 1930, or 1929 really into the 1951, or take the year from my birth, 20 years, and bear in mind that the country was only 140 years old when they started, that's 20 years out of this amazing 231-year lifetime of our country, that was flat out a time of for a long time with no economic growth, and no feeling by people in terms about the wealth of the country, about what American economy was worth, about all these corporations that were doing far, far, far better than they were, all in all, but it took all of that time to restore in the market a price level that was equal to what it was when I was born 20 years earlier.

(Warren Buffett 45:51)

So, if you think about the fact that we're enduring a few months, and we'll endure some many more months, and we don't know how it comes out, and people in the '30s didn't know how it was going to come out, but they endured, persevered, prospered, and the American miracle continued. But it's interesting in that I actually don't have a slide for the next one, because last night I was thinking after all the slides had been prepared, I was actually thinking about this a little bit, and I remembered that at the start of 1954 the stock market was ... the Dow was only at about 280, and I remember 1954 because it was the best year I ever had in the stock market.

(Warren Buffett 46:53)

And the Dow went from essentially what? 280 or thereabout at the start of the year, to a little over 400 at the end of the year, and when it went to 400, as soon as it went across 381, that famous figure from 1929, when it went to 400, and this will be hard for some of you to believe, but everybody wondered, " Is this 1929 all over again?"

2020年5月26日火曜日

2020年バークシャー株主総会(12)暗い影の横たわる日々

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、大恐慌後の株価と経済の話です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 大恐慌は非常に長期にわたって続きました。しかし実際に影響があった期間よりも、人々の心に残った期間のほうがずっと長く続きました。そして第二次世界大戦がはじまりました。それによって、この国はある種不本意な形でケインズ主義的政策をとることになりました。つまり財政赤字を拡大しはじめたのです。それは甚だしく巨額なものとなり、GDP比でみて過去最悪の債務を追うことになりました。その記録は現在もなお、破られていません。

その結果、経済は著しい回復を遂げました。しかし人々の心はひどく傷ついたままでした。親から子へと、当時の記憶が語り伝えられました。1929年は人々の心の中で、象徴的な年として記憶されました。つまり、1776年[独立宣言]や1492年[新大陸発見]と同じようにみなされたのです。みなさんが話していたようなことを、当時の人たちも同じようにわかっていました。そのことが、いくぶん異例な形で株価に影響を与えました。次のスライドに進みますと1951年1月4日とありますが、株式市場はこの日に至って、1930年8月30日の水準まで回復しました。しかしその日に産まれた子供は、株価が回復するまでには大学を卒業していました[実際はコロンビア大学の経営大学院]。



(Warren Buffett 42:51)

So the great depression went on, and it lasted a very long time, but it lasted a lot longer in the minds of people than it did actually in its effects. World War II came along, and on sort of an involuntary manner we adopted Keynesianism, we started running fiscal deficits, of course, that were absolutely huge, and took our debt up to a percentage of GDP, which we had never reached before, and never have reached since.

(Warren Buffett 43:35)

So we had an enormous economic recovery, but the minds of people had been so scarred, the memories, parents told their children, 1929 became a symbol in people's minds, I mean, if you said 1929 it was like saying 1776, or 1492. I mean, everybody knew exactly what you were talking about, and it affected stock prices in a rather remarkable way to the point, if you'll change to the next slide, it was January 4th of 1951 that the kid who was born on August 30th in 1930 had finished college before the stock market got back to where it was at that earlier time.

2020年5月25日月曜日

自分がわかっていないことをわかっていない人たち(ハワード・マークス)

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ハワード・マークスのメモをもう少し取り上げます。今回のメモにおける2つ目のテーマとして、ハワードは「知的な意味での謙虚さ」がいかに重要であるかを説いています。自分が正しくない可能性を確率的に意識することで、自分の正しさを現実的な視点でとらえることができるとしています。一方、「謙虚さ」の逆に位置するのが「自信過剰」です。自信を持つことは大切ながらも、その強さは裏付けの程度にもとづくべきで、そうでない自信すなわち過信にいたるのは危険だとしています。過信はバイアスを生み、バイアスはあやまちにつながるからです。

今回ご紹介する文章は、別の人が「過信」について書いていた文章から、ハワードが引用してきた部分です。引用元の筆者は、実践哲学や行動経済学の専門家エリック・アングナー氏(Erik Angner)です。アカデミック寄りの文章だからか、直截的で辛辣とも受けとれる言葉がならんでいます。なお、前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

おのれの抱く自信を較正するのは、難儀なことかもしれない。ジャスティン・クルーガーとデイヴィッド・ダニングがかつて強調していたように、我々が備えている認知上の能力とメタ認知上の能力は、互いに関連している。ある作業を遂行する際に必要な認知上の能力を備えていない者は概して、自分があげた成果を評価する上で必要とされるメタ認知上の能力にも欠けている。それゆえに無能な人は、二重の不利をこうむっている。それは、能力が不足しているのみならず、おそらくそのことを認識できていないからだ(ガルブレイスの記した未来予測者がそうだ。「自分がわかっていないことをわかっていない人たち」[ハワードによる注釈。過去記事あり])。すなわちここでは早々に、素人疫学者たちのことをほのめかしている。高度な疫学的モデリングを構築するに足る各種能力を自身が有していないとすれば、「ガラクタを基にして優れたモデルを語ることはできない」と心に留めるべきなのだ。

Calibrating your confidence can be tricky. As Justin Kruger and David Dunning have emphasized, our cognitive and metacognitive skills are intertwined. People who lack the cognitive skills required to perform a task typically also lack the metacognitive skills required to assess their performance. Incompetent people are at a double disadvantage, since they are not only incompetent but also likely unaware of it [Galbraith’s forecasters “who don’t know they don’t know”!]. This has immediate implications for amateur epidemiologists. If you don’t have the skill set required to do advanced epidemiological modeling yourself, you should assume that you can’t tell good models from bad.

備考です。エリック・アングナー氏による原文は、以下のサイトで公開されています。

Epistemic Humility—Knowing Your Limits in a Pandemic (Behavioral Scientist)

2020年5月24日日曜日

2020年バークシャー株主総会(11)あなたの預金は消えました

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、大恐慌時の銀行破綻と預金保険に関する話題です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 祖父は、まさしくそのとおりに言いました。家族のことは気にかけていたものの、だからといって行き過ぎることはない人でした。また当時を振り返ったときに挙げたいことのひとつとして、経済学者が「頃合い」というものに重きをおきたがらない点があります。もしFDIC[連邦預金保険公社]が10年早くはじまっていたら、それというのもFDICは、ルーズベルトが大統領に就任した後、策定中だった法案を一掃した際にできたもので、1934年1月1日に保険制度が開始されましたが、しかし大恐慌が起こった時点でFDICが存在していれば、当時のわたしたちが経験したことは、まるで違うものになっていたはずです。

緩い手段を批判する人はいます。つまり..、あらゆる種類のことがありました。1929年の信用規制やあらゆることが景気後退を招いたのはたしかです。しかし4,000行を超える銀行が破綻し、4,000もの地域における住民がこつこつと蓄えてきた預金が失われたら、どうなるでしょうか。いつの日か使うつもりだったお金が消えてしまったのです。この事態は全米48州で起こりました。みなさんの隣人にも降りかかり、みなさんの親族にも降りかかりました。当然ながら、このできごとは人々の心理へ信じがたいほどの影響をもたらすこととなったのです。

ですからわたし自身は、「大恐慌が起こったことで誕生した極めて優れたもの、それがFDICだ」と考えています。もし「自分は預金者である」とみなしている人たちが銀行に赴いたときに、「閉店」と書かれた看板を目の当たりにして預金がすっかりなくなっていたとしても、銀行破綻が国中に広まることがなければ、いくぶん異なった世の中になっていたに違いないと思います。

ところでFDICは、米国納税者からの負担は一切受けていません。このことを知っている人はほとんどいませんし、知っていたとしても感謝はしないと思います。つまりFDICが負担する費用や損失はすべて、諸銀行による審査を通じて支払われているのです。FDICは銀行間の相互保険会社ですが、連邦政府関連の公社であり、政府からの保証を受けています。現在は1,000億ドル[10兆円以上]の資産を有しています。[各銀行から支払われる]保険料を運用して投資収入を得て、各種費用やあらゆる損失金を支払っています。このように、大恐慌が起きた時とは似ていない状況にあるわけです。そのことで、人々がどれほどまでの安心を抱いているか、考えてみてください。

(Warren Buffett 39:33)

That was my grandfather's word exactly, he cared about his family but he wasn't going to go crazy, and one of the things as I look back on that period is, and I don't think the economists generally like to give it that much of a point of importance, but if we'd had the FDIC 10 years earlier, the FDIC started on January 1st, 1934, it was part of the sweeping legislation that took place when Roosevelt came in, but if we'd had the FDIC we would have had a much, much different experience, I believe, in the great depression.

(Warren Buffett 40:24)

People blaming on smooth hall here, and they ... I mean, there's all kinds of things, and the margin requirements in '29, and all of those things entered into creating a recession, but if you have over 4,000 banks fail, that's 4,000 local experiences where people save, and save, and save, and put their money away, and then someday they reach for it and it's gone, and that happens in all 48 states, and it happens to your neighbors, and it happens to your relatives, it has to have an effect on the psyche that's incredible.

(Warren Buffett 41:15)

So one very, very, very good thing that came out of the depression, in my view, is the FDIC, and it would have been a somewhat different world, I'm sure, if the bank failures hadn't just rolled across this country, and with people that thought that they were savers find out that they had nothing when they went there and there was a sign that said, "Closed."

(Warren Buffett 41:49)

Incidentally, the FDIC, I think very few people know this, or at least they don't appreciate it, but the FDIC has not cost the American tax payer a dime, I mean its expenses have been paid, its losses have been paid all through assessments on banks, it's been a mutual insurance company of the banks backed by the federal government, and associated with the federal government, but now it holds $100 billion and that consists of premiums that were paid in an investment income on the premiums, plus the expenses, and paying of all the losses, and think of the incredible amount of peace of mind that's given to people that were not similarly situated when the great depression hit.

2020年5月23日土曜日

2020年バークシャー株主総会(10)ウォーレンの祖父、アーネスト・バフェット

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、大暴落の話題のなかで、バフェット一族の横顔に触れています。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 株式市場の暴落が続くなか、わたしの誕生から1年間経っていないか、もうすぐ1年になろうとする頃に、わが父は勤め先の銀行へ出向いていきました。その銀行には口座も保有していました。しかし、おもてには「閉店」と掲げられていたのです。仕事をなくした父は、当時2人の子供を抱えていました。ところで彼の父親は、食料や雑貨を扱う店を営んでいました。実はわたしだけでなくチャーリー・マンガーも、わが祖父の店で働いていたことがあります。チャーリーは1940年に、わたしは1941年でしたから、わたしたち両名が知り合わせたことはありませんでした。その祖父が、わが父にこう言いました。「ハワードよ、食べ物や日用品のことは心配するな」と。「ツケ払いにしておいてやるから」。

(Warren Buffett 38:52)

In that intervening period, less than one year after I was born, just slightly less than one year, my dad went to the bank where he worked and had his account, and of course the bank had a sign out of "closed" and so he had no job, and he had two kids at that point, and his father had a grocery store, but Charlie and I both worked for my grandfather. Charlie worked there in 1940, I worked there in 1941, so we didn't know each other but my grandfather said to my father that, "Don't worry about your groceries, Howard," he says, "I'll just let your bill run."

なお、ウォーレンの祖父アーネストの店を撮影した写真は、たとえば以下のサイトに掲載されています。薄暗くて狭い店を想像していましたが、まったくちがいました。

From the Archives: The Oracle & Omaha (Omaha.com)

また以下の過去記事では、チャーリーがアーネスト・バフェットを絶賛しています。

<新訳>誤判断の心理学(序)バフェットの祖父に倣う理由

2020年5月22日金曜日

2020年バークシャー株主総会(9)本物の下落がやってきたとき

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、大暴落の話題のつづきです。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 1930年が株価下落中の年だとは、世間では考えられていませんでした。大恐慌のさなかだとも思われず、過去にも10回は到来したような景気後退にちがいないと考えられていました。しかし株式市場がつねに重要だとは言えないのですが、当時の米国では数々の景気後退があったことで、その事態が通例を逸脱した激烈なものだとはみなされませんでした。しばしの間、すなわちわたしの誕生後10日間ほどは、株価は辛くも1-2%近く上昇しました。しかし、それが最後の日となりました。


そして次のスライドです。わが誕生日から数えはじめると、株式市場の水準は240から41に下落しました。これは特筆すべき下落です。わたしが産まれたときに1,000ドルもらったとして、そのお金でダウ平均を買っていたら、2年も経たないうちに170ドルに減ってしまうわけですから。これは、だれも経験したことのない事態でした。個別株を買えばそうなることもありえますが(笑)、米国企業全般を保有しているという点で、2年以内に83%の値下がり、あるいは1929年9月3日の最高値から89%の値下がりというのは、甚大極まりないできごとでした。



(Warren Buffett 36:47)

People did not think in the fall of 1930, they did not think they were in a great depression, they thought it was a recession very much like had occurred at least a dozen times, although not always when stock markets were important, but we'd have many recessions in the United States over that time, and this did not look like it was something dramatically out of the ordinary. For a while, actually for about 10 days after my birth, that'd be [inaudible 00:37:28] and the stock market actually managed to go up all of 1-2% there in those 10 days, but that's the last day.

(Warren Buffett 37:42)

Well, from that point, if you'll turn to the next slide, the stock market went from level of 240 to 241, which was a noticeable decline, because if somebody had given me $1,000 on the day I was born, and I'd bought stocks with it, and bought the Dow Average, my $1,000 would have become $170 in less than two years, and that is something that none of us here have ever experienced that we may have had it with one stock occasionally, but in terms of having a broad range of America mark down 83% in two years, and mark down 89% of the peak, that was in September 3rd, 1929, was extraordinary.

2020年5月21日木曜日

人間業を超えている(ハワード・マークス)

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前回分の投稿でご紹介したハワード・マークスのメモから、ひきつづき引用します。前回同様、特に現在の局面では予測することがいかに困難であるか、具体例をあげながら反語的に説明しています。(日本語は拙訳)

投資家にとって未来というものは、幾千もの要因から決定されます。経済下における諸活動や、参加者の心理、外因性のできごと、政府の行動、天候などのほかにも、ランダムに生じるその他の要素がかかわってきます。つまりは、莫大なほどに多変量であることが問題なのです。現在の状況では主たる要素が4つありますが(Covid-19、経済、原油、連銀)、そのひとつである「疫病」だけを取り上げて考えてみましょう。以下に、Covid-19に関連するあらゆる疑問をあげてみます。

・無症状の人も合わせると、どれだけの人がこのウィルスに感染しているのか。

・ある感染者が別の人を感染させるには、どの程度の接触が必要になるのか。 

・ディスタンシング(対人距離の確保)やマスク着用といった施策は、このウィルスの感染をどの程度抑止するのか。

・感染すると、症状の程度はどうなるのか。なぜ重症、軽症、無症状といった形に分かれるのか。

・医療従事者の使う個人防護具や、入院患者用ベッドや人工呼吸器は、適切に供給されていくのか。

・治療処置は向上していくのか。それによって、症状の回復期間がどの程度短縮されるのか。また致死率をどの程度低下できるのか。

・年齢・性別・事前条件ごとの致死率はどうなるのか。若年層における疫病の影響は悪化するのか。

・回復した感染者は免疫を獲得するのか。それは終生免疫なのか。

・このウィルスは変異するのか。免疫は変異後のウィルスにも効果を有するのか。

・感染を予防するために抗体を接種することは可能になるのか。

・さらなる感染拡大を効果的に防止するために集団免疫を成立させるには、どれだけの人が免疫を獲得しなければならないのか。

・ソーシャル・ディスタンシングを実行することは、集団免疫の成立時期を遅らせることにならないか。またスウェーデン方式は適切なものなのか。

・ワクチンは発明されるのか。そうだとしたら、いつなのか。また必要な数量のワクチンが生産されて現場に流通するのは、いつごろなのか。米国がそれを入手するには、どこの列に並べばいいのか。

・ワクチン接種を拒絶する人は何名ぐらいになるか。また、それによる影響はどうなるのか。

・ワクチン接種は毎年必要になるのか。

・このウィルスは高温高湿な季節になると減退するのか。

・このウィルスは、人間社会と永続的に共存していくのか。「もうひとつの季節病」として対処可能なものとなるのか。

結局のところ私が言わんとしているのは、「集団としてのリスクを把握するために、そういったあらゆる考慮事項のバランスをとれる人は皆無に近い」という点です。そして、これはCovid-19だけに限定した例です。他の3つの要素それぞれに関連する数多くの疑問点について考えてみるとなれば、どうなることでしょうか。「このような多くの疑問点に相対して適切な解答を見つけ出し、それらの相互関係を考慮した上で、重要性に基づきながら数々の検討事項に適切な重みづけをする」、ウィルスのもたらす影響に対して現実的な結論を得るためにそういった作業を実行できる人が、一体どこにいるのでしょうか。それらすべての要因を同時にさばき、他のだれよりも優れた結論を出すには、飛び抜けた頭脳を備えていなければならないでしょう。(その仕事がコンピューターにもできないのは、まちがいないと思います。歴史的な先例を欠くなかで、あらゆる主観的決定が要求されることを考慮すれば、なおさらです)

For investors, the future is determined by thousands of factors, such as the internal workings of economies, the participants' psyches, exogenous events, governmental action, weather and other forms of randomness. Thus the problem is enormously multi-variate. Take the current situation with its four major components (Covid-19, the economy, oil and Fed), and consider just one: the disease. Now think about all the questions surrounding it:

- How many people have it, including those who are asymptomatic?

- How likely is contact with someone who's infected to create another case?

- To what degree will distancing and masks deter its spread?

- Will the cases be severe, mild or asymptomatic? Why?

- Will the supply of protective gear for medical personnel, hospital beds and ventilators be adequate?

- Will a treatment be developed? To what extent will it speed recovery and prevent fatalities?

- What will the fatality rate be relative to age, gender and pre-existing conditions? Will the impact of the disease on young people worsen?

- Will people who've had it and recovered be immune? Will their immunity be permanent?

- Will the virus mutate, and will immunity cover the new forms?

- Will it be possible to inject antibodies to prevent infection?

- How many people have to be immune for herd immunity to effectively stop the further spread?

- Will social distancing delay the achievement of herd immunity? Is the Swedish approach better?

- Will a vaccine be invented? When? How long will it take to produce and deliver the needed doses? Where will the U.S. stand in the line to get it?

- How many people will refuse to be vaccinated? With what effect?

- Will vaccination have to be renewed annually?

- Will the virus succumb to warm weather and humidity?

- Will the virus be with us permanently, and will it be controllable like "just another seasonal disease"?

Where am I going with this? My point is that very few people can balance all these considerations to figure out our collective risk. And that's just Covid-19. Now think about the many questions that pertain to each of the three other factors. Who can respond to this many questions, come up with valid answers, consider their interaction, appropriately weight the various considerations on the basis of their importance, and process them for a useful conclusion regarding the virus's impact? It would take an exceptional mind to deal with all these factors simultaneously and reach a better conclusion than most other people. (I believe a computer couldn't do so either, especially given all the subjective decisions required in the absence of historic precedent.)

2020年5月20日水曜日

2020年バークシャー株主総会(8)巣ごもり中の株価回復

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、世界恐慌の引き金となった大暴落の話題です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

株価が48%下落する数か月前に、わたしの父たちは町の人々へ株を販売していました。ですから今や街中へ出て、その当人たちと顔を合わせたいとは思わなかったでしょう。それでわが父は「籠城」(shelter in place)を選んだのだろうと思っています。現代風に言えば「巣ごもり」(stay at home)です。我が家にはそれほどモノはありませんでした。小さな庭がありましたが、冬の時期ですから、父はそこでくつろぐわけでもなく、テレビもなかったので、母と仲睦まじく過ごしていました。

次のスライドに進みますと、そのような状況のもとで9か月が経ち、わたしがこの世に産まれました。しかし誕生日だった8月30日には株式市場は閉まっていたので、ここでは前日の株価を使います。わたし自身は市場が休みだとは気づかなかったのですが、それはともかく株式市場は、9か月半ほどの期間を経て20%以上回復していました。




(Warren Buffett 35:26)

And when stocks fall 48%, and they were selling them to people a few months ago, you really don't feel like going out and facing those same people, so I think my dad probably liked to do was, they say now, shelter in place, which means stay at home, and there really wasn't that much in our house, we just had a small yard, it was wintertime anyway, my dad wouldn't have been puttering on the yard anyway, and the television wasn't there, and he and my mother got along very well.

(Warren Buffett 36:10)

So under those conditions, if you'll turn to the next slide, I was born about nine months later, but at that time, I was actually born on August 30th, but the stock market was closed that day, and so I'm using the previous day figures, but I didn't notice at the time that the market was closed, but the stock market had actually recovered over 20% during that nine and a half month period or thereabout.

2020年5月19日火曜日

2020年バークシャー株主総会(7)ウォーレンの父、ハワード・バフェット

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、世界恐慌の話題がつづきます。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

今回の株主総会が立ち消えになったというか激変してしまったことを、苦々しく感じています。オマハにおける多くの事業者に影響を及ぼしたからです。小規模な事業者はありがたい存在であり、わたしたちは実際に便宜を受けています。バークシャーの株主総会には、数多くの事業者が参画してくれました。将来の総会ではまたそうしてくれると思いますが、しかし今回の件で彼らは打撃を受けています。そういう店のひとつThe Bookworm書店について、ひとこと触れておきます[地元の書店。例年の総会では、ウォーレンやチャーリー・マンガーの推薦する本などを出店にて販売している]。

もしわたしが推薦したことをきっかけに何かの本を買いたいと思ったら、オマハで営業しているThe Bookworm書店に注文してみるのはどうでしょうか。さて、ジョン・ケネス・ガルブレイスが書いた『大暴落1929』は、すばらしい本だと思っています。実は、大恐慌には個人的にかかわりがあります。そのため、たいしたことではないのですが、少しばかり身の上話に立ち入りたいと思います。[大恐慌が始まった]1929年には、わたしの父[ハワード・バフェット]は26歳でした。当時は、証券外務員として地元の小さな銀行に雇われていました。彼は株式と債券の両方を販売しましたが、ほとんどは株を売っていました。

(ハワード・バフェット。出典:Wikipedia)

(Warren Buffett 34:02)

... a small business in Omaha, and I hate what this is truncating this meeting, or changing can so dramatically has done to many of the businesses in Omaha, because I think small business is beneficial, and we're the beneficiaries of a really ... they got a lot of business with the Berkshire meeting, and they're going to get it in the future, but they suffer during a period like this, and they just had a story about The Bookworm.

(Warren Buffett 34:28)

Well, The Bookworm, if you buy any books that come out of anything I recommend, think about just put in Bookworm in Omaha, and The Great Crash is a wonderful book of mine, John Kenneth Galbraith describes it, but I would like to get into a bit of a personal note which will have some relevance, not too much, but some relevance to the story of the great depression, because in 1929 my dad, who was 26 years of age then, was employed as a security salesman by a local small bank, and he sold stocks and bonds, but mostly he sold stocks.

2020年5月18日月曜日

2020年バークシャー株主総会(6)1929年の大暴落

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、前回のつづきで、今回からは世界恐慌の話題です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 今度は、別の種類の危機についてお話ししたいと思います。それはもちろん、1929年にこの国を襲った大暴落のことです。そこからさらに世界恐慌へとつながりました。ここではダウ・ジョーンズ工業株価平均を使って説明します。実際のところ、当時はだれもが注目する数字でした。2番目に重要とされていた株価平均は、新聞に載っていたように、ニューヨーク・タイムズ平均でした。ただし今では消滅しています。むろんS&Pはすぐれた指標ですが、ダウ平均も文句なしに適切な指標です。さて1929年9月3日には、ダウ平均の終値が381.17ドルを付けました。人々はとても幸福で、信用取引で株式を買うことが見事にうまくいっていました。


「狂騒の20年代」はそのような状況に満足していました。信じがたいかもしれませんが、自家用車が定着し、航空機による旅行の時代が到来し、あらゆる種類の家電やさらには電話も広まるようになりました。これらは、以前にはそれほど普及していなかったものです。映画も登場しました。幸福な時代だったのです。そして次のスライドに進みますと、ダウ平均は9月3日からの数か月間で、ほぼ半値まで下落しました。実に鮮烈なできごとでしたが、今回わたしたちが直面した状況も同様で、もっと短い期間のうちに株価の三分の一を失いました。1929年の大暴落のことを描いた、すばらしい本があります。ジョン・ケネス・ガルブレイスの著書『The Great Crash(邦題:大暴落1929)』です。 ここで少しばかり別の話を割り込ませてください。オマハで営業している小さな事業者についてです。


(Warren Buffett 31:46)

So let's move on to another crisis of a different sort, that hit the country, and this of course is the 1929 crash, which led to the Great Depression. Here the Dow Jones average, which we'll use through this. At that time, that's the one everybody paid attention to, actually. The second most important average at that time, if you look at the papers, was the New York Times average, which has disappeared, and of course the Standard and Poor's has probably, regardless is a superior yardstick. But the Dow Jones is a perfectly adequate yardstick. On September 3rd, 1929, the Dow Jones average closed at 381.17, and people were very happy and buying stocks on margin that worked wonderfully.

(Warren Buffett 32:55)

The roaring twenties had a good feeling to it with the auto coming of age and the day of air travel coming along and all kinds of new appliances and the telephone getting wider use, believe it or not. Hadn't really caught on that much prior thereto. But the movies were coming on. It was a happy place. Then, of course, if we go to the next slide, we'll look at what happened in the couple of months after September 3rd and the Dow Jones average almost got cut in half, and that was pretty impressive until we had this recent situation where in a shorter period of time we lost about a third. But the crash, and there's a great book about it called The Great Crash by John Kenneth Galbraith. Let me interject one little plug here. There's a small business in Omaha, and I hate what this-

2020年5月17日日曜日

将来の予測などできない(ハワード・マークス)

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オークツリーのハワード・マークスが、5月11日付で顧客向けメモを公開していました。今回のメモ"Uncertainty"を読んだのは、ちょうどバークシャー・ハサウェイの年次総会のトランスクリプトを読み終えたころでした。一読して、あたかもハワードが、ウォーレン・バフェットが総会でにじませた想いを代弁しているかのように感じました。

両者で特に共通していると思われたのは、現在の不確実性を好機として単純にはとらえていない点です。彼らはみずからが判断しかねる事象を謙虚に認め、そこから離れるあるいは安全余裕をとるといった行動をとるよう努めています。そこには、成功した年長者らしい知恵深さを感じます。

今回も常識人ハワードらしい主題が詰まったメモですが、全文が読むに値する文章です。今回からのシリーズで、興味深い箇所をご紹介します。(日本語は拙訳)

Uncertainty [PDF] (Oaktree Capital Management)

だれもが知っているように、今日私たちは4つの領域において前例のない(あるいは少なくともはなはだしく例外的な)事態をむかえています。その4つとは、Covid-19のパンデミック、経済の縮小、原油価格の崩壊、連銀及び政府による対応です。そのように、現在は考慮すべき点が数多くあるため、将来を予測することがことさら難しくなっています。

・経済の領域は、混乱して曖昧模糊としています。この分野が「暗澹(あんたん)たる科学」と呼ばれているのには、ふさわしい理由があります。それは、物理学のような「本物の」科学とは異なり、経済学には所与の解を得るために頼ることのできる、「もし甲であれば、乙である」といった一貫した諸定理が存在しない点です。繰り返し生じるパターンが存在するだけです。それは歴史的、論理的、あるいは観察的なものかもしれませんが、いずれにせよ単なる傾向に過ぎません。

・私が最近書いたメモのなかで、マーク・リプシッチ氏について何度か取り上げました。彼はハーバード大学T. H. Chan公衆衛生大学院で、疫学の教授を務めています。彼の述べた階層を私なりの表現にすると、次のようになります。(a)事実、(b)過去の経験に照らし合わせた論理的推論、(c)憶測。経済学は不確かなため、将来における経済面での事実というものは、あきらかに存在しません。経済学者や投資家は、過去にあったパターンから推論しているのです。ただしそれはせいぜい「信頼するに足らぬもの」であり、彼らの判断は多くの場合において、「憶測」と題するのが然るべきだと思います。

・今日では、次のような質問をたびたび受けます。「どのような形で回復するのでしょうか。V字かU字かW字か、あるいはL字ですか」「あなたが経験したなかで、今回の危機と一番似通っているのは、どれですか」。そういった質問に答えるには、歴史的な視点から考える必要があります。

・しかしながら、上述したような異例の展開になっている以上、今日に類するような事例は、過去にほとんどみられないか、皆無だと言えます。つまり、逃げ込んだり外挿するために使う過去のパターンは存在しません。先に申し上げたように、過去に経験したことがない以上、「これからどうなるのか、私にはわかる」と発言することはできません。

・今日起きている前例なき展開ゆえに、これほど将来を予測するのがむずかしいことは、滅多にありません。いや、4つの要因が同時に生じたことで、おそらくそれは不可能になっています。各要因を個別に理解することが難しいだけでなく、それらがどのように関連しあうのか、はっきりとわからないからです。たとえば次のような例が考えられます。

* 連銀及び財務省が実行する、莫大かつ多相的な貸付・給付・支援・債券購入のプログラムは、Covid-19に対する闘いによって経済がこうむった比類なき損害を帳消しにするほど、十分なものとなるのか。

* 経済活動を再開することで、以前と比較してどの程度まで回復するのか。また、そのことによって疫病の感染拡大がどの程度再燃するのか。再度のロックダウンがどの程度必要になってくるのか。

As everyone knows, today we're experiencing unprecedented (or at least highly exceptional) developments in four areas: the pandemic, the economic contraction, the oil price collapse and the Fed/government response. Thus a number of considerations make the future particularly unpredictable these days:

- The field of economics is muddled and imprecise, and there's good reason it's called "the dismal science." Unlike a "real" science like physics, in economics there are no rules that one can count on to consistently produce a given outcome, as in "if a, then b." There are only patterns that tend to repeat, and while they may be historical, logical and often-observed, they're still only tendencies.

- In some recent memos, I've mentioned Marc Lipsitch, Professor of Epidemiology at Harvard's T.H. Chan School of Public Health. In my version of hierarchy, there are (a) facts, (b) logical inferences from past experience and (c) guesses. Because of the imprecision of economics, there certainly are no facts about the economic future. Economists and investors make inferences from past patterns, but these are unreliable at best, and I think in many cases their judgments fall under the heading of "guesses."

- These days, I'm often asked questions like "Will the recovery be V-shaped, or a U, W or L?" and "Which of the crises you've lived through does this one most resemble?" Answering questions like those requires a historical perspective.

- Given the exceptional developments enumerated above, however, there's little or no history that's relevant to today. That means we don't have past patterns to fall back on or to extrapolate from. As I've said, if you've never experienced something before, you can't say you know how it's going to turn out.

- While unique developments like those of today make forecasting unusually difficult, the presence of all four elements at once probably renders it impossible. In addition to the difficulty of understanding each of the four individually, we can't be sure how they'll interact. For example:

* Will the massive, multi-faceted Fed/Treasury program of loans, grants, stimulus and bond buying be sufficient to offset the unparalleled damage done to the economy by the fight against Covid-19?

* To what extent will the reopening bring back economic activity, and to what extent will that cause the spread of the disease to resume, and the renewal of lock-downs?

2020年5月16日土曜日

2020年バークシャー株主総会(5)働き盛りの男性400万人が息絶える

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、前回のつづきで、南北戦争と現在のコロナ危機を対比した話題です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> アメリカはその傑出した夢の実現に向けて、前進してはいました。しかし三分の一ほど歩んだ時点で、まさしく決断の時をむかえ、争いに突入することとなりました。これはわたしの推計になりますが、この国の18歳から60歳までの男性のうち、およそ6%が文字どおり命をなくしました。戦争中の死者数は60万人を超えたと、わたしは考えています。また「18歳から60歳の男性が、全人口の断然大きな部分を占めていた」とするのも、妥当な推測だと思います。想像できるでしょうか、一国の労働者の中心的年代にいた男性の6%が、4年の間に消滅したわけです。この国の発展を振り返り、現在抱えているわたしたちの問題を考える際に、このことを念頭においてもらえればと思います。次のスライドでは、その数字を今日の水準に直すとどの程度になるかを示していますが、同じ年齢層の人が400万人消滅することになります。アメリカが築いてきた夢のような業績は、世界的な偉業のひとつに挙げられますし、むしろ多くの面で至高の世界的偉業と言えるでしょう。それほどまでの信じがたい停滞が生じて乗り越えていくなかでも、アメリカン・ドリームは築かれ続けていったのです。


(Warren Buffett 29:37)

So while this marvelous dream was being played out, roughly a third of the way through it, we face this really moment of decision, and we entered into a contest that, if we'll go to the next slide, I made an estimate. That literally killed roughly 6% of the males in the country who were between 18 and 60. I'm assuming that there were more than 600,000 deaths in the war. I think it's a reasonable estimate that that 18 to 60 group, males, were by far the great proportion. So imagine 6% of your working prime age males in a country are wiped out in four years. So when we look at the progress of this country and we think of our own problems now, I just ask you to ponder and we'll move to the next slide. That would be equivalent today to having four million males in that same age group similarly wiped out. So that was one incredible interruption which this country nevertheless worked through while compiling this American dream that is one of the wonders of the world, perhaps the wonder of the world in many senses.

2020年5月15日金曜日

2020年バークシャー株主総会(4)自由と平等を望む国家が試されている

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、前回につづく内容で、南北戦争(すなわち米国内戦)のころの話です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> しかし、夢がかなうのはまだ先の話でした。これは重要なことですが、米国は最初の難所に差しかかったのです。非常に過酷な難所がつづき、それらを越えていく必要がありました。231年間をとおして着実な足どりで前進できたわけではありません。実際のところ、この国は産まれたばかりでした。次のスライドに進みますと、生後72年が経過した1861年には、この国の人口が3,100万人になりました。1960年の統計によると、人口が3,100万人前後で、そのうち400万人が奴隷だったとされています。1789年の妥協[=1790年妥協。南北の政治的取引]に含まれていた非常に多くの問題は未解決のままですが、この件はあとでもう少し触れましょう。しかしこの国が直面したのは、外国ではそれほど起こっていない事件でした。もしも1789年当時の人たちへ次のことを知らせたら、彼らはどう思うでしょうか。72年後には国の一部が分裂し、それがきっかけで合衆国大統領[エイブラハム・リンカーン]がゲティスバーグで次のような発言をするようになると。「人々が[自由を]育み、[平等たらんと]身を尽くしてきたこの国や同様の国家が、長きにわたって存続し得るものか、それが試されているのだ」と。想像してみてください。みずから率いてきたこの国が永続するのだろうかと、合衆国大統領が問い悩むのです。これは[独立後]わずかに72年後、いや74年後のゲティスバーグで起こったできごとでした。


(Warren Buffett 27:31)

But it was not done, and this is important, because we've now hit a bump in the road. It was not done without some very, very serious bumps in the road. It was not 231 years of steady progress. In matter of fact, we had been in the birth of this country. We'd been into it, what? 72 years and if we go to the next slide, 1861 we now had about 31 million people. The 1960 cents to showed around 31 million people or thereabouts in the country and four million of them were slaves, and we had never really resolved the very much unfinished business of what was involved in compromises in 1789, and we'll have more to say about that later. But we had something that not too many countries experienced, and if you had told people in 1789 that in 72 years, you were going to have a division that causes the President of the United States at Gettysburg to say that testing whether that nation, or any nation so conceived and dedicated, can long endure. Imagine the President of the United States wondering aloud whether the country that he was presiding over could long endure, only 72 years or 74 years at Gettysburg, had taken place.

2020年5月14日木曜日

2020年バークシャー株主総会(3)231年後の世界

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、前回につづく内容で、米国史を振り返っています。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 2枚目のスライドに進みますと、ここでは1790年の米国人口を見積もってみましたが、390万人になりました。これには、ちょっとした裏話があります。統計上の数字をさがしてみたところ、1921年に商務省の建屋で大火事が発生して、多くの記録が失われていたのです。そのため、欠落をいくつか含んだ統計となっています。それはともかく、米国の人口は390万人でした。また当時奴隷だった人たちの人数ですが、実のところ60万人、というより70万人に近い数字でした。そして390万人という数は、当時の地球上の人口の0.5%に過ぎませんでした。


そのときの390万人のだれかに、231年後の生活がどうなっているか想像してほしいと問いかけたとしましょう。しかし、たとえその相手が最高に楽観的な人であっても、つまりべろべろの酔いどれ者や少しばかり大麻を楽しんでいる人だとしても、どれほどまでに大胆な夢を描いたところで、3世代ののちに、つまりチャーリーとわたしとグレッグの年齢を足した期間ののちに、目の前の我が国にこのような光景が広がっているとは思いもよらなかったでしょう。2億8千万台の自動車が道路を埋め尽くし、旅客機は高度1万2千メートルの上空を飛んで東西両海岸を5時間で結んでいます。今日の便数は数多くないものの、いずれは回復するでしょう。またすばらしい大学がさまざまな州に設置され、強力な病院システムが築かれ、そして1790年代には想像すらできなかった方法で娯楽を楽しむことができます。231年を経たこの国は、あらゆる人の夢想を超えた場所となったのです。

(Warren Buffett 16:54)

If we go to slide two, I've tried to estimate... Well, let's go back. Stay with slide two, but the population in 1790, and we had 3.9 million people here. It's funny, when you look up census figures, you find out that they had a big fire and the Department of Commerce building in 1921, so they lost a lot of the census records. So there's some things where there's a few gaps, but there were 3.9 million people in the United States. Actually, I've got .6 million. It's closer to .7 million. There were 700,000 of those people were slaves at the time. But those 3.9 million people were one half of 1% of the population of the planet.

(Warren Buffett 17:57)

If you'd asked any of those 3.9 million people, any of them to imagine what life would be like 231 years later, even the most optimistic person; they could have been drinking heavily and even had a little pot, and they still could not in their wildest dreams have thought that in three lifetimes, Charlie's mine, and Greg's, that in that period you would be looking at a country with 280 million vehicles shuffling around its roads. Airplanes, maybe not today so much, but they'll be back again. They were flying people at 40,000 feet coast to coast, five hours. That great universities would exist in one state after another, and great hospitals systems, and entertainment would be delivered to people in a way nobody could have dreamt of in 1790s. This country in 231 years has exceeded anybody's dreams.

2020年5月13日水曜日

2020年バークシャー株主総会(2)今ここにあるアメリカ

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バークシャー・ハサウェイの株主総会より、今回からとりあげる話題はウォーレン・バフェットが何度もあらわにしてきた「米国に対する想い」です。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン> それではここからは、基本的にはわたしに関わるちょっとした歴史話をご紹介したいと思います。もしも自分が産まれる年代や場所を好きに選べるとしたら、どうするでしょうか。ただし性別の指定はできず、頭の良さも選べないとします。また特別な能力や弱みの有無も選べません。そのような選択が1回できるとしたら、西暦1720年は選ばないでしょう。1820年も違いますし、1920年も選びません。選ぶ時代は「現在」で、選ぶ場所はアメリカでしょう。もちろんですがこの質問がおもしろいのは、1789年にアメリカが独立してジョージ・ワシントンが政府で宣誓をしてからこのかた、人々が「現在のここ」を選んできた点です。想像できますか。「現在のここ」を望む人たちが、231年間にわたって必ずいたのです。

みなさん、どうやら少々先走ってしまったようです。まずはこちらのスライドをお見せします。つづきのスライドは話が進んでから取り上げます。さて、この1枚目のスライドをみたときに、この国について目をひくのは何でしょうか。それは、きわめて若々しい国である点です。では、それなりに年を取った数名の人間と比較してみましょう。つまり、わたしとチャーリーの年齢や人生経験、さらにはここに列席している若きグレッグ・アベルの人生を合算してみます。すると、アメリカ合衆国建国以来の年数を超えることになります。つまり、この国はそれほどまでに若いわけです。しかし、この国の人たちが成し遂げてきたことは驚嘆に値します。歴史的にみると、この領域がどれだけわずかなものなのか、どうか考えてみてください。


(Warren Buffett 14:39)

I would like to take you through a little history to essentially my case that if you were to pick one time to be born and one place to be born, and you didn't know what your sex was going to be, you didn't know what your intelligence would be. You didn't know what your special talents or special deficiencies would be. That if you could do that one time, he would not pick 1720, you would not pick 1820, you would not pick 1920. You'd pick today, and you would pick America, and of course the interesting thing about it is that ever since America was organized in 1789 when George Washington took the oath of office, people have wanted to come here. Can you imagine that? For 231 years, there's always been people that have wanted to come here.

(Warren Buffett 15:52)

My friend, I think I just jumped the gun just a shade. I'm putting up slide on. But I'm going to call from some slides as we go along. But the interesting thing about this country is what is on slide one? Let's put it up. This is an extraordinarily young country. Now I'm comparing it to a couple of guys that are pretty old, but when you think about the fact that my age, Charlie's age, our life experience, and then we'll throw in this young guy over here, Greg Abel, and if our life experiences combined exceed the life of the United States, we are a very, very young country. But what we've accomplished is miraculous. Now just think of this. This little spot in history.

2020年5月12日火曜日

2020年バークシャー株主総会(1)チャーリー・マンガーのいない総会

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バークシャー・ハサウェイの株主総会が5月2日(土)に開催されました。例年とはちがって、今年は取締役会を中心とするメンバーのみが参加する次第となりました。また壇上に座る2名はウォーレン・バフェットと、事実上の後継者と思われる副会長のグレッグ・アベル(発音は"エイベル"に近い)でした。

総会の模様はYahoo Financeがストリーミング中継をしましたが、そのアーカイブ映像は以下の2つのサイトでも公開されています。今回からご紹介するシリーズでは、トランスクリプトが付けられている前者のサイトから原文を引用させていただきます。

Berkshire Hathaway Shareholder Event 2020 (rev.com) (トランスクリプト付き)

2020 Berkshire Hathaway Annual Meeting - Part 1 (CNBC) (映像拡大表示可)

総会全体の構成としては、前半にウォーレンから長いスピーチがあり、途中に公式の議事をはさんで、後半はいつものように株主から寄せられた質問に対して2名が見解を述べていました。まず今回は、前半冒頭部の話をご紹介します。(日本語は拙訳)

なお、総会全般の基調とそれを受けた反応について、あらかじめ少し触れておきます。前半部に取り上げられた話題に重苦しい面があったり、質疑応答ではバークシャーが慎重な資本配分を堅持していく方針を伝えたことで、既存株主からは批判的な感想も挙げられました(某所での話)。もちろん、航空会社株の売却があったことや、さらにはバークシャーの株価が低迷していることも大きな理由なのでしょう。しかしさまざまな要因を考慮すれば、ウォーレンが選んだ事業上の方針や今回のスピーチは、個人的には同意できるものですし、改めて学ぶところもいろいろとありました。またグレッグ・アベルの姿勢や人柄にも、好印象を持ちました。

<ウォーレン> これからバークシャ・ハサウェイの年次総会を始めます。とても年次総会にはみえないと思います。なおさら年次総会に感じられないのは、60年来のわがパートナーであるチャーリー・マンガーが列席していないからでしょう。この総会に参列されるみなさんは、実のところチャーリーの話を聞きたくて集まっている人ばかりだと思います。しかしながら、ご安心ください。96歳になったチャーリーは元気にやっております。知性のほうも以前と変わらず明敏です。強い声音もそのままです。しかし、この総会のために彼をオマハに呼ぶのが妙案だとは思えませんでした。実のところ今回の件で、彼は新しい生活を始めています。日々の作業にZoom[によるオンライン会合]を加えたのです。彼は毎日さまざまな人と会合をしています。ですから、わたしからすれば彼という存在をテクノロジー的に飛ばした形になります。これは、それほど大したことではありません。いわば、ピーナッツなどを踏まないようにして歩くようなものです(笑)。それはともかく、チャーリーが元気なことはたしかです。来年には、ここに戻ってきます。来年は例年どおりにすべてが開催できるよう、準備を進めていきます。

当社の保険部門を統括する副会長アジート・ジェインも、ニューヨークで健在にやっています。彼についても、この総会のためにオマハに来てもらう必要はないと考えました。ただし、本日わたしの左隣にはグレッグ・アベルが列席しています。副会長である彼は、保険事業を除く全事業を統括しています。つまり、売上高の総額が15兆円以上で、産業の領域は何十にもわたり、総従業員数が30万名以上になる企業群を管理しています。彼はその仕事に就いてから数年目になります。正直なところ、数年前のわたしにはろくにできていなかった責務を、もしもアジートとグレッグに任せていなかったら、今日のわたしになにができていたのか想像もできません。グレッグには大いに感謝しています。今日の話が進むうちに、彼の出番が増えてくると思います。


(Warren Buffett 00:06)

This is the annual meeting of Berkshire Hathaway. It doesn't look like an annual meeting. It doesn't feel exactly like an annual meeting, and it particularly doesn't feel like an annual meeting because my partner of 60 years, Charlie Munger, is not sitting up here. I think most of the people that come to our meeting really come to listen to Charlie. But I want to assure you, charlie at 96 is in fine shape. His mind is as good as ever. His voice is as strong as ever, but it just didn't seem like a good idea to have him make the trip to Omaha for this meeting. Charlie, Charlie is really taking to this new life. He's added Zoom to his repertoire. So has meetings every day with various people, and he's just skipped right by me technologically. But that really isn't such a huge achievement. It's more like, kind of like stepping over a peanut or something. But nevertheless, I want you to assure you, Charlie is in fine shape, and he'll be back next year. We'll try to have everything in the show that we normally have next year.

(Warren Buffett 01:26)

Ajit Jain also, who is the vice chairman in charge of insurance, is safely in New York. Again, it just did not seem worthwhile for him to travel to Omaha for this meeting. But on my left we do have Greg Abel, and Greg is the vice chairman in charge of all operations except insurance. So Greg manages a business that has more than 150 billion in revenues and crosses across dozens of industries and has more than 300,000 employees. He's been at that job a couple of years, and frankly, I don't know what I'd be doing today if I didn't have Ajit and Greg handling the duties that I was doing only about a quarter as well a couple of years ago. So I owe a lot of thanks to Greg, and you'll get exposed to him more as this meeting goes along.