ot

2016年2月18日木曜日

2016年デイリー・ジャーナル株主総会(2)コカ・コーラ社について

0 件のコメント:
デイリー・ジャーナル社の株主総会の記事から、コカ・コーラ社に対するチャーリー・マンガーの評価を引用します。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<コカ・コーラ社の縮小及びバークシャーが主要株主であることによる擁護の有無について>
コカ・コーラ社の製品は何十年にもわたって水と砂糖を混ぜたものでした。宿命が次々とやってくるかのように、毎年成長をつづけたものです。しかし近年になってからは縮小しています。最近のコカ・コーラ社は新製品を多数発売し、インフラ共々成長させています。それができる力とは、実のところ広大な販売流通網にあります。今でも同社は強力な企業ですし、これからも尊敬されていくでしょうが、かつてほどではないと思いますね。

Coke on decline and does BRK's major holding in the stock provide cover for it?: "For many decades, the product was water and sugar, and it grew every year like the March of the Inevitable, but in recent years this declined, and in recent years Coke's vast offering and infrastructure with new products are growing. The power is really in that vast distribution network. It is still a strong company and will be respectable, but it is not like it used to be."

2016年2月16日火曜日

2016年デイリー・ジャーナル株主総会(1)人生での過ちを減らすには

0 件のコメント:
チャーリー・マンガーが会長を務めるデイリー・ジャーナル社の株主総会が開催されていたようで、チャーリーの質疑応答が以下のWebサイトにアップロードされています。まだ全文を通読してはいませんが、一部をご紹介します。今回引用する箇所はおなじみの話題ですが、だからこそ大切なのは言うまでもないですね。(日本語は拙訳)

Charlie Munger At The 2016 Daily Journal Corporation Meeting [FULL NOTES] (ValueWalk)

<人生における過ちを減らすには>
私やウォーレンや[デイリー・ジャーナル社の取締役である]ゲリンがしていることは、2つです。ひとつめが、考える作業に多くの時間を費やすことです。予定が一杯ということはないので、私たちの様子は事業家というよりも学者然としていると思います。数件の機会を待ち続ける静かな毎日ですよ。それらを求めてずっと待ったあげく何も起きなかろうが、へっちゃらです。ウォーレンは彼の帝国に鎮座しており、今週の予定といえば髪を切りに行くだけでした。そしてたくさんの時間を考えごとに費やすわけですね。ここにお集まりの諸君は幸運にも人目につかない人が多いでしょうから、時間の多くを考えごとに使えると思います。ふたつめは掛け持ち作業[直訳はマルチタスキング]についてです。人間はそうする能力を持ってはいるものの、病院の看護師長を務めているのでなければ、それが最上のやりかただとは思えませんね。そうなってしまえば、凡庸な人生で満足するしかないでしょう。私が次善の目標を持つことはありませんでした。ボリショイ・バレエの主役になりたいとか、ヤンキー・スタジアムで登板したいという考えはなかったですよ。知恵や機会を営々と追求することが大切です。これは私生活にも当てはまります。すばらしい相手と結婚できる機会が、5回や6回もめぐってくることはありません。ふつうは1回だってありません。並みの機会が訪れて、並みの結果となるのがふつうですね。(4ページ目)

How to reduce errors in life: "Warren and I and [DJCO director J.P.] Guerin do two things. One, we spend a lot of time thinking. Our schedules are not crowded, and we look like academics more than businessmen. It is a soft life waiting for a few opportunities, and we seize them and are ok with waiting for a while and nothing happens. Warren is sitting on an empire, and all he has on his schedule is a haircut this week. He has plenty of time to think. Luckily so many of you groupies [attendees] are so obscure, you'll have plenty of time to think. Second, multitasking is not the highest quality thought man is capable of doing unless you're chief nurse of hospital. If not, be satisfied with life in shallows. I didn't have #2 plan; I wasn't going to dance lead in Bolshoi Ballet or stand on the mound in Yankee Stadium. The constant search for wisdom or opportunity is important. It applies to the personal life too. Most of you aren't going to have five or six opportunities to marry a wonderful person. Most of you aren't going to get one. Most of you get an ordinary chance, which leads to an ordinary result."

2016年2月14日日曜日

最近の株式購入状況(2016/2/12)

2 件のコメント:
おとといの2/12(金)にポートフォリオ中の株価が大幅に下落したため、日本株を少しまとめて買い増ししました。具体的には以下の2銘柄です。

・従来から保有している主力銘柄の一社
・クラレ(3405)

また、今年に入ってから株価下落につれてポツポツと買い増した銘柄は以下のとおりです。

・モザイク(MOS)
・メック(4971)

景気循環を考えると悪化が進むのはこれからで、循環的な銘柄を買うには時期が早すぎるようにも思えます。しかしそれでも買ってしまうのは、精神的な弱さを克服できておらず、ビジネスライクなプロセスが徹底されていないせいだと自覚しています。安いと思っても、本物の安さはずっと先で待っている。何をいついくらでどれだけ買うのか、その選択が迫られる投資とは実におもしろい行為だと思います。

2016年2月12日金曜日

さまざまな逆説を受け入れよ(チャーリー・マンガー)

0 件のコメント:
チャーリー・マンガーが2000年にフィランソロピー円卓会議で行った講話の7回目です。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

この部屋にいる多くの方は、過ぎ去りし年月の印象を強く持っておられると思います。私の年代か、その直後の年代ですね。倹約を旨としたり、浪費を戒めることは善であると受けとめたものでした。そういったプロセスは我々にとってうまくいきました。ですから、経済学者が以前から「愚かな消費は経済発展に不可欠な要因だ」と称えてきたことは、我々からすれば逆説的でしたし、困惑させられました。私たちとしては、「愚かしい消費(foolish expenditures)」のことは「愚曲(foolexures)」と呼ぶことにしましょう。みなさんのように古き価値観を抱く人であれば、みずからの考える「愚曲」の一例に、「フェベズルメント」つまり「横領に相当するもの」が加わったと感じられたことでしょう。新しい日の始まりにふさわしい話題ではないかもしれませんが、私が「横領相当」を好まぬことをどうかご了解ください。私が思うに、「横領相当」は大きく広がり、経済に強い影響をもたらしています。ですから、たとえこの件を好まないとしても、その現実を認識すべきです。この件を好まぬ人ほど、なおさらそうすべきです。さらには、「良き振る舞いを以ってしても解消できない逆説」を喜んで受け入れるべきです。あらゆる逆説を排除することは純粋数学でさえもできないのですから、その他大勢の我々としては、好き嫌いにかかわらず、さまざまな逆説を受け入れざるを得ない、そう認識すべきでしょう。

This room contains many people pretty well stricken by expired years - in my generation or the one following. We tend to believe in thrift and avoiding waste as good things, a process that has worked well for us. It is paradoxical and disturbing to us that economists have long praised foolish spending as a necessary ingredient of a successful economy. Let us call foolish expenditures “foolexures”. And now you holders of old values are hearing one of your own add to the case for “foolexures” the case for “febezzlements” - the functional equivalent of embezzlements. This may not seem like a nice way to start a new day. Please be assured that I don’t like “febezzlements”. It is just that I think “febezzlements” are widespread and have powerful economic effects. And I also think that one should recognize reality even when one doesn’t like it, indeed, especially when one doesn’t like it. Also, I think one should cheerfully endure paradox that one can’t remove by good thinking. Even in pure mathematics, they can’t remove all paradox, and the rest of us should also recognize we are going to have to endure a lot of paradox, like it or not.

2016年2月10日水曜日

スポーツ選手が抱く心境に学ぶ(セス・クラーマン)

0 件のコメント:
2009年3月のOID誌に掲載されたセス・クラーマンの講演記事から、さらに引用します。前回分はこちらです。(日本語は拙訳)

<クラーマン> みずからの投資プロセスをコントロールすることにおいて、そういった点は絶対的に重要です。ソシエテ・ジェネラル社のストラテジストであるジェームズ・モンティエ[現在はGMOに所属]は、少し前に書いた文章で次のように指摘していました。「北京オリンピックで競技が始まる直前に、どんなことを心に抱いていたか」、運動選手たちに対してそう質問したところ、返事はどれも同じように、選手がひたすら考えていたのは結果ではなくプロセスのほうだったとのことでした。プロセスに集中することが、最善の結果を達成する術だったのです。

さらにモンティエは、昔から心理学者が「結果バイアス」として知られる現象を知っていたことに触れています。これは、結果の如何によって異なった評定をくだす傾向のことです。たとえばある医者が手術を行って、患者が命を取りとめたとします。この場合、同じ手術をしながらも失敗して患者が死亡した場合と比較して、はるかに優れていた判断だったと評定されます。モンティエ曰く、成果が振るわない期間にはプロセスを変更するようにとの圧力が高まります。しかしそのプロセスが適切である以上、プロセスを変更することこそ間違いなのです。(p.3)

Klarman: This point about controlling your process is absolutely crucial. James Montier, SocGen's market strategist, pointed out in a recent piece that when athletes were asked what went through their minds just before competing in the Beijing Olympics, the response again and again was that the competitor was focused on the process, not on the outcome. The way to maximize outcome is to concentrate on the process.

Montier points out that psychologists have long been aware of a phenomenon known as "outcome bias". This is the tendency to judge a decision differently based on its outcome. For example, if a doctor performs an operation and a patient survives, the decision is rated as significantly better than if the same operation fails and the patient dies. According to Montier, during periods of poor performance, the pressure builds to change your process. But so long as the process is sound, this would be exactly the wrong thing to do.