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2014年7月6日日曜日

投資とは芸か、それとも科学か(セス・クラーマン)

マネー・マネージャーのセス・クラーマンに触れた短い記事が少し前に掲載されていたので、ご紹介します。肝心なことが簡潔に述べられています。訳すほどの長さではないですが日本語のほうがさっと読めますので、いつものように和訳を付けています。

Is Investing an Art or a Science? (Institutional Investor)

彼の会社であるバウポスト・グループはボストンを拠点として270億ドルを運用している。もっとも古くから続いているファンドは1983年の設立以来、年率10%台後半の成績をあげてきた。そのバリュー投資家は「私ならば第一に芸が最重要で、第二が技能、第三が科学だと言いたいですね」と答えた。そして次のように説明してくれた。証券を評価する際の「科学」は、今日ではほぼありふれたものと化している。一方でその様子が日々はっきりと見えると彼が言う「技能」は、バリュー投資において格別に重要なものであるとする。バリュー投資で成功するカギのひとつは規律に従うことであり、高い値段を出さないことだと。そして「芸」だが、これはある投資対象から主要なテーマを2,3つ抽出する能力であり、その問題の核心を突くことだと彼は表現してくれた。

The value investor, whose Boston-based Baupost Group manages about $27billion, replied: I would say art first and foremost, craft second, science third. Klarman, whose oldest fund has delivered an annualized return in the high teens since its 1983 inception, explained that the science of valuing securities is almost a commodity these days, while the craft what he calls showing up every day is especially important for value investing, where one of the keys to success is being disciplined and not overpaying. The art, he went on to describe, is the ability to distill two or three major themes out of an investment and get right to the heart of the matter.


なお、訳していない部分ではヴァンガード(インデックス・ファンド)のジョン・ボーグルの意見が載せられています。彼のほうは「投資とは、芸というよりも科学である」との意見でした。個人的にはどちらの意見も正しいと思っています。株式市場のような投資対象もさまざまな側面を持っており、だからこそ自分に合ったやりかたで取り組むことでも適切なリターンを切り出せるだろう、と楽観的に考えています。

1 件のコメント:

ブロンコ さんのコメント...

== No title ==
ドン・キーオの著書「ビジネスで失敗する人の10の法則」に「経営は技であって、科学ではない。人間の行動を数量化し、数式でとらえようとする人には警戒すべきだ。」と書かれていたのを思い出しました。
私は「こうすればこうなる」というのが科学であると定義しており、投資は「こうすればこうなる」とは限らないので、少なくとも科学ではないと考えています(科学の定義づけ次第では「投資は科学である」と言えるかもしれませんが、今のところそう言えるだけの定義を見つけることができていません)。