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2012年11月28日水曜日

コモディティーの価格はどうなるか(ジェレミー・グランサム)

GMOのマネー・マネージャーであるジェレミー・グランサムによるレター(2012年第3四半期)が公開されていました。題名は「ゼロ成長へ向かって」と、景気のよくない内容です。目新しいものはそれほどありませんが、今後のアメリカは低成長が続くだろうと、いくつかの要因から予測しています。労働人口の動態やサービス型経済に関する指摘も印象に残りましたが、主役の話題は資源問題でした。今回は、今後の商品市場に対する彼の見解を引用します。(日本語は拙訳)

On the Road to Zero Growth (GMO)

資源価格はまだ20%は割高だろうと私は確信しています。その背景として、短期的には供給が追いついてきたこと、一方ではその流れの中で賢明にも延期する動きがみられること、また投機筋の動向や、直近では中国の成長が鈍化していること、つまり中期的には年率5,6%といった低成長がみえてきたことが挙げられます。(この件については我が同僚のエドワード・チャンセラーが完全に当たっていましたが、彼の予測が早すぎたか、中国が現実を認めるのが遅すぎたかのどちらかでした)。私としてはこれを乗り切るために、あらゆる商品の価格がこれからさらに20%下落してもいいように、心の準備をしています。これには穀物も含まれますが、4シーズン連続で次も世界規模の作柄不良になるとは、私にはとても想像できません。しかし20%下落した後でも、商品価格は今後10年間で2倍になり、複利計算では年率7%増となるでしょう。これは全世界のGDP成長率よりずっと大きな数字ですし、アメリカや他の先進国の成長と比較すればひどく高いものです。私の見解では、年率で7%増加するということは、コスト面におけるパラダイムシフトになるとみています。

Today, I believe that resource prices probably still have about 20% fat in them, representing short-term supply catch-up, some judicious foot dragging in increasing supply, some speculation, and, more recently, a decline in Chinese growth, which seems very likely to settle onto a materially lower trend in the intermediate term of, say, 5% or 6% a year. (In this my colleague Edward Chancellor appears to have been completely right, although either he was early or the Chinese were slow to admit reality.) To capture this I am mentally allowing for a further decline of 20% in all commodities including grains, where I cannot get my brain around the idea of a fourth consecutive terrible global growing season! However, even after an imputed 20% markdown, the prices will still have doubled in 10 years or compounded at 7% a year. This is far higher than global GDP growth and painfully higher than growth in the U.S. or other developed countries. This 7% a year increase, in my opinion, represents a paradigm shift in costs.


ちなみにGMOが運用している預かり資産は1000億ドル、円換算では8兆円です。

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