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2012年6月29日金曜日

レストランを品定めするように(ジョン・テンプルトン)

ジョン・テンプルトンの「投資で成功するための16のルール」から、今回はルールその5「株式を買う際には、優良企業の中から割安なものを選びなさい」の説明文です。引用元はこちらです。(日本語は拙訳)

どういう企業であれば質が高いといえるのでしょうか。例えば、成長市場で売上のリーダーとして足場を固めていたり、技術革新を要する分野において技術面でリードしていたり、過去の実績に裏付けられた強力な経営陣がいたり、新規市場に最初に踏み入れた企業の中でも十分な資本を有していたり、有名かつ信頼のおけるブランドで消費者向け製品を提供して高い利益を得ている、といった企業があてはまるでしょう。

当然ですが、そういった様々な「質」を個別に考えるべきではありません。たとえば、低コストが売り物の企業であっても、自社の製品が顧客の望むものではなくなっていたら、質の高い株とはいえません。同様に、ある技術面でリードしていても、事業を拡大したりマーケティングを進めるのに必要な資本が不足していれば、あまり意味がないのです。

株の質を見極めるには、レストランを品定めするように考えるとよいでしょう。完全無欠というのは難しいですが、優れたところがなければ3つ星や4つ星はあげられない、といった具合です。

Quality is a company strongly entrenched as the sales leader in a growing market. Quality is a company that's the technological leader in a field that depends on technical innovation. Quality is a strong management team with a proven track record. Quality is a well-capitalized company that is among the first into a new market. Quality is a wellknown trusted brand for a high-profit-margin consumer product.

Naturally, you cannot consider these attributes of quality in isolation. A company may be the low-cost producer, for example, but it is not a quality stock if its product line is falling out of favor with customers. Likewise, being the technological leader in a technological field means little without adequate capitalization for expansion and marketing.

Determining quality in a stock is like reviewing a restaurant. You don't expect it to be 100% perfect, but before it gets three or four stars you want it to be superior.


アメリカのファンド・マネージャーは、しばしば「質が高い」(high quality)という表現をします。本ブログでもgonchanさんがコメントして下さっていますが(過去記事)、具体的に何をさしているのだろう、とわたしも気にはなっています。今回ご紹介したテンプルトン卿は大御所だけあって漠然とした感もありますが、噛みしめてみるとなかなか味わい深いですね。

2 件のコメント:

gonchan0810 さんのコメント...

== ハイクオリティーカンパニー ==
こんにちは。
ジェレミー・グランサムのような人も良く使っていますね。
テンプルトンのリターンはバフェットより上のような気がするのですが、ファンドサイズが小さいからか、彼ほど注目が集まらないように思いますが、私も非常に好きな人です。
ハイクオリティーに明確に「これ」といえそうな定義があるわけでもありませんが、長期的に持続的にかつ、安定的にEPSやDPSを増やしていける会社、また、ROEが高い会社(例20%以上を継続的に叩き出す)、キャッシュフローが潤沢な会社というのが最大公約数でしょうか。
結局、定性的に良い会社の定量的な傾向はこのように集約されると思います。
私が比較的信頼しているコメンテーターにPat Dorsyという元Morningstarの人がいますが、彼が出した「千年投資の公理」という本に、バフェットの「Economic Moat」をMorningstar社並みに解説しています。たぶんハイクオリティーの概念に近いと思います。

betseldom さんのコメント...

== gonchanさん、ご助言ありがとうございます ==
gonchanさん、早々にコメント頂きましてありがとうございます。
ハイクオリティーの定義をずばりご回答頂きまして、とても参考になりました。
具体的な指標に目を通すと、そのあたりのコントロールはやはりUSの有力企業は上手なようですね。日本企業は相対的にサービスがきめこまかく、同胞として誇らしく感じますが、一株主としてはアメリカ人のドライな商売根性や文化にも魅力を感じます。
『千年投資の公理』は本ブログでも一度とりあげたことがあります。gonchanさんのご指摘と同じで、マンガー=バフェット的なMoatはハイクオリティーの概念に近いと捉えています。機関投資家的な見方をするとグランサムのほうが都合がよさそうですが、個人的にはマンガーをよいしょしたいと感じています。それはともかく、本書で登場する具体的な個別企業の例も勉強になりますね。
http://betseldom.blogspot.com/2011/10/mf-15.html
ご見識豊かなコメントをいつもありがとうございます。お時間の許すことがあれば、またよろしくお願い致します。
それでは失礼します。