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2012年3月15日木曜日

最高のリターンをあげているビジネス(ウォーレン・バフェット)

今回の話題は「最高のリターンを挙げているビジネス」です。早速ですが、ウォーレン・バフェットによる1987年度「株主のみなさんへ」から引用します。

私どもの経験では、最高のリターンを挙げているビジネスは、5年前10年前とよく似たことを今も続けている企業ばかりです。むろん、経営者がそれに甘んじてよいとは言っておりません。ビジネスには、サービス、製品群、製造技術などを改善する機会がいつでもあるので、それらは取り組むべきでしょう。ですが、度々大きな変化にさらされるビジネスは、大失敗をするリスクも大きくなります。その上、激しく動き続ける、いわば「経済的な」地域に、堅固鉄壁なフランチャイズを築くのは難しいときたものです。そのてのフランチャイズこそ、高いリターンをあげ続けるための鍵なのですが。

Experience, however, indicates that the best business returns are usually achieved by companies that are doing something quite similar today to what they were doing five or ten years ago. That is no argument for managerial complacency. Businesses always have opportunities to improve service, product lines, manufacturing techniques, and the like, and obviously these opportunities should be seized. But a business that constantly encounters major change also encounters many chances for major error. Furthermore, economic terrain that is forever shifting violently is ground on which it is difficult to build a fortress-like business franchise. Such a franchise is usually the key to sustained high returns.


ウォーレンの「5年前10年前云々」はトートロジー的に聞こえますが、別の言い方をすれば「製品やサービスの寿命が長い」ということだと思います。そこを足場に、何らかの強みをいかしてMoatを築く。ウォーレンやチャーリー・マンガーが好むビジネスの姿です。

そういえば、「製品寿命が長い」という戦略は、マニーの社長が強調していたのを思い出します(例えば第51期決算説明会資料のPDFファイルp.18)。同社の株価は最近の上昇相場には追いつけていませんが、間違いなく注目に値する企業のひとつです。

ウォーレンの文章でもうひとつ重要な点が、赤字で示した「度々大きな変化にさらされるビジネスは、大失敗をするリスクも大きくなる」。さりげなく確率論的な表現ですが、ウォーレンもチャーリーも数学好きですので、こういう思考は自然に浮かび上がるのでしょう。

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