ot
ラベル 常識的な知恵 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 常識的な知恵 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年6月22日月曜日

2020年バークシャー株主総会(29)あなたは普通株を保有するにふさわしいのか

0 件のコメント:
バークシャー・ハサウェイの株主総会より、農地の話題のつづきです。短い引用なので、ハイパーリンクで示した参考記事のほうもご覧ください。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

もし農地を所有しているところに、ある日あの隣人が「1エーカーあたり2,000ドルで買いたい」と提案してきたとします。その翌日には1エーカーあたり1,200ドルで、さらに次の日には800ドルで買いたいと言ってきたら、実際どう感じるでしょうか。農地からあがる生産額を評価して2,000ドルだろうと考えましたか。その人の発言によって、「言い値はこれからも下がる一方のようだから、売ったほうがいいだろう」と考えるようになりましたか。つまり普通株を保有する際には、それに即した心持ちで臨むことが、とにかく何よりも重要になります。

(Warren Buffett 01:20:09)

If you really had a farm, and you had this neighbor, and one day he offered you $2,000 an acre, and the next day he offers you $1,200 an acre, and maybe the day after that he offers you $800 an acre, are you really going to feel that at $2,000 an acre when you had evaluated what the farm would produce, are you going to let this guy drive you into thinking, "I better sell because this number keeps coming in lower all the time"? It's a very, very, very important matter to bring the right psychological approach to owning common stocks.

(参考記事)
これさえあればだれでも使える投資戦略(チャーリー・マンガー)
優れた投資家に共通する気質(ウォーレン・バフェット)

2020年6月18日木曜日

2020年バークシャー株主総会(27)信頼できる会社に投資しよう

0 件のコメント:
バークシャー・ハサウェイの株主総会より、農地の話題のなかで出てきた投資業界についてです(この話題が登場する通例とはちがって、今回の指摘は手厳しくありません)。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> そこでは莫大なお金が動いています[投資助言、投資信託業界]。だから彼らはこう言います。「大切なことなのですよ。値段の動きについては私たちが考えますから、その考えをしっかり守ってください」。あるいは顧客みずからが「重要なちがいがあるはずだ」と自分に言い聞かせるかもしれません。しかし真実はこうです。もしもウィルスが伝わってくる以前から気に入った企業を保有していたのであれば、株価が変わったところで「売却せよ」と強要してくる人などいません。その企業を本当に気に入っており、経営陣を信頼して会社を任せるのであれば、事業に根本的な変化がないかぎり、株式には著しい強みがあります。そして株式を保有することでアメリカの未来に賭けることができます。もう少し後でバークシャーの業績報告をしますので、その際に事業や環境の変化について少々お話しします。

(Warren Buffett 01:18:11)

There's huge money it. So people tell you that it's important, and they know, and that you should pay a lot of attention to their thoughts about what price changes should be, or you tell yourself that there should be this great difference. But the truth is, if you owned the businesses you liked prior to the virus arriving, it changes prices, and it changes, but nobody's forcing you to sell. And if you really like the business, and you like the management you're in with, and the business hasn't fundamentally changed, and I'll get to that a little when I report on Berkshire, which I will soon, I promise, the stocks have an enormous advantage. And you can bet on America.

今回や次回の投稿で取り上げる文章は、一見すると変哲もない話なのですが、何度も読み返すうちに、ウォーレンが抱く暗い側の予感が図らずもにじみ出ているように感じられました。

2020年6月17日水曜日

2020年バークシャー株主総会(26)となりのオッサンが何をわめき立てるかを当てる仕事

0 件のコメント:
バークシャー・ハサウェイの株主総会より、農地の話題のつづきです。前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> つまり、農地がもたらしてくれる可能性を考えるわけです。そこへ、隣りの農地を所有するおバカさんがやってきます、彼は、ある種の躁うつ病をかかえた呑み助でもあり、さらには大麻を少しやっているかもしれません。そんな彼があちこちに現れて、売買の呼び値を告げてくれます。ですからここではただ一つ、次のことを覚えておくだけで大丈夫です。「その隣人は私に尽くす人であり、私を導く人ではない」と。「その農地で儲けられる可能性がある」と自分で考えたからこそ、自分で買うのです(笑)。実際のところ、呼び値を出してもらう必要はありません。ジョン・D・ロックフェラーやアンドリュー・カーネギーといった人と取引する際には、呼び値はありませんでした。のちになってから呼び値が出てきましたが、基本的にはその事業を営むために買うわけですから、株式を買うときにも同じようにすればいいのです。しかしその際にさきほど述べた利点があるので、それが活かせます。つまり「こちらは聞く耳を持たないものの、呼び値を毎日提示してくれる隣人」のことです。彼の出す値段には上下動があるでしょう。高騰した[soaring]値段で買おうと言ってくる日もあります。そんなときに売りたいと思えば、そうしてください。

あるいは彼が非常に安い値段を提示すれば、彼の農場を買い取ればいいでしょう。ただし、そうしなくてもかまいません。そうせざるを得ない状況に身を置きたくはないでしょう。ですから株式には、「常に株価をわめき立てる人たちがいてくれる」という絶大な強みが、もともと備わっているのです。しかし、多くの人がそれを弱みに変えているのが現実です。そして、「となりの農夫が明日や来週や来月に何をわめき立てるのか、それを予想して他人に教える」ことで何やら稼いでいる人たちも、当然たくさんいます。

(Warren Buffett 01:16:19)

But you think about the potential of the farm, and now we get this idiot that buys the farm next to you, and on top of that, he's sort of a manic depressive and drinks, maybe smokes a little pot. So his numbers just go all over the place. Now, the only thing you have to do is to remember that this guy next door is there to serve you and not to instruct you. You bought the farm because you thought the farm had the potential. You don't really need a quote on it. If you bought in with John D. Rockefeller or Andrew Carnegie, and da, da, da, da, there were never any quotes. Well, there were quotes later on, but basically you bought into the business. And that's what you're doing when you buy stocks. But you get this added advantage that you do have this neighbor who you're not obliged to listen to at all who is going to give you a price every day. And he's going to have his ups and downs. And maybe he'll name a selling price that they'll buy at, and in which case you sell if you want to.

(Warren Buffett 01:17:34)

Or maybe he'll name a very low price, and you'll buy his farm from him. But you don't have to. And you don't want to put yourself in a position to where you have to. So stocks have this enormous inherent advantage of people yelling out prices all the time to you, and many people turn that into a disadvantage. And of course many people can profit in one way or another from telling you that they can tell you what this farmer's going to yell out tomorrow or next... your neighboring farmer's going to yell out tomorrow, or next week, or next month.

備考です。ベスト・エッセイ以外でも、ウォーレンは同じ主旨の話を披露しています。たとえば、以下の過去記事はおすすめです。

べろんべろんの酔っぱらい(ウォーレン・バフェット)

2020年6月16日火曜日

2020年バークシャー株主総会(25)オレの農地を買わねえか

0 件のコメント:
バークシャー・ハサウェイの株主総会より、今回からつづく話題は「バフェットからの手紙」の2013年度版で書かれていた内容の再現と言えるものです。だからといって読み飛ばす必要はありません。「重要なことは何度も話すべし。何度も聞くべし」、これは年を重ねた者が理解している知恵のひとつだからです。

蛇足になりますが本ブログでは、そのレターつまり2013年度「バフェットからの手紙」を「ウォーレン・バフェットのベスト・エッセイ」と独断で銘打っています。そのときの投稿などを含む目次はこちらです。また前回分の投稿はこちらです。(日本語は拙訳)

<ウォーレン・バフェット> 今まさに資金を投じて農場を買おうとする瞬間を想像してみてください。このあたりの農地を、たとえば面積が160エーカーの農地を買おうとして、1株いや1エーカーあたりXドルで買ったとします。そのとき、隣接した土地の農夫もまったく同じ160エーカーの農地を所有しているとします。土地の形状も同じで、同じ質つまり土壌の質も同じ、いろいろな点で同一と考えてください。その同じ農地を所有する隣人はひどく変わった性格の持ち主で、毎日こんな風に語りかけてきます。「オレの農地を買わねえか。それとも、アンタの農地を売らねえか」。そして彼は売買ともに同じ値段の言い値を示してきます。

彼はずいぶんと手厚い人でした。つまり「となりの農地にその手の人がいると、ありがたい」という意味です。このとき、農地のかわりに株式に置き換えて考えればいいのです。GMの株を100株買いたいとすれば、月曜日の朝にだれかが100株売ってくれます。また、同じ値段で100株を買い取ってくれます。どういうわけか、そんな取引が1週間に5日間行われるのです。

しかし、もし農家の人であればここでどのような行動をとるか、想像してみてください。農地を買うときには、その土地でなにを生産しているのかを確かめるでしょう。心をよぎるのはそういったことです。こんな風にも自問するでしょう。「1エーカー当たりXドルで買ったとして、トウモロコシやら大豆やらが、豊作と不作の年を考えると平均して何ブッシェルぐらい収穫できるだろうか」「作物が高値で売れる年もあるだろうし、安値になる年もあるだろう」などと。

(Warren Buffett 01:14:28)

Imagine for a moment that you decided to invest money now, and you bought a farm. And the farmland around here, let's say you bought 160 acres, and you bought it at x per share, or per acre. And the farmer next to you had 160 identical acres, same contour, same quality, soil quality, so it was identical. And that farmer next door to you was a very peculiar character because every day that farmer with the identical farm said, "I'll sell you my farm, or I'll buy your farm at a certain price," which he would name.

(Warren Buffett 01:15:29)

Now, that's a very obliging neighbor. I mean, that's got to be a plus to have a fellow like that with the next farm. You don't get that with farms, you get it with stocks. You want 100 shares of General Motors, and then on Monday morning, somebody will buy you 100 shares or sell you another 100 shares at exactly the same price. And that goes on, I don't know, five days a week.

(Warren Buffett 01:15:58)

But just imagine if you had a farmer doing that. When you bought the farm, you looked at what the farm would produce. That was what went through your mind. You were saying to yourself, "I'm paying x dollars per acre. I think I'll get so many bushels of corn or soybeans on average, some years good, some years bad. And some years the price will be good. Some years the price will be bad," etc.